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宇治市の教育施策立案時におけるEBPMについて(宇治市議会令和4年3月定例会一般質問報告その6)

2022/2/26

 令和4年3月定例会一般質問報告の第6回は宇治市の教育政策立案時におけるEBPM(EBPMについては前回のブログをご参照ください)についてご報告いたします。

 

その1は避難行動要支援者名簿の平常時からの活用を提言(宇治市議会令和4年3月定例会一般質問その1)

その2は就職氷河期世代支援市町村プラットフォームについて(宇治市議会令和4年3月定例会一般質問その2)

その3は包括的・重層的な相談・支援体制構築のための庁内協働・多機関協働(令和4年3月定例会一般質問その3)

その4は人口転出超過の現状分析について(宇治市議会令和4年3月定例会一般質問報告その4)

その5は宇治市の政策立案時におけるEBPMについて(宇治市議会令和4年3月定例会一般質問報告その5)

 

 宇治市の政策立案におけるEBPMの活用については少しづつ前進しているのではないか、と前回ご報告を致しました。そこで、教育政策におけるEBPMについても質問をしました。

 これまで、宇治市の教育政策におけるEBPMや統計データを用いた教育社会学の知見を政策に反映することについて、提言をしてまいりました。

第2次宇治市教育振興基本計画への意見募集(パブリックコメント)開始

宇治市の教育ICT化の点検・評価・検証と教育格差(令和3年3月定例会一般質問報告その5)

2021年 3月 議会報告 かどやニュース

宇治市の教育行政と専門家の知見について

令和2年宇治市決算特別委員会2日目、教育委員会の審査

 教育分野におけるEBPMについては、教育の成果の多様性、アウトカム発現までの長期性などのため、アウトカムを指標化数値化することへの嫌悪が先立つ分野であるかと思います。しかしながら、私もこれまで言及してきたように、SES(『「生まれた環境」による学力差を縮小できない〈教育格差社会〉日本―人々が緩やかに「隔離」された社会』、松岡 亮二などをご参照ください)に関する教育社会学からの知見など、統計データや指標・数値による教育政策の「見える化」は進展しており、これまでスローガン的な政策が多かった教育政策分野においても、EBPMは必須の取組かと考えています。

 すでに埼玉県戸田市や奈良市、高知市など基礎自治体の教育委員会においてもEBPMにより教育政策が立案実施(『VIEW21』教育委員会版 2020年度 Vol.2【特集】「可視化」への挑戦─ データで語る教育活動 EBPMの第一歩 ─、ベネッセ教育総合研究所)されています。そこで宇治市教育委員会の取組について確認をしました。

 宇治市教育委員会の答弁は

・市教委では、全国学力・学習状況調査並びに京都府学力診断テストの結果を分析し、授業改善等に結びつくよう努めている。

・各中学校ブロックに配置しているラーニングコーディネーターが中心となり、各校の児童生徒の習熟の状況や、前年度結果との比較などの分析をもとに、効果のあった取組を全校で共有するなど、中学校ブロックの小・中学校が連携を図りながら、授業改善などにつなげている。

・これらの分析や実践も含め、市教委と校長会で情報共有をしており、学力向上の取組を進めている。一部には効果が見られるものの、全体としては、すぐに結果が表れるものではないと考えており、今後も継続した取組により、学力の向上と充実に努めていく。

とのことでした。

 教育政策にEBPMを活かしていくことと、答弁のような現場の先生がエビデンスのある教育指導を行う事は少しずれているような気がしますが、一方で文部科学省も執務便覧を作成するなど教育政策の特性を踏まえたうえで、EBPMによる政策形成を進めようとしています。

 また、教育ICT化の進展により、これまでは困難であった自治体レベルでも、教育に関する統計データの利活用や教育活動の指標化・数値化を活用した教育政策の立案実施が可能となると予測されます。

 そうした中、独自性のある魅力的な公教育を実現していくためには、宇治市でも先行してこうした動きに備えていく必要があると考え、市の見解について質問しました。

 宇治市教育委員会の答弁は

文部科学省は、誰一人取り残すことなく、全ての子供たちの力を最大限に引き出すことに資するよう、教育データの効果的な利活用を促進するために必要な方策について具体的な検討を行うため、「教育データの利活用に関する有識者会議」を設置し、全国の学校、児童生徒等で情報共有をしており、学習内容等で共通化を図る「教育データの標準化」を進めているところで、個人情報の利活用には、慎重に検討がされているところ。

・京都府教育委員会においては、児童生徒個々の成長・変容を測る新たな学力診断テストを、コンピュータを使ってテストするCBTで実施し、それらデータの活用による個に応じた学力向上の取組に資するため、研究を進めており、宇治市の小中学校においても3校が研究指定を受けている。

・今後も国や府の動向を注視しながら、宇治市教育委員会としては、ICTを活用して、学校における様々なデータを統合・可視化し、エビデンスに基づく多角的な分析による、個々に応じたきめ細かい教育の充実に向けた調査・検討にかかる費用を、当初予算案として提案しており、これにより、宇治市の子ども達の学力の充実向上のため、客観的なデータに基づく実践を進めていく。

とのことでした。

 宇治市の教育政策立案に関する統計データの活用、エビデンスに基づく政策立案や、数値化・指標化による検証については始まったばかりです。他市町村にお住いの子育て世代をひきつける宇治独自の教育を実現できるよう引き続きの取組を要望しました。

 教育政策のEBPMについては

村上祐介・橋野晶寛『教育政策・行政の考え方』有斐閣、2020年

山下絢『学校選択制の政策評価-教育における選択と競争の魅惑』勁草書房、2021年

松岡亮二編著『教育論の新常識-格差・学力・政策・未来』中央公論新社、2021年

等を参照しています。

 ネットで読める論文については

森田正信、2019「教育行政におけるEBPMの取組状況について」

 妹尾 渉・北篠 雅一、2016「学級規模の縮小は中学生の学力を向上させるのか : 全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した実証分析」

 などを参照しています。

  次回は令和4年3月定例会一般質問の最後のご報告です。これまでの質問を踏まえ、子育て世代(20代後半から30代)を市外から呼び込むための宇治市の戦略について確認します。

 宇治市議会議員 かどや(角谷)陽平 公式ホームページへ

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選挙 宇治市議会議員選挙 (2019/04/21) [当選] 1,811 票
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