2023/1/5
複雑化・複合化する福祉ニーズや生活課題への包括的相談・支援体制(宇治市議会12月定例会一般質問その6)
今回は宇治市の複雑化・複合化する福祉ニーズや生活課題への包括的相談・支援体制について質問・提言しましたのでご報告します。
その1はクラウドシステムによる宇治市の防災力向上について(宇治市議会令和4年12月定例会一般質問その1)
その2は消防団の大規模災害対処能力向上を提言(宇治市議会12月定例会一般質問その2)
その3は低調な教育用Wi-Fiルーター貸出率(宇治市議会12月定例会一般質問その3)
その4は教育政策のデジタルトランスフォーメーションを提言(宇治市議会12月定例会一般質問その4)
その5は山間の市街化調整区域における地区計画運用指針(宇治市議会12月定例会一般質問その5)
宇治市に限らず、複雑化・複合化する福祉ニーズ及び生活課題対応のための包括的相談・支援体制を構築することは基礎自治体にとっての急務です。
8050問題、ヤングケアラー、宗教2世など、福祉制度の隙間にある複雑化・複合化した家庭・個人の課題について、「名づけ」がされるまで、行政がそれを課題であると認識できなかった、ということを繰り返すのを放置するわけにはまいりません。
令和4年3月定例会の一般質問でも、「ヤングケアラー対策事業、引きこもり対策事業などと、はざまとなるケースを対象化し人や予算を配分しても、市が包括的な支援体制をガバナンスし、制度福祉の協働、地域福祉との協働をはからなければ、新たな縦割りの「縦」を増やす結果となってしまいます。包括的・重層的な相談・支援体制構築のための庁内協働及び多機関協働のために、今ある制度や団体・人材、地域福祉実践を包括化するためのガバナンス、コーディネート機能の向上にいっそう主体的・自覚的に取り組んでいただくことを要望」しました。
そこで、宇治市の複雑化・複合化した福祉ニーズ及び生活課題に対応するための、包括的な相談・支援体制の具体的な取り組みの現在の進展について確認しました。
市の答弁は
・宇治市では、今年度から始まった第3期地域福祉計画において、重点的取組項目の一つとして、重層的・包括的な相談及び支援体制の整備を目指すこととしており、これまで分野横断的な課題の一つであったヤングケアラー支援を推進するため、令和4年6月にヤングケアラーコーディネーターを子ども家庭総合支援拠点に配置し、10月からはヤングケアラー相談窓口を開設し、包括的な相談・支援体制の充実を図るとともに、関係機関との連絡調整機能の強化を行ってきた。
・また、世帯や個人が抱える複合的福祉ニーズに対応するため、各分野の専門相談支援機関や庁内関係部署による情報共有等を行い、相談者に寄り添った丁寧な対応に努めているところ。
・今後においても、さらなる相談支援の拡充、仕組みの整備や充実について、他の自治体の取組状況なども十分研究していく。
とのことでした。
包括的相談・支援体制整備、重層的な支援体制備については、全く新たなものとして一から事業を開始していくものではなく、これまでの福祉制度ごとの実績や積み上げてきた経験、域内の様々な主体による地域福祉実践などをいわば棚卸し、評価、再構築するなど、自治体ごとその実現には独自の創意工夫とロードマップを必要とするものかと思います。
そこで、宇治市として包括的支援体制をどのように進化・実現させていくのか、また支援体制を重層的なものにしていくのかについても質問しました。
市長のご答弁は
・少子高齢化や核家族化が進行し、価値観やライフスタイルが多様化する中、福社ニーズは複雑化・複合化しており、近年では、介護と子育てを同時にしなければならないダブルケア問題や50代のひきこもりがちな方を80代の親が養っている8050問題、ヤングケアラー問題など、一人ひとりへの支援だけでなく世帯まるごとの支援を必要とされる方々が増えている。
・国においては、平成30年4月に社会福祉法を改正し、制度・分野ごとの「縦割り」を超えた包括的支援体制の構築に向け、住民に身近な圏域において、分野を超えて地域生活課題について総合的に相談に応じ、関係機関と連絡調整等を行う体制づくりに努める旨が規定された。
・宇治市においては、それぞれの分野ごとに地域子育て支援拠点や地域包括支援センター、障害者生活支援センター、生活困窮者自立支援相談などにおいて各種相談や支援を行ってきた。
・市長としては、児童福社、介護者、障害児者、生活困育などすべての支援を一つの窓口で対応することは個人情報の取り扱いや広範囲にわたる制度知識の蓄積、責任所在の明確化、職員の体制など、克服すべき課題も多く、その実現については賃重に検討を重ねていく必要があると考えている。
・一方で、個々に行っている相談窓口では、相談者の抱える悩み事をしっかり聞き取り、その内容を分析する中で、相談の背景にある世帯・家庭内の課題を捉えるとともに、組織横断的に相談世帯への支援計画をチームで対応できるような新たな仕組みづくりが必要であると考えている。
・今後とも、大きく変化していく社会情勢を見据え、複雑化・複合化している福社ニーズや生活課題に対応できるよう、引き続き、相談支援体制の強化や情報共有の仕組みづくりについて検討していく。
というものでした。
厚生労働省が実例として挙げている岡山市の包括的支援体制整備事業でも、ワンストップ相談窓口は設けず、様々な相談機関でこれまで培ってきた各分野の専門性を活かしながら、それぞれの相談窓口が連動する体制を創るとされ、「つなぐシート」や複合課題ケース検討会という取り組みを始めています。どの相談窓口に市民が相談しても保健・福祉が連動したサービスをもれなく提供する体制づくりを推進していくとのことです。
先行自治体の実例を見ても、重層的支援体制整備事業を採用するかはともかく、これまでの制度福祉の知見、地域福祉の実践を再評価し、いわば突破口を見出してからそこから包括的相談・支援体制の拡張を図っているのではないかと考えます。
包括的相談・支援体制の構築とともに、福祉の担い手を重層化していく取り組みについても引き続き提言してまいりたいと思います。
これまでの提言は
包括的・重層的な相談・支援体制構築のための庁内協働・多機関協働(令和4年3月定例会一般質問その3)
第3期宇治市地域福祉計画(初案)についてのパブリックコメント実施
令和4年2月文教福祉常任委員会での重層的支援体制整備事業についての発言
などです。
宇治市議会議員 かどや(角谷)陽平 公式ホームページ

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