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避難行動要支援者名簿の平常時からの活用を提言(宇治市議会令和4年3月定例会一般質問その1)

2022/2/25

 宇治市議会令和4年3月定例会一般質問における私の質疑の内容や提言についてご報告します。

 第1回のご報告は避難行動要支援者名簿の平常時からの活用についてです。

 「避難行動要支援者名簿」とは、災害発生時などの「緊急時に、避難行動要支援者の安全確保を図り、安否の確認、救出・救助、情報提供、避難誘導などを行うためには、まず、支援を必要とする人がどこにいるのかを知っておく必要(総務省消防庁WEBページ)」があるため、作成される名簿です。

 「避難行動要支援者」とは「高齢者や障害者など、災害時の避難行動や避難所などでの生活が困難な方(同上)」のことで、「避難支援等関係者」は自主防災組織や、福祉関係者などが該当します。詳しくは上記の消防庁のウェブページをご覧ください。

 「いざというときに、円滑・迅速に避難支援がなされるためには、平常時から、避難行動要支援者名簿の情報が避難支援等関係者に提供されていなければなりません。しかしながら、そのためには、避難行動要支援者自身の同意が必要となるため、市町村担当部局が、避難行動要支援者本人に対し、郵送や個別訪問などで直接的に働きかけることが必要(同上)」とされています。個人情報提供に同意がない方の情報も、緊急時には避難情報提供や安否確認などに活用されますが、避難支援となると平常時からの情報提供が必要となるわけです。

 避難行動要支援者の現況を把握し、行政当局が避難支援等関係者と要支援者の情報を共有していくためには、避難行動要支援者に平常時からの個人情報提供に対する同意をもらっていくことが重要です。

 また、行政や避難支援関係者が要支援者と平常時からかかわることで、個別避難計画の作成も進んでいくのではないかと考えます。

 そこで宇治市における避難行動要支援者名簿の平常時からの個人情報提供への同意率や、名簿の活用の現状、特に個別避難計画作成にいかせているのかについて確認しました。

当局の答弁は、

・宇治市の避難行動要支援者名簿の対象者39,118人のうち、平常時から名簿情報を避難支援等関係者へ提供することに同意をされている方は、3,954人となっており、率としては、約10%。 

・一方で災害発生時に要支援者の避難支援に取り組む申し出をしている自主防災組織等の支援団体(避難支援等関係者)については173団体となっており、個人情報を取り扱うことから、事前に名簿の取扱いに係る協定を締結し、1,906人の名簿情報を提供している。

・現状では、1,906人すべての方の個別避難計画を作成することと、名簿の提供ができていない約2,000人の情報提供を行うことが、重要だと考えている、とのことでした。

 同意率が10%というのはかなり低いようですが、宇治市では「避難行動要支援者・要配慮者情報名簿登録申請書」というものに記入をいただいたうえで、個人情報の同意をもらわなければならず、ほとんどの要支援者は情報提供に不同意なのではなくて、意志を確認できていないのが現状です。

 また、答弁にあった通り、要支援者の同意をもらっても、その要支援者がお住まいの地区の避難支援等関係者である自主防災組織と協定を結べていないと、情報提供ができません。こうした情報が約2,000人分あるということです。

 これは宇治市の担当部局である危機管理室のマンパワーを考えると、やむを得ない現状かと思います。避難行動要支援者の意向確認や、避難支援等関係者(自主防災組織≒自治会・町内会)との情報共有・協定締結は、危機管理室だけでなく、自治振興や地域福祉担当部局も一丸となって地道に進めていく必要があります。

 一方で、災害対策基本法第49条の11第2項の規定では、条例の制定により、個人情報提供拒否の申し出をした人を除いた避難行動要支援者名簿の情報を、平常時から自主防災組織を含む避難支援関係者に提供し、活用することができます。

 兵庫県明石市、栃木県塩谷町、北海道石狩市などの自治体で名簿活用のための条例の制定がなされていますし(地方自治研究機構WEBページ)、また、京都市においても同様の条例が昨年施行されたところです。

 宇治市においても発災時の円滑な避難や、災害関連死の防止などの減災のためには、平常時から避難支援等関係者と情報を共有し、要支援者との関係作りをさらに促進していくため、こうした条例の制定を含めた施策を実施する必要があると考え、当局に提案をしました。

 市の答弁は、

・災害時における避難行動要支援者の円滑な避難支援には、避難行動要支援者と避難支援等関係者が日頃から顔の見える関係づくりを行うことが重要であると認識している。

・そのためには、避難行動要支援者の情報を地域で共有し、助け合いながら避難することの重要性を、自主防災リーダーに研修で理解してもらい、地域でのワークショップを通じて、要配慮者の避難についてそれぞれの地域で考える機会を増やすことができるよう、災害時地域タイムライン作成支援事業の機会を活用して取組を進めていきたい。

・このような取組を進めていく一方で、避難行動要支援者の情報提供に係る条例についても、他の自治体の事例について研究していきたいとのことでした。

 消防庁も「発災時に円滑かつ迅速に避難支援等を実施するためには、平常時から住民同士の顔の見える関係を作るなど、地域の防災力を高めておくことが必要です。そのためにも、地域の特性や実情を踏まえつつ、(中略)市町村の防災部局及び福祉部局が中心となり、保健関係部局、地域づくり担当部局等も参加した横断的な『避難行動要支援者連絡会議(仮称)』の設置」することや、「避難行動要支援者自身に対する、災害への備えや地域との交流、関係団体への参加等の促進(同上)」が必要であるとしています。

 防災・減災対策は私が最も力を入れて取り組んでいきたい政策です。引き続き建設的な提言ができるように努めてまいります。

 防災減災に関しては

宇治市の避難所における感染評価について

宇治市の行政サービスの多言語対応

防災減災ニーズの女性や性的マイノリティへの配慮

避難所環境改善(簡易ベッド、情報端末充電用バッテリーの導入)

 などを提言しています。

 

宇治市議会議員 かどや(角谷)陽平 公式ホームページ

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