2020/10/3
宇治市議会令和2年9月定例会での私の一般質問と市の答弁の要旨を、何回かに分けてご報告するシリーズその6。
その1はこちら(https://go2senkyo.com/seijika/174932/posts/170080)
その2はこちら(https://go2senkyo.com/seijika/174932/posts/170087)
その3はこちら(https://go2senkyo.com/seijika/174932/posts/170106)
その4はこちら(https://go2senkyo.com/seijika/174932/posts/170175)
その5はこちら(https://go2senkyo.com/seijika/174932/posts/170941)
動画についてはYouTube(https://www.youtube.com/watch?v=ihz33XQur30&t=5411s 1時間30分ごろから)で、文字で確認されたい方は議事録(https://ssp.kaigiroku.net/tenant/uji/SpTop.html)が数か月先に作成されますのでご参照ください。
行政評価(政策評価)について
宇治市の行政評価(政策評価)について質問をしました。
行政評価は地味で、行政改革でもあまり注目されませんが、かつてはNPM(ニューパブリックマネジメント)、近年ではEBPM(エビデンスベースドポリシーメイキング)とも深いかかわりがあります。また、公民連携事業や、指定管理者制度を活用していくためにも、こうした事業評価というのは極めて重要になってきていますので、宇治市の行政評価について、その目的、対象、評価方法について確認を致しました。
地方自治体に行政評価が導入されてから早くも四半世紀が経とうとしています。市民へのアカウンタビリティを果たすため、また行政内部の政策形成の合理化や効率的な予算配分、そして政策への合意形成のために行政評価は必須であり、安定した行政サービスを持続的に提供するためにも今や欠かすことのできないものとなっています。しかし、一方で職員の業務負担が著しく増加する、評価基準・評価行動の客観性が担保できない、また逆に客観性を重視するあまりに評価が形骸化する、評価対象が多岐にわたり全体像が把握できず評価を活用できていない、などの問題が指摘されています。
宇治市においても、例えば地方創生総合戦略と子ども子育て支援事業計画ではその評価を拝見すると全く異なる印象を受けます。複数の計画や事業、行政事務を対象に、様々に異なった評価方式が選択をされ、また評価指標が入り乱れていると、行政評価が機能的に活用されていないのではないか、ただ制度のみが存続している状態なのではないか、とすら感じられます。
一方でまち・ひと・しごと創生総合戦略に代表されるように、国も自治体に対して政策のロジック構築、KPIによる工程管理、数値目標による事業評価を要求するなど、政策形成・評価の現代化を自治体に迫るようになっています。そこで以下3点を質問しました。
① 行政評価の目的について
行政運営の効率化、行政活動の成果向上、職員の意識改革、PDCAサイクルの確立、アカウンタビリティ、財政再建、企画立案の合理化など様々なものが行政評価の目的として考えられますが、多様な目的を掲げることにより、かえって具体的な効果が不透明となることが懸念をされます。評価結果活用の目的を明確にしなければ、適切な評価行動は困難になるかと考えます。そこでお聞きをいたしますが、宇治市においてはどのような目的を主眼に行政評価を行われているのでしょうか?
② 行政評価の対象について
国の「政策評価の実施に関するガイドライン」では政策を狭義の政策、施策、事務事業と体系化し、目標とその達成の手段をわかりやすく提示したうえで、進捗状況の把握及び分析をし、目標の達成状況を明らかにするように政策評価をするとしています。そこで、宇治市においては政策体系をどのように整理をしたうえで、なにを行政評価の対象として決定されているのでしょうか?
