2026/8/14

2005年の妙正寺川水害で、私は地元・落合の泥出しボランティアに携わりました。2019年の台風19号では、区民の方から「土のうが手に入らない」との声が寄せられ、議会で改善を提案。2021年度から整備が始まった土のうステーションは、現在、区内23か所まで広がっています。現場で見た被害と、地域から届いた声を、次の備えへ――。20年にわたる取り組みを振り返ります。
新宿区議会議員の川村のりあきです。
新宿区は大きな川に面していないため、水害とは無縁と思われがちです。しかし、区内を流れる神田川・妙正寺川沿いでは浸水被害が繰り返され、河川から離れた低地でも、下水道の処理能力を超える大雨による内水氾濫が起こるおそれがあります。
水害対策は、河川整備だけでも、各家庭の備えだけでも十分ではありません。行政の責任で基盤整備と情報提供を進め、地域の声を具体的な対策につなげることが必要です。
先に結論――被災地で学び、区民の声を施策に変える
2005年 妙正寺川水害――地元・落合で泥出しに
2005年9月4日、東京23区西部を記録的な集中豪雨が襲いました。杉並区下井草では1時間に112ミリを観測。都内7観測所で1時間100ミリ以上を記録しました。
神田川水系では、床上浸水1,582戸、床下浸水2,006戸、合わせて3,588戸の被害が発生。地元・落合地域でも浸水被害が起きました。この時の詳報は別の機会に譲ります。
私は泥出しなどのボランティアに携わり、被災された方々の声を聞きながら、生活再建と再発防止を区に求めました。水を含んだ畳や家財、泥の撤去は想像以上の重労働です。災害後の暮らしを立て直すには、被災された方の努力だけに任せない支援が欠かせないと痛感しました。
水害後には、妙正寺川約3.9キロ、善福寺川約2.0キロを事業区間とする河川激甚災害対策特別緊急事業が実施されました。護岸整備、河床掘削、橋梁の架け替え、調節池・取水施設の整備などを2005年度から2009年度まで進め、採択事業費は113億円でした。
河川整備が進んでも、集中豪雨への備えに終わりはありません。私はその後も、神田川流域の水害対策、土砂災害への備え、身近な場所で使える土のうの配備などを議会で求めてきました。
2019年 台風19号――「土のうが手に入らない」の声
2019年10月、台風19号(令和元年東日本台風)が日本各地に甚大な被害をもたらしました。私は千曲川の堤防が決壊した長野市を訪れ、浸水した住宅の泥出しなどのボランティアに携わりました。
現地で改めて感じたのは、ボランティア、行政、社会福祉協議会、地域団体が連携し、支援を必要とする方につなぐ仕組みの重要性です。区が被災したとき、外部からの支援を円滑に受け入れる「受援体制」も、平時から整えておかなければなりません。
同じ台風は新宿区にも接近し、区は地域センターに自主避難所を開設しました。その際、区民の皆さんから寄せられたのが、次の切実な声でした。
「土のうが手に入らない」
「もっと近くで受け取れる場所がほしい」
当時、土のうを受け取るには工事事務所への連絡や運搬が必要で、台風が迫るなかで入手しにくいという課題がありました。私はこの声を本会議で取り上げ、他区の事例も示しながら、身近な場所でいつでも受け取れる仕組みを提案しました。
2021年度から整備――土のうステーションは区内23か所へ
2021年度から、新宿区で「土のうステーション」の整備が始まりました。事前の連絡や職員の立ち会いなしに、区民が必要なときに土のうを持ち出せる仕組みです。現在は、特別出張所や公園など区内23か所に設置されています。
区政アンケートにも「もっと増やしてほしい」「自宅の近くにも設置してほしい」との声が寄せられ、増設につながってきました。
土のうステーションは、行政だけで生まれた施策ではありません。災害時に困った区民の声があり、その声を議会で取り上げ、対策を具体化してきたものです。
河川から離れていても注意――洪水と内水氾濫
新宿区の洪水ハザードマップは、想定最大規模降雨(総雨量690ミリ・時間最大雨量153ミリ)を前提に、河川の氾濫による洪水と、下水道などで排水しきれない雨水による内水氾濫の浸水想定を示しています。
河川から離れていても、周囲より低い土地、地下室や半地下の住宅、坂の下などでは浸水のおそれがあります。また、ハザードマップで色がついていない場所でも、実際の雨の降り方や土地の形状、河川・下水道の整備状況によって被害が起こる可能性があります。
現在、私は新宿区議会の防災等安全対策特別委員会副委員長として、現場を知る立場から、区の水害・土砂災害対策を点検しています。
次に進めるべき水害対策
集中豪雨は、もはや「まれに起きる災害」ではありません。これまでの経験と、地域の皆さんから寄せられる声をもとに、次の対策を進めます。
神田川・妙正寺川流域を中心とした、河川・下水道の集中豪雨対策の強化
土のうステーションのさらなる増設と、場所・使い方の周知
