2024/12/12
冬に備えて、季節性インフルエンザワクチン接種の時季になりました。小児・高齢者・ハイリスクのある方(妊婦等)においては、接種が勧められています。日本では、近年、流行がなかったためインフルエンザの免疫を持っている方も減っていると言われています。今回、接種する場合の効果的なタイミングについて紹介します。

■体内時計とは
時間生物学、つまり生物の体内時計を研究する学問が最近発展しています。地球の上に住んでいれば、女性の月経などのように太陽や月の周期の影響を受けることは不思議ではなく、なかでも24時間周期の概日(がいじつ)リズムもあります。私たちには、時計遺伝子があり、概日リズム、つまり体内時計を持っています。これらの遺伝子に変異が起きると、行動や生理現象のリズムが正常よりも短くなったり長くなったり、またはリズムがなくなったりして、睡眠障害をはじめとする様々な疾患の原因にもなります。
■午後より午前に
この体内時計を利用して治療を効果的に行おうという試みがなされています。例えば、季節性インフルエンザワクチンは午後に投与するより、朝に投与した場合の方が効果的な免疫反応を示すことが報告されています。65歳以上の276人の高齢者に、午前9時〜11時の間、または午後3時〜5時の間にワクチンを接種してもらい、1カ月後に抗体価や各種ホルモン、サイトカインなどを測定しました。そうすると,午前9時〜11時の間に接種した群の方が有意に抗体価が高くなることがわかりました。
■正しい生活リズムを
抗体価への影響メカニズムは詳細はわかっていませんが、副腎皮質ステロイドが関係している可能性が推測されています。副腎皮質ステロイドであるコルチゾールやコルチコステロンは朝に高く、コルチゾールは起床後30分程度でピークに達し、その後、徐々に分泌量が下がっていきます。コルチゾールは一般的には免疫を抑えるものですが、逆に免疫を調整し、必要に応じて免疫力を活性化することもあります。一方、男性ホルモンや若返りホルモンと言われるものは、午後に分泌が高くなります。このような日内変動が抗体価に影響する可能性は否定できません。
ちなみに、B型肝炎に対するワクチンでは、午後1時~3時までに接種した方が、午前7時30分~9時までに接種した場合に比べて抗体が多くつくられる傾向があるとの報告があり、ワクチンの種類によってベストな接種タイミングは異なると言われています。
ホルモン分泌はストレスの影響を受けます。ワクチンをいつ打つか考え、体内時計が狂わないよう生活のリズムを整えていきましょう。

◎過去の健康に関わる話題
★紫外線に注意!貼り薬で光線過敏症?(令和6年5月13日)★
★口の健康 気をつけよう/口内炎と口腔がん(令和5年12月26日)★
★季節の変わり目 血圧の変動に注意を(令和4年11月23日)★
★時間帯ごとで違う?!「散歩」の効果(令和4年10月10日)★
★体の片側に痛み? 帯状疱疹を疑って!(令和4年6月9日)★
この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>中村 かずひと (ナカムラ カズヒト)>いつ打ちますか?ワクチン