2024/7/2
宇治市議会令和6年6月定例会における一般質問のご報告第5回です。
国の雇用政策の失敗によって生み出された就職氷河期世代には、生活困難を抱える独身不安定就業者・無職者が多く、単に所得の低さだけでなく「社会的なつながりが弱い人」であることから、日本の家族を前提とした社会保障制度ではうまく支援を受けられていない、また将来、高齢者となったときに現行制度のままでは福祉制度のはざまに落ち込んでしまう人が出てしまうのではないかと懸念されます。現在はもちろんのこと、10年後、20年後を見据えた、この世代を取りこぼさず福祉的な支援を行うための先行的な取り組みについて市の当局に確認をしました。
ポイントとなる市の答弁は
・今後、就職氷河期世代の高齢化が進めば、生活困窮者が増加することが予想される。一方で、経済的な面だけでなく、健康面や親族の介護等複合的な課題を抱えられることも考えられる。宇治市として、これらの複合的な要因に対して、関係部局や関係団体と連携し、包括的な相談支援に、引き続き取り組んでいきたい。
というところです。
就職氷河期世代の高齢化によって生活困窮者が増加をすることを予想している、現在の親の介護による離職、所得減少など複雑・複合化した生活課題への支援を行うということでしたが、取り組みはまだまだこれからかと思います。
そもそも就職氷河期世代を支援する必要性について、この世代よりも上、下の世代に理解してもらうことがまだまだ必要ではないかとも思っています。
国民民主党では「就職氷河期世代政策に関する提言」を発表しています。是非ともご参照ください。私も引き続き就職氷河期世代支援について取り組んで参ります。
第1回の報告は、キャッチアップ接種の早急な普及啓発が必要 かどや陽平一般質問報告1(R6.6宇治市議会)
第2回の報告は、ダブルケア・ヤングケアラーなどケアラー支援を要望 かどや陽平一般質問報告2(R6.6宇治市議会)
第3回目は廃棄リチウムイオン電池収集場所を増設!かどや陽平一般質問報告3(R6.6宇治市議会)
第4回は高齢者・障碍者意思決定支援のため権利擁護センター設置!かどや陽平一般質問報告4(R6.6宇治市議会)
就職氷河期世代支援についてはこれまで幾度となく質問・要望してきたところです。国の雇用政策の失敗によって生み出された就職氷河期世代を支援することは極めて重要な政策ですし、国が、「世代」を支援と対象としているのは就職氷河期世代だけではないかと思います。就職氷河期世代に関する報道も減っていますが、少し前に話題となったのは、国民民主党所属の伊藤たかえ参議院議員が、国会において就職活動にて100社落ちた就職氷河期世代としての実体験を語ったところ、出席していた他の議員から嘲笑されたというものがあり、この世代の課題がいまだに自己責任によって生じたと考えている国会議員がいるということに憮然としました。
国の就職氷河期世代支援に関する行動計画2024でも、この世代は引きこもりだけではなく生活困窮、親の要介護など、複雑化・複合化した生活課題を抱えているケースも多く、正規雇用化や引きこもり支援だけでない、基礎自治体としての就職氷河期世代支援の必要性が強調されています。
就職氷河期世代はほかの世代に比べ健康状態への不安が強いという調査結果(小塩隆士「健康面のリスク、将来に懸念」日経新聞R6.5.9)もあり、また親の高齢化に伴う介護によりこの世代の独身不安定就業者の生活困難が一層進展すること、過去20年の自立支援・就労支援が不十分であること、社会保障システムの世代間所得移転の欠落、将来の低年金問題なども指摘(近藤絢子「老後に不安、福祉拡充検討を」日経新聞R6.5.10)をされているところです。
家族や企業という集団を前提とした社会保障制度においては、独身不安定就業者・無職者など「社会的つながりが弱い人」の生活困難は一層深刻になるとの指摘(永田祐2021「包括的な支援体制のガバナンス」有斐閣P6)がありますが、現行の社会保障制度の不備はすでに家族のケアを受けることができない生涯未婚の単身高齢者の急増により顕在化(藤森克彦 同上)しています。
そこで、就職氷河期世代が現在抱える複雑化・複合化した生活課題への支援や、この世代の高齢化に伴い将来予想される福祉ニーズに対し、市としてどのような取り組みを行っているのか、確認しました。
市の答弁は
「これまで宇治市では、就職氷河期世代を含む生活困窮者に対する支援として、福祉面では、自立相談支援事業を行い、就労準備支援、家計改善支援、ひきこもり相談支援を行ってきた。また、出張就労相談や会社説明会などで、就労機会の提供にも取り組んで来た」
「今後、就職氷河期世代の高齢化が進めば、生活困窮者が増加することが予想される。一方で、経済的な面だけでなく、健康面や親族の介護等複合的な課題を抱えられることも考えられる」
「宇治市として、これらの複合的な要因に対して、関係部局や関係団体と連携し、包括的な相談支援に、引き続き取り組んでまいりたい」
これまで家族が担ってきた日常生活などに必須の機能を、家族を持たない独居高齢者に提供できるよう公的な支援を可能にしていくことが今後ますます必要となってくると予想されます。また重層的支援体制整備、また地域共生社会の実現による、家族以外のつながりづくり、居場所の提供もこうした10年後、20年後の高齢化した就職氷河期世代を支援していくための必須ではないかと予測します。もちろんこれはこの世代だけを支援するものではなく、近い将来必要となるものですから、先行的な取り組みを市に要望しました。
これまでの就職氷河期世代支援に関する提言については
就職氷河期世代支援について再度の要望(宇治市令和5年予算特別委員会総括質疑のご報告その1)
就職氷河期世代の正規雇用者を増やしていく産業政策を要望(宇治市令和5年予算委員会部局別審査3日目)
就職氷河期世代支援市町村プラットフォームについて(宇治市議会令和4年3月定例会一般質問その2)
宇治市の就職氷河期世代支援について(R2.9一般質問その4)
引き続き「対決より解決」、宇治市民が直面する課題に対して、具体的な政策提言に取り組んで参ります。
宇治市議会議員 かどや(角谷)陽平 公式ホームページ
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