2023/12/22
宇治市で子宮頸がんワクチン啓発月間を設定! かどや陽平一般質問報告その3(R5.12宇治市議会定例会)
宇治市議会令和5年12月定例会での一般質問の内容、政策提言についてご報告します。
第3回のご報告は、子宮頸がん(HPV)ワクチン定期接種及びキャッチアップ接種の現状と更なる普及啓発施策についてです。
宇治市の子宮頸がんワクチン接種率は平成17年度生まれ(現在高校3年生相当)の女性で43%と、全国と同様に低調のため、更なる普及・啓発のための施策が必要です。
今回の質問では全国の事例をもとにして様々な普及啓発のための施策を提言しましたが、宇治市でも啓発月間を設定して更なる周知啓発に努めることとなりました!
第1回のご報告は教育DX推進計画を年度内に策定!かどや陽平一般質問報告その1(R5.12宇治市議会定例会)
第2回は、宇治市内小中学校教育DXの状況について かどや陽平一般質問報告その2(R5.12宇治市議会定例会)
世界全体では健診とワクチンの普及により子宮頸がんになる人は少なくなる予想が立てられているにもかかわらず、日本では、子宮頸がんはいまだ年間約1万人が罹患し、約2,800人が死亡しており、患者数・死亡者数とも近年漸増傾向にあります。
特に、他の年齢層に比較して50歳未満という若い世代での罹患が増加する傾向にあることが問題となっています。年齢別の死亡数では39歳以下で年間約130人、44歳以下で年間約300人が子宮頸がんにより死亡するなど、若い人がなる病気へと変化しています。
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の有効性については、2020年スウェーデンから世界で初めて国家規模で浸潤子宮頸がんの減少効果を示す論文が発表され、17歳になるまでにワクチンを接種した場合、浸潤性子宮頸がんになるリスクが88%低下したと報告されたように、HPV感染を減少させ、子宮頚がんになるリスクを低下させる明確な効果あります。
(*参考 日本産科婦人科学会 子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために更新日時:2023年8月1日)
日本においては令和4年4月1日よりHPVワクチンの積極的な勧奨が再開され、また、これまで個別通知や積極的な勧奨がないために公費での接種できる年齢、小学校6年生~高校1年相当が過ぎてしまった女性に対して、令和6年度末までキャッチアップ接種が実施されています。
厚生労働省の令和4年度のHPVワクチンの実施状況の調査では、定期接種については、第1回目接種率が42.2%、第2回目が39.4%、第3回目が30.2%とのことでした。令和4年度前半に比べては改善していますが、まだまだ普及啓発が必要な状況かと思います。
そこで宇治市におけるHPVワクチンの定期接種およびキャッチアップ接種の現状、特に、たとえば接種率など、自治業務であるワクチン接種事業について現状をどのような指標で進捗を管理しているのか、また、その指標に基づく現状について確認しました。
市の答弁は
「子宮頸がんワクチン接種は平成25年度から定期接種化されたが、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が接種後に特異的に見られたことから、厚生労働省は、平成25年6月14日付で、積極的勧奨を控えるように勧告をした。そのことを受け宇治市では、同年6月から積極的な勧奨を差し控えてきており、平成 30年度の延べ接種回数は10回にとどまるなど接種が十分には進んでこなかった。
令和3年11月26日付で厚生労働省から安全性について特段の心配が認められないことが改めて確認されたこと、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたこと等から、積極的勧奨を再開するよう通知があり、令和4年度から個別に勧奨する取り組みを再開した。その結果、昨年度の延べ接種回数は定期接種1,342回、定期接種の機会を逃した方へのキャッチアップ接種1,359回、合わせまして、2,701回。接種状況については、生まれた年度ごとに管理しており、例えば、令和4年度末時点で、平成17年度生まれの方(現在高校3年生)は、377人約43%の方が接種されている状況」
