2026/8/15

新宿区議会議員の川村のりあきです。
2026年(令和8年)7月29日、おおくぼ戸山診療所を訪問し、所長をはじめ、訪問看護師、ケアマネジャーなど、地域医療・介護の最前線で働く皆さんと、日本共産党新宿区議団として懇談しました。
日本共産党新宿区議団は毎年夏、区内の団体・事業者の皆さまと懇談を重ねています。そこで伺った要望を、区長への予算要望書や区議会での質問につなげる。区民の皆様から直接頂く区政アンケートと、この夏の団体さまとの懇談。この二つが、私たちの広聴活動の大きな柱です。
今回、現場から伺ったのは、「医療を受けたい。でも、お金が続かない」「家賃や電気代を払うだけで精いっぱい」「都営住宅に空き室があるのに、必要な人が入れない」「介護につなげる前の片付けを、ケアマネや看護師が無償で担っている」という切実な声でした。
制度の数字だけを見ていては分からない現実があります。訪問診療だからこそ見える暮らし、ケアマネジャーだからこそ気づく住環境、看護師だからこそ分かる、必要な医療を減らさざるを得ない患者さんの苦しさ。今回伺った一つひとつの声を、新宿区政につなげていきます。
「エアコン助成ができて、本当によかった」
懇談のなかでは、新宿区で始まったエアコン購入・設置への助成制度も話題になりました。
私は2018年(平成30年)に最初の議会質問を行って以来、猛暑から命を守るため、エアコン購入・設置への支援を繰り返し求めてきました。2026年(令和8年)5月、上限10万円の助成制度が実現しました。対象は低所得世帯や生活保護受給世帯など約1,100世帯です。
地域の医療・福祉の現場からも、この制度が実際に必要とされていることを伺いました。制度をつくって終わりではありません。本当に必要としている方に、制度を届ける。ここまでやって初めて、支援は意味を持つと思います。
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「月2回の訪問診療を、月1回にできませんか」
今回、私が特に重く受け止めたのが、医療費負担についての話です。
心不全や呼吸器疾患、重い腰痛などによって、自力での通院が難しい方がいます。そうした方にとって、訪問診療は生活を支える重要な医療です。
ところが現場では、「負担が重くて払えないので、月2回ではなく月1回にできませんか」という相談があるといいます。必要な医療なのに、受診回数を減らさざるを得ない。これは深刻です。
年金でぎりぎりの生活をしている。しかし生活保護の基準には届かない。そこへ物価高、家賃、医療費、介護費、そして猛暑による電気代の負担が重なります。懇談では、家賃の支払いを後回しにせざるを得ないほど厳しい生活についてもお話がありました。
「制度上は生活できるはず」ではなく、実際にその人が暮らしていけるのか。そこから制度を考えなければならないと、改めて感じました。
医療を届けようとするほど、患者負担が増えてしまう
通院できない患者さんのために、医師や看護師が地域へ出ていく。本来なら、とても大切な医療です。しかし、訪問によって患者さんの自己負担が増えれば、「必要だけれど、お金がないから利用できない」ということが起きてしまいます。
さらに、地域の開業医が閉院するなど、身近な地域医療を取り巻く環境への危機感も語られました。高齢化が進むなか、「病院まで来られる人だけを診る医療」でよいのか。訪問診療や訪問看護を含め、住み慣れた地域で必要な医療を受け続けられる仕組みを守る必要があります。
「住み続けたいのに、住まいがない」
医療と同じくらい切実だったのが、住宅の問題です。
新宿区では住宅価格や家賃の高騰が続いています。高齢者、低所得世帯、若者、子育て世帯などから、「新宿に住み続けることが難しくなっている」という相談を、私も数多く受けています。
今回の懇談では、都営住宅、とりわけ戸山地域の住宅について、多数の空き室があるのに十分に活用されていないのではないかという問題提起がありました。
「なぜ募集しないのか」「本当にすべて建て替えや災害対応のために必要なのか」「住宅に困っている人がこれだけいるのに、空き室を活用できないのか」。具体的な空き室数や募集停止の理由については、東京都の資料などで改めて確認する必要があります。そのうえで、利用可能な住戸については、住宅を必要としている方につなげられないのかという視点から、東京都にも対応を求めていきます。
都営住宅×大学――若者と高齢者をつなぐアイデアも
懇談では、都営住宅の空き室を学生など若い世代にも活用してもらい、自治会活動への参加や、高齢者の日常のちょっとした困りごとへの対応、地域コミュニティづくりにつなげられないか、という提案も出されました。
すでに他地域では、公営住宅と大学などが連携する取り組みもあります。新宿区には早稲田大学をはじめ、多くの大学や専門学校があります。
「住宅問題」と「地域コミュニティの担い手不足」を、別々にではなく、つなげて考える。検討する価値のある提案だと思います。
「介護につなぐ前」の仕事を、誰が支えるのか
