2025/8/8
薬剤師(薬学博士)の一宮市議会議員の中村かずひとです。
今年の夏も異常に暑く、熱中症への注意が必要です。水分をとりつつ、体調管理にご注意下さい。今回は、体調管理として体温調節に重要関わりがある発汗について紹介します。

■ヒトの進化の証
地球環境のサバンナ化によって森から草原に出てきたヒトの祖先は、食べ物を求めて広い大地を長時間歩いたり、狩りをして走り回ったりするようになりました。運動量が増えると、体温は上がっていきますが、あまりに熱くなると、特に熱に弱い脳をはじめ、カラダの組織がもちません。そこで、ほかの動物よりも効率的に熱を下げる仕組みが必要になりました。
サルをはじめとする動物の全身をおおう体毛には、保温効果や細菌・紫外線など外部の刺激から肌を守る役目がありますが、体温が上がりすぎる危険が常につきまといます。ヒトにとって体毛はむしろ邪魔なモノとなって退化し、熱を外に逃がす効果にすぐれた「発汗」という仕組みが発達しました。
ちなみに、ヒトは、トレーニングを積めば、夏の暑い日でも2~3時間のマラソンを走ることができます。しかし、他の動物、たとえば犬などは、真夏にマラソンと同じスピードで走ると、15分くらいしかもちません。

■暑くても汗が出ない場合は
40℃を超える部屋の中で作業をされていて熱中症となり、意識がなく、血圧も低い状態で搬送された方がいたそうです。輸液をして事なきを得ましたが、この方は後天性全身性無汗症であり、汗腺の機能異常があるため体温調節ができず容易に熱中症になっていたことが後でわかりました。発汗は体温調節に大変重要ですが、後天性全身性無汗症のメカニズムはまだよくわかっていません。全身性ステロイド投与によって軽快することが知られているため、アセチルコリン受容体に対する自己免疫疾患の可能性、あるいは細胞膜に存在していて細胞の水を出し入れする「アクアポリン」というタンパク質に異常があるという説もあります。
■薬で汗が出なくなることも
この無汗症が抗てんかん薬を飲まれている患者さんに起きることがあり、特に夏場は注意が必要です。抗てんかん薬の副作用として、発汗減少という珍しい副作用が報告されています。これらの副作用は、小児の方が成人よりも生じやすいとされており、元気な子どもには特に注意が必要です。
ちなみに、防寒着のセーターのスペルは「sweater」ですが、1891年にフットボール選手がトレーニングをする際に、汗をかいて減量するために着用するようになったことがはじまりのようで、「汗(sweat)をかくもの」を意味する「sweater(スウェター)」に由来するそうです。

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