河川から離れた低地でも起こる内水氾濫への備えと、ハザードマップの普及
土砂災害警戒区域における、早めの避難と要配慮者支援の実効性向上
区が被災した際、外部の人員・物資・ボランティアを円滑に受け入れる受援体制の強化
大雨の前に確認しておきたい3つのこと
新宿区洪水ハザードマップで、自宅・職場・避難経路の浸水想定を確認する
最寄りの土のうステーションの場所を確認し、必要な場合は雨が強くなる前に備える
玄関・地下室の入口、排水溝、側溝を点検し、避難情報や気象情報の受け取り方を家族で決める
土のうは水が迫る前に。危険を感じたら、対策作業より命を守る避難を優先してください。
2005年の妙正寺川水害、2019年の台風19号――現場で見た浸水被害を、新宿の備えに変える。
「区民のためなら、あきらめない」の姿勢で、これからも水害対策の充実に取り組みます。
水害対策――20年の歩み
2005年9月4日 妙正寺川水害。神田川水系で3,588戸が浸水。地元・落合で泥出しボランティアに携わり、生活再建と再発防止を求める。
2005~2009年度 妙正寺川・善福寺川で激甚災害対策特別緊急事業。護岸整備、河床掘削、橋梁架け替え、調節池・取水施設の整備などを実施。
2019年10月 台風19号。長野市で泥出しボランティア。新宿区では「土のうが手に入らない」との声を受け、本会議で改善を提案。
2021年度~ 土のうステーションの整備開始。区政アンケートに寄せられた声も受け、現在は区内23か所へ。
現在 河川・下水道の集中豪雨対策、内水氾濫への備え、土砂災害対策、受援体制の強化を継続して求める。
あわせて読みたい
【台風・豪雨対策】土のうステーションが区内23か所に設置された話
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【災害対応・総集編】被災地で学び、新宿で備える――消防団25年と災害対策の歩み
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【体育館エアコン】2018年の提案から全校整備へ――避難所の命を守るために
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区政アンケートにも、皆さんの声を
「わが家の水害対策が不安」「土のうステーションをもっと近くに」「ここは大雨のたびに水がたまる」――皆さんから寄せられる声や地域の情報が、現場を調べ、議会で取り上げる出発点になります。ぜひお聞かせください。
2026年度 第21回 新宿区政アンケート
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeC1PMtpkwZsvhmDglX_JHSW2szXbQYEoCFDMpj6es2zL9N4Q/viewform
ご意見・ご相談
「自宅の水害対策を相談したい」「近くに土のうステーションがない」「ハザードマップの見方が分からない」など、水害・防災に関することはもちろん、暮らしの中のお困りごとをお気軽にお寄せください。
公式LINE:@819zzafp https://line.me/R/ti/p/@819zzafp
メール:kawamura.noriaki71@gmail.com
電話:070-6510-8893(ショートメールも歓迎です)
FAX:03-3950-8893
川村のりあき(川村範昭)
日本共産党新宿区議会議員 6期24年
「区民のためなら、あきらめない」
出典・確認資料
国土交通省「神田川(妙正寺川・善福寺川)河川激甚災害対策特別緊急事業」 https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/05/051118/01.pdf
土木学会誌「集中豪雨による東京都内における水害について(速報)」 https://www.jsce.or.jp/journal/jikosaigai/20051105.pdf
新宿区「新宿区洪水ハザードマップ」 https://www.city.shinjuku.lg.jp/anzen/file03_00016.html
新宿区「各家庭での浸水対策」 https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000397066.pdf
東京都総合治水対策協議会「神田川流域豪雨対策計画(改定)」 https://www.tokyo-sougou-chisui.jp/river/kanda_H30.pdf
川村のりあき「土のうステーションが区内23か所に設置された話」 https://go2senkyo.com/seijika/15271/posts/1422915
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