ケアマネジャーや訪問看護の皆さんから伺った話で、強く印象に残ったものがあります。いわゆる「ゴミ屋敷」やセルフネグレクトの問題です。
部屋の中に物やごみが大量にたまり、そのままではヘルパーが入ることさえ難しい。ネズミや害虫が発生している。しかし、大規模な片付けや大掃除は、介護保険サービスでは対応できない場合があります。
すると現場のケアマネジャーや看護師などが、本来業務とは別に、半日がかりで片付けを手伝うことがあるというのです。片付けなければ、その先の介護サービスにつなげられないからです。これは、現場の善意だけに任せてよい問題ではありません。
「介護保険の前段階」を行政が支える仕組みを
本人を介護や医療につなぎたい。しかし、その前に住環境を整えなければならない。その部分を誰が担うのか。
私は、「介護保険につなぐ前段階の支援」を行政として考える必要があると思います。片付け、害虫・害獣対策、衛生環境の改善。そして、本人が支援を拒否している場合に、どう関係をつくっていくのか。福祉、保健、住宅、清掃、地域包括支援センターなど、縦割りを越えた対応が必要です。
ネズミ対策にも、現場から具体的な提案
ネズミなどの害獣対策についても、現場から具体的な提案がありました。
市販されている超音波・電磁波方式などの機器を使ったところ、効果を感じた事例があった、というお話です。こうした製品については、効果や安全性を含め、行政として採用できるだけの根拠があるのかを慎重に確認する必要があります。
一方で、ネズミが電気配線をかじれば、漏電や火災につながるおそれもあります。特に集合住宅では、一世帯だけの問題では済みません。「害獣対策は個人の責任」で終わらせてよいのか。効果が確認された対策への助成や現物支給も含め、どのような支援が可能なのか研究していきます。
医療・介護・住宅――実は全部つながっている
今回の懇談で改めて感じたのは、医療、介護、住宅、生活支援は、別々の問題ではないということです。
家賃が高い。医療費も高い。電気代も高い。住環境が悪化する。体調が悪くなる。しかし、医療費が払えない。介護につなぎたいが、部屋を片付けなければサービスが入れない。一つの問題が、次の問題につながっていきます。
行政は「医療は医療」「住宅は住宅」「介護は介護」と縦割りになりがちです。しかし、区民の暮らしは縦割りではありません。一人の生活を、丸ごと見る。その視点が必要だと思います。
現場の声を、新しい新宿の計画へ
新宿区では現在、これからの新宿の将来像を考える基本構想・総合計画の検討が進められています。私も基本構想審議会の委員として、この議論に参加しています。
だからこそ、今回伺った「必要な医療を、お金を理由に減らさなくてよい新宿」「所得にかかわらず住み続けられる新宿」「制度のすき間に落ちる人をつくらない新宿」という現場の声を、これからの新宿の計画に届けていきます。そして、区議会でも具体的な施策として取り上げていきます。
「制度がある」から、「実際に助かる」へ
エアコン助成も、最初からあった制度ではありません。地域から「暑くてもエアコンを買えない」という声が寄せられ、その声を議会へ届け続けたことで、実現につながりました。
今回伺った声も同じです。医療費。住まい。介護の前段階の支援。害獣・衛生対策。最初は一つの「困りごと」でも、それを集め、調べ、議会で取り上げることで、制度を変えられる可能性があります。
おおくぼ戸山診療所の皆さんから伺った現場の声を、聞いただけで終わらせません。
現場の声を、政策へ。
そして、「新宿に住み続けたい」と思う人が、安心して住み続けられるまちへ。これからも取り組んでいきます。
今回いただいた主な課題・提案
医療費の自己負担増によって、必要な訪問診療を減らさざるを得ない問題
物価高、家賃、電気代などによる高齢者等の生活困窮
地域医療を担う医療機関を取り巻く厳しい状況
都営住宅の空き室と、住宅確保への活用
公営住宅と大学・学生との連携による地域コミュニティづくり
セルフネグレクトや「ゴミ屋敷」への公的支援
介護サービスにつなぐ前段階の片付け・住環境改善への支援
ネズミなどの害獣対策と、集合住宅の安全対策
一つひとつ調査し、区長への予算要望書と区議会での質問につなげていきます。
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皆さまの「困った」もお聞かせください
「医療費が重い」「家賃が高く、このまま新宿に住み続けられるか不安」「介護のことで、どこに相談したらよいか分からない」「近所のネズミやゴミ屋敷で困っている」――一人の困りごとだと思っていたことが、実は多くの方に共通する区政の課題かもしれません。ぜひお声をお寄せください。
2026年度(令和8年度)第21回 新宿区政アンケート
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FAX:03-3950-8893
川村のりあき(川村範昭)
日本共産党新宿区議会議員 6期24年
「区民のためなら、あきらめない」
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