2025/5/2
薬剤師(薬学博士)の一宮市議会議員の中村かずひとです。「美容、健康のために水を毎日2L飲みます」とモデルや女優
さんがSNSなどに投稿しているのをよく見かけます。
確かに彼女らは美しい体形を保っていますが、本当に効果があるのでしょうか?

■ラクダのこぶと肥満
比較的新しい降圧薬にバソプレシン受容体拮抗薬があります。これは水の再吸収作用をもつ抗利尿ホルモンであるバソプレシンの働きを阻害して、体液のうち水だけを出そうとするものです。
最近、このホルモンが糖尿病や肥満と深く関係するという研究結果が発表されています。以前から肥満や糖尿病の患者さんの体内では、バソプレシンの値が高いことが知られていました。
砂漠に住むラクダはバソプレシンの値が高く、水を脂肪に変えて背中のこぶに蓄える仕組みは、このバソプレシンの働きによると言われています。
また、バソプレシンは血管を収縮させて血圧を上げる作用もあり、バソプレシンが増加した状態はメタボリックシンドロームとも深い関係があります。

■水を飲んで、メタボ対策
コロラド大学の研究チームが行った実験では、マウスに糖分を与えると視床下部が刺激されてバソプレシンが放出され、上昇したバソプレシンは体内の水分を脂肪として貯蔵しはじめました。
逆に、マウスに水を十分に補給する処置をしたところ、マウスは脂肪を蓄えませんでした。
さらに、スウェーデンのルンド大学とスコーネ大学の研究チームは、31人の健常人に6週間、食事は一切変えずに、飲水量を1.5L増加させるだけで空腹時血糖値が下がり、バソプレシンの値を反映する数値が減少することを報告しました。
これらの研究から糖の摂取がバソプレシンを活性化させ、バソプレシンは体内の水分を貯蔵するために脂肪生成を促進させることが分かりました。
また、脱水状態はバソプレシンを活性化させ、肥満を生む可能性もあります。
水分の十分な摂取はバソプレシンを抑制し、糖尿病や肥満、メタボリックシンドロームの予防と治療の両方に効果的であるかもしれません。
欧米諸国では、水分補給として1日1.5Lの水を飲むべきであるとされています。科学的根拠に基づく、日本人向けの推奨される1日水分補給量は明確ではないですが、これから汗をかきやすい季節ですので、水分の取り忘れに気をつけましょう。

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