2025/1/31
宇治市議会令和6年12月定例会における一般質問の内容、政策提言についてご報告します。
第2回のご報告は、宇治市の5年後、10年後、20年後を見据えた人口戦略についてです。
先般の宇治市長選挙において、松村市長は街頭演説や個人演説会にて、宇治市が直面している最も重大な課題は人口減少であると繰り返し訴えておられました。基礎自治体、地方自治体の宿痾ともいえる人口転出超過による人口減少については、これまで幾度となく質問や政策提言してきました。
人口減少を食い止める、ないしは定常化を図っていく対策と、人口が減少する前提での市政運営という、難しいかじ取りをするためには、将来を見据えた人口戦略が必要になってくるのではないかと考えています。
市長答弁のポイントは
・人口減少対策としては、宇治を住む場所として新たに選んでもらう観点と引き続き住み続けたいと思ってもらえる観点が必要だが、特に“宇治市で安心して子どもを産み育てたい”と思える環境づくりが重要
・『第3期宇治市まち・ひと・しごと創生総合戦略』作成にあたっては、市民参画やデジタル技術を活用し、「希望をかなえる子育て・子育ちにやさしいまちづくり」や「活力あふれる産業振興と多様な働く場の創出」といった5つの基本目標を掲げていく。
というところです。
第1回の報告は、Ujiふれあい教室の移転と機能拡充 かどや陽平一般質問報告その1(R6.12宇治市議会)2025/1/30
ご報告の詳細は以下の通りです。
10年ほど前に中公新書から出た「地方消滅」という本の中で、消滅可能性都市がリストアップされ、地方自治体の関係者や地方議員だけでなく、世間の幅広い関心を集めたことは、まだ記憶に新しいところですが、昨年「地方消滅2」という続編が出版されました。
この中で宇治市は出生率を左右する「若年女性減少率」について、前回より改善しているとされており、客観的な立場から評価をしても、宇治市当局の取り組みが効果を上げているのかと思います。一方で、引き続き自然減対策、社会減対策がともに必要な自治体であるとも分析されています。
今回の質問にあたり、担当課に作成してもらった宇治市の人口動態が下図です。宇治市では平成20年頃より10年以上にわたって転出超過によって人口が減少しており、累計の社会減による減少数は自然減を上回る状態が続いていました。
ただ近年、急速に自然減が増えており、これまでとは局面が変わってきたのではないかと、決算特別委員会総括質疑でも、市の人口転出超過の現状及びそれに対する分析、また現在の施策の取組状況について質問したところです。
そこで改めて、宇治市の人口減少の要因分析、また、今後の人口規模の見通し及び人口減少が市政や市民生活に与える影響について確認しました。
当局の答弁は
「宇治市の人口は18万人を下回り、引き続き減少傾向が続いている状況であり、国立社会保障・人口問題研究所における国勢調査人口を基にした人口推計によると、2030年に約16万5千人、2040年には約14万8千人と減少し、少子高齢化がさらに進むと見込まれている」
「そのような中、宇治市の人口動態を見ると、社会動態の一定の改善をはじめ、合計特殊出生率が全国値を上回るなど、地方創生の取組が一定表れているものと推測されるが、人口減少、少子高齢化が市政に与える影響は、持続可能な社会構造を揺るがす恐れがあるとともに地域活力の低下に繋がるため、直ちに対策を講じるべき喫緊の課題であると強く認識をしている」
「人口減少の主な要因としては、未婚化・晩婚化の進行、若者の経済的不安定さや仕事と子育ての両立の難しさなどを背景とする出生率の低下をはじめ、仕事の都合や結婚をきっかけとした20歳代から30歳代の若年層の社会動態が転出超過となっていることが考えられ、今後の人口動向については、中長期的な動向の注視とともに、継続的な施策評価や人口減少の要因分析を行いながら、より効果的な施策への転換が、常に求められるものと考えている」
とのことでした。
これからの市政運営にあたっては、自然減対策及び社会減対策により人口減少のスピードを緩和し、最終的には人口及びその年齢構成比率を定常化、安定化していく戦略と、とはいえ現在よりも人口規模が減少し年齢構成比率も高齢化することは避けがたいことを前提に様々な社会の仕組みや市政のあり方を将来の人口動態に適合させ、むしろ現在より良いものにしていくという戦略を同時に進めていく必要があります。
そこで、市長に対し、宇治市の10年後20年後を見据えた人口戦略、まちのあるべき姿について質問しました。
松村市長のご答弁は
「全国的に少子高齢化・人口減少が進行し、若者の多くが東京圏などに流出する状況において、地方自治体がその活力を取り戻していくためには、次世代が暮らす「未来」を描き、子どもが幸せを感じるとともに、子どもを産み育てやすい社会、産み育てたくなる社会づくりを進めていくことが重要であると認識している」
「宇治市の人口推計については、合計特殊出生率や社会増減の目標を踏まえ、2060年に約14万人、2070年には約13万人と推計しており、現在策定に向け議論を進めている『第3期宇治市人口ビジョン・宇治市まち・ひと・しごと創生総合戦略』において、今後の目標とする人口の維持と持続発展に向けた施策を定めることとしている」
「こうした将来展望を踏まえ、これからの人口減少対策としては、“宇治市に住みたい”と選んで定住していただく観点と、“宇治市に愛着を持ち、住み続けたい”と実感していただく観点の、双方の視点を持ったアプローチに加え、“宇治市で安心して子どもを産み育てたい”と思える環境づくりが重要であるところであり、そうした視点による宇治市の特色を活かした施策に取り組むことで、持続的に発展するまちの実現につながるものと考えているところ」
「そうした考えのもと、『第3期宇治市まち・ひと・しごと創生総合戦略』においては、パブリックコメントにより市民の皆様のご意見もお聞きする中で、デジタル技術の活用等の新たな要素も盛り込みながら、「希望をかなえる子育て・子育ちにやさしいまちづくり」や「活力あふれる産業振興と多様な働く場の創出」といった5つの基本目標を掲げてまいりたいと考えている」
「これからの宇治市のあるべき姿をしっかりと描き、将来にわたって、このふるさと宇治を守っていきたいという思いで、人口減少・少子高齢化という課題に真正面から向き合いながら、“喜びや希望を実感できる新たなふるさと宇治”を目指して、全庁あげて取り組んでいく」
とのことでした。
急激に減少する人口、高齢化する人口比率をどうやって定常化し、なおかつ市民生活の質的向上をどのように目指すのかという人口戦略とは、まさに答弁にあった、将来の「これからの宇治市のあるべき姿」、「喜びや希望を実感できる新たなふるさと宇治」を具体化していくことかと思います。松村市長のこの2期目の任期で、「新たなふるさと宇治」がさらに具体的な未来像としてあらわれてくることを期待し、また私も引き続き人口転出超過対策について政策提言してまいります。
これまでの人口転出超過対策についての質問・政策提案については
宇治市議会議員 かどや(角谷)陽平 公式ホームページ

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