③ 評価方式の選択について
国の政策評価法では「事業評価方式」、「実績評価方式」及び「総合評価方式」という3つの評価方式を掲げ、これらを政策の特性に応じて選択するか、主要な要素を組み合わせた「一貫した」仕組みを用いるか、としています。また近年提唱されているEBPMでは合理的な政策形成のために、事前の政策評価を求めるなど、事前の評価か事後の評価かという選択も必要となってきます。宇治市においてはどのような基準で評価方式を選択しているのでしょうか?(なお注意点ですが、地方自治体は政策評価法の対象ではありません。質問・答弁はその前提で行われています。)
以上の3つに対して、
①行政評価の目的については、まず、第5次総合計画(https://www.city.uji.kyoto.jp/soshiki/57/5229.html)においては計画に掲げた施策を推進するため、行政活動の目的をより一層明確にする中で、活動の結果や成果がどうであったのかについて、一定の基準・視点によって評価し、PDCAマネジメントサイクルの活用により、施策の立案及び事務事業の見直しなど、行政運営の改善につなげることを目的としている。また中期計画期間ごとに、中期計画全体の総括・検証を行い、次期計画の見直しに評価を反映し、より現状に即した施策を策定している。さらに、行政活動について、市民や議会の理解が得られるよう、政策評価の結果を決算成果説明書により公表し、その意見を行政活動の改善のために反映しているとのことでした。
②行政評価の対象については、まず、第5次総合計画では計画期間を11年間とする基本構想と、4年間の中期計画となる2層構造とし、基本構想については大分類及び中分類からなる政策として位置づけ、また、中期計画ではすべての事務事業を小分類に位置付け、体系化したうえで、政策評価の対象としては、毎年度実施しているすべての事務事業に加え、中期計画期間ごとに実施している小分類単位の施策を対象としているとのことでした。
③評価方式の選択については、宇治市では事務事業を対象に、事前・事後それぞれの時点で評価・検証し、事務事業の効果や、必要性、効率性などにより、事務事業の改善・見直しを図る「事業評価方式」と、4年間の中期計画期間ごとに小分類単位の施策を対象に、計画期間終了後に目標値等の達成度合い等により評価し、次期計画策定に向け施策の見直しを図る「実績評価方式」を採用しているとのことでした。
宇治市の答弁をつらつらと記載しましたが、行政評価の目的のうち、マネジメント改善については行政内部の課題ですが、やはり現状の市の行政評価では合理的な政策形成と合意形成、市民に見てもらうという観点からは、十分に活用できているとはいいがたい状況かと思います。
そこで、これまで4半世紀にわたり蓄積されてきた他自治体も含めたノウハウや最新の学術的な成果を踏まえ、次期総合計画策定に合わせて行政評価制度・手法も合理化・現代化する必要があると質問・提言しました。
市当局の答弁は次の通りです。
「第5次総合計画では、あらたな政策評価システムの構築や決算成果説明書の構成の見直しなど、これまでの政策評価における課題等を踏まえた改善を図ってきたところでございますが、導入から10年が経過する中で、行政事務の運用や、政策評価結果の公表の側面等において、政策評価における実効性・効率性の有無や、事務事業の施策への効果がわかりにくいなど、あらたな課題も顕在化しているため、一定の見直しが必要であると考えており、次年度にかけて策定を予定しております次期総合計画におきまして、具体的な見直しを検討してまいりたいと考えております。」
「その見直しにあたりましては、例えば、説明責任の視点では、目標とするまちづくりへの達成度について、市民の皆様により理解していただけるように、これまでの事務事業ではなく、施策単位での政策評価に変更するなど、行政運営の改善につながる実務的な政策評価と、市民や議会の皆様への説明責任を果たす政策評価と、それぞれ目的に応じた手法への見直しを検討してまいりたいと考えております。」
「いずれにいたしましても、政策評価は目的ではなく、より良いまちづくりの推進に向けましての手段の一つとして認識を致しておりまして、政策評価に関する研究・知見や他市事例も参考にしながら、本市の特性に応じた合理的かつ効果的な政策評価となりますよう、鋭意、検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。」
少し長くなりましたが、答弁では、見直しの一例として、施策単位での政策評価への変更、また内部マネジメント改善のための政策評価と市民・議会への説明責任を果たすための政策評価に区分することを挙げておられました。行政改革というとコストカットのイメージが先行しますが、本来であれば合理的な政策形成、エビデンスに基づいた合意の形成、効果的な政策の実施を目的とするものかと思います。合理的な行政評価はその基礎となるものですので、行政評価の現代化については積極的に推し進めていただき、合理的な行政サービスの提供につなげられるよう、わたくしも提言してまいります。
次回は避難所における感染評価についてです。
宇治市議会議員 かどや(角谷)陽平 https://yohei-kadoya.com/
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