とのことでした。
HPVワクチン接種率向上のために市による積極的な広報・啓発の必要性についてはこれまで何度も一般質問などで取り上げてきたところです。
・宇治市の子宮頸がん9価ワクチン、成人の風しん抗体検査・予防接種について(予算委員会部局別審査4日目)
・宇治市で子宮頸がん(HPV)ワクチンのキャッチアップ接種開始
・宇治市のHPV(子宮頸がん)ワクチン定期接種(令和3年3月定例会一般質問報告その3)
・HPVワクチンについての市政報告
そこで、宇治市が現在どのように接種勧奨・啓発を行っているのか、確認しました。
市の答弁は
「令和3年11月26日付の厚生労働省通知を受け、宇治市として、市ホームページ及び市政だよりで広く周知・啓発を図るとともに個別に勧奨を実施しているところ。
具体的には、令和4年度から、中学校1年生から高校1年生の未接種者に、ワクチンの有効性とリスクを理解してもらうためのパンフレット、予診票及び協力医療機関一覧等を、5月と7月の2回に分けて送付し個別に勧奨を実施している。
また、キャッチアップ接種対象者への対応としては、令和4年度は、未接種者に対して、令和5年度は、3回接種のうち1回または2回接種で留まっている接種未完了者に対して、令和7年3月までは公費 接種対象であることやワクチンの有効性とリスクを理解してもらうためのパンフレット等を送付し個別に勧奨を実施している。今後も、引き続き子宮類がんワクチンの接種の推進に取り組んでいく」
とのことでした。
宇治市の子宮頸がんワクチン、HPVワクチンの定期接種については、生まれた年度ごとに管理されており、現在高校3年生相当の年齢の平成17年生まれで43%の接種率だということでした。これは他の定期接種のワクチン等と比べても著しく低い接種率であり、市によるさらなる積極的な普及啓発が必要です。
そこで、これまでの周知啓発方法に加えて、例えば対象となる年代が在籍をしている学校に啓発のための出前講座をおこなう、市内の中学校・高校に啓発パンフレットをお配りする、啓発月間を設定し集中的に周知啓発をはかる、二十歳の集いにてキャッチアップ接種の周知を図る、などの方策を提言し、市の今後の更なる啓発についての考えを確認しました。
また、加えて現在キャッチアップ接種の期間として国が設定している次年度末、令和7年3月末まででは十分な接種率の向上が見込めないのではないかと危惧されますので、国への期間の延長要望や、市独自のキャッチアップ接種実施について見解も質問しました。
市の答弁は
「キャッチアップ接種の期間については、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において接種機会の公平性や接種による安全性と有効性とのバランスなど総合的な観点から、令和4年4月1日から令和7年3月31日までの3年間に、従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行うこととされたところ。
予防接種には、疾患を予防する効果と副反応などの健康への影響のニ面性があることから、専門家で構成される審議会など国の動向を注視していきたい。
また、宇治市では、定期接種およびキャッチアップ接種が進んでいないことから、まずは、対象者の方にワクチンの有効性とリスクを理解してもらい、接種を受けてもらえるよう、議員案内の啓発月間を設定するなど、他市の効果的な取組を研究しながらしっかり周知啓発に取組んでいきたい」
とのことでした。
加えて、キャッチアップ接種は、接種する時点で感染していないHPV型の感染予防とそれに伴う子宮頸部病変のリスクを減らすことはできますが、既に感染しているHPV型は予防できないことから、キャッチアップ接種の普及啓発をする際には子宮がん検診の重要性を説明することも併せて要望します。
子宮頸がんワクチン・HPVワクチンについては、積極的勧奨再開前から基礎自治体として可能な周知啓発方法や、市独自のキャッチアップ接種実施についてこれまで政策提言してきました。宇治市が積極的に女性への健康支援を行っていると実感が持てるよう、引き続き建設的な政策提言に努めてまいります。
宇治市議会議員 かどや(角谷)陽平 公式ホームページ
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