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包括的・重層的な相談・支援体制構築のための庁内協働・多機関協働(令和4年3月定例会一般質問その3)

2022/2/25

 今回は包括的・重層的な相談・支援体制構築のための庁内協働及び多機関協働についてご報告します。

 その1は避難行動要支援者名簿の平常時からの活用を提言(宇治市議会令和4年3月定例会一般質問その1)

 その2は就職氷河期世代支援市町村プラットフォームについて(宇治市議会令和4年3月定例会一般質問その2)

 

 近年可視化されるようになった8050問題や引きこもり、ヤングケアラーといった複合化・複雑化した生活課題を抱えた家庭・個人を支援するためには、これまで高齢者、障碍者、子ども、生活困窮といった対象別に進んできた制度福祉の限界を克服していく必要があります。

 国全体の傾向としても、地域包括ケアシステムや要保護児童対策地域協議会など対象別制度福祉の包括化の進展など、場所・空間を超越した対象者別の制度やシステムとしての福祉がさらに充実される一方、重層的支援体制整備事業がスタートするなど、特定の場所や関係性、地域コミュニティと結びついた地域福祉が見直され、制度福祉と地域福祉の協働連携が重要となってきています。

なお、重層的支援体制整備事業や地域福祉については令和3年宇治市決算特別委員会での総括質疑の報告で触れておりますのでご参照ください。

そこで、複雑化・複合化した支援ニーズを持つ市民を個別のケースごと支援するためには、まず、制度福祉をになうそれぞれの所管課の庁内協働や、行政当局と社会福祉協議会、NPO法人などの他機関協働が必要となると考え、現在宇治市ではどのような会議や協議の場が設定されているのか、質問をしました。

 市の答弁は、

・複雑化・複合化した支援ニーズを抱える方々への対応については、課題解決に向けて、核となる機関を中心に、関係する機関がしっかり連携することが重要。

・宇治市の具体例をあげると、こども家庭総合支援拠点が事務局を務める、要保護児童対策地域協議会には、児童相談所や宇治久世医師会、警察署など、20を超える関係機関が情報共有しており、必要に応じ事例ごとに関係者によるケース会議を開催し、課題の解決を図っている。

・高齢者については、地域ケア会議を開催し、地域包括支援センターを中心に市当局内部の関係機関だけでなく、社会福祉協議会等の関係機関が連携し、事例を検討することにより、課題の解決や支援の充実に努めている。

・なお、ケースによっては子どもと高齢者などに関する複合的な課題もあるので、それぞれのケース会議が相互に連携を図りながら、課題の解決を図っているところ。

 とのことでした。

 今回の質問にあたって参考にさせてもらった『包括的な支援体制のガバナンス』(永田祐2021有斐閣)の中に、「包括的な支援体制の構築は、すでにある事業や制度を重ね合わせて構築していくことが前提になっており、体制構築に必要なのは、その実現のための新たな『事業』というよりは(所管課がことなる様々な事業を一つの政策パッケージとして)相互浸透を進めることにある。こうした発想に立つことができないと、包括的な支援体制を構築するための『事業』と『予算』が必要だということになり、対象者別の制度福祉のはざまに新たな対象者を同定して事業や担当者を配置することを求める傾向がある。その結果、『制度のはざま』という新たな対象と事業(と担当課)が追加されて、縦割りがいっそう複雑化する。」(上記P23)という指摘があります。

 縦割りの解消のつもりが、また新たな「縦」を生み出してしまう恐れがあるとの指摘です。

 8050問題、ヤングケアラー、ダブルケア、ごみ屋敷などの孤立の問題、また将来可視化されるであろう新たな複雑化・複合化した支援ニーズに対応していくためには、行政が個別のケースごと柔軟に運用できる、つまりは事業化され、担当課が決定されるまで対応できないケースが生まれる事態を防ぐための、重層的包括的な相談・支援体制を整備していく必要があります。そのためには柔軟に庁内協働や他機関協働を可能にする場の設定や協働のためのコーディネート、ガバナンス能力向上が求められると考え、市の方策を確認しました。

 市の答弁は、

・令和4年度をスタートとする第3期地域福祉計画では、重点的取組項目の一つとして、重層的、包括的な相談及び支援体制の整備を目指すこととしている。

・今後この計画に基づき、各分野の専門相談支援機関による情報共有等を行うとともに、地域住民・行政・社会福祉協議会・NPO法人・企業等と連携協働を図りながら、世帯や個人が抱える複合的福祉ニーズに、丁寧に対応していきたい。

・また、複雑化・複合化するケースについては、関係機関等との円滑な連携が図れるよう、相談員一人ひとりがより専門性の高い支援につなげられるよう、研修等により人材育成を行い、体制強化を図っていきたい。

 とのことでした。

 たとえば、ヤングケアラー対策事業、引きこもり対策事業などと、はざまとなるケースを対象化し人や予算を配分しても、市が包括的な支援体制をガバナンスし、制度福祉の協働、地域福祉との協働をはからなければ、新たな縦割りの「縦」を増やす結果となってしまいます。

 また、例えば中学校区ごと、コミュニティソーシャルワーカーを配置して事足れりというわけにもいきません。包括的・重層的な相談・支援体制構築のための庁内協働及び多機関協働のために、今ある制度や団体・人材、地域福祉実践を包括化するために、市当局のガバナンス、コーディネート能力の向上にいっそう主体的・自覚的に取り組んでいただくことを要望しました。

 

宇治市議会議員 かどや(角谷)陽平 公式ホームページへ

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