2026/8/2

**阪神・淡路大震災、妙正寺川の水害、東日本大震災、台風19号、能登半島地震。消防団活動や被災地支援を通じて学んだのは、命を守る備えは平時にこそ進めなければならないということです。現場で得た教訓を、体育館の空調整備、家庭へのエアコン購入費助成、水害対策、避難所環境の改善へ―これまでの歩みと、これからの課題をまとめます。**
新宿区議会議員の川村のりあきです。
災害は、いつも突然やってきます。地震や水害に加え、近年は猛暑も命を脅かす災害となっています。そのとき命を守れるかどうかは、平時にどこまで具体的な備えを進めていたかに左右されます。
私は新宿消防団員として25年間、地域の訓練や警戒活動に携わってきました。また、大きな災害が起きた際には被災地を訪れ、ボランティアや支援活動に参加してきました。現場で見たこと、被災された方から伺った声を新宿区の対策につなげる。その姿勢で、防災の課題を議会で取り上げてきました。
## 原点―阪神・淡路大震災と消防団活動
1995年の阪神・淡路大震災では、ボランティアとして被災地に入りました。倒壊した街並みや避難所の状況を目の当たりにし、行政の備えだけでなく、地域のつながりと日頃の訓練が命を守ることを実感しました。
その後、新宿消防団に入団し、地域に根差した防災活動を続けてきました。現場を知る立場から区の災害対策を進めてきました。
## 2005年 妙正寺川の水害―地元・落合で向き合った浸水被害
2005年9月4日、東京23区西部を記録的な集中豪雨が襲いました。杉並区下井草では1時間に112ミリを観測し、都内7観測所で時間雨量100ミリを超えました。神田川水系では、床上1,582戸、床下2,006戸、合わせて3,588戸の浸水被害が発生し、地元の落合地域も被害を受けました。
私は泥出しなどのボランティアに携わりながら、被災された方々の生活再建と再発防止を区に求めました。※写真は国土交通省との交渉(2005年10月28日)で抜本的な水害対策を求める川村のりあき
水害後、妙正寺川約3.9キロを含む区間で、護岸整備、河床掘削、橋梁架け替え、調節池などを整備する激甚災害対策特別緊急事業が実施されました。事業期間は2005年度から2009年度、採択事業費は113億円です。
河川整備が進んでも、集中豪雨への備えに終わりはありません。神田川流域の水害対策、土砂災害への対応、身近な場所で使える土のうの配備など、地域の声をもとに対策の充実を求めてきました。
## 2011年 東日本大震災―「起きてから」ではなく、平時に仕組みを
東日本大震災でも被災地支援に参加しました。そこで痛感したのは、被害状況の把握、罹災証明、生活再建支援、避難所運営などを、発災後に一から組み立てることの難しさです。
議会では、放射能から子どもと区民を守る対策、住宅の耐震化、罹災証明の迅速な発行、被災者支援の情報を一元的に扱う仕組み、帰宅困難者対策などを取り上げてきました。災害時に必要となる業務をあらかじめ洗い出し、誰が、何を、どの手順で行うのかを平時から具体化することが重要です。
## 2018年 災害級の暑さ―学校体育館の空調整備へ
2018年の記録的猛暑を受け、日本共産党新宿区議会議員団は区長と教育委員会に緊急の申し入れを行いました。私は同年9月の区議会で、小中学校の体育館・武道場へのエアコン設置を、子どもたちの熱中症対策と、避難所機能の向上という二つの視点から求めました。
新宿区は翌2019年度に新規事業として予算化し、2019年度と2020年度の2年間で整備を進めました。文部科学省の2025年5月調査では、新宿区の体育館・武道場は45施設中45施設に設置済みで、設置率100%です。一方、全国平均は22.7%にとどまっています。
ただし、設備があっても停電時に動かなければ十分ではありません。非常用電源、トイレ、プライバシー、要配慮者への支援など、避難所環境を一体的に改善する必要があります。
## 2019年 台風19号―水害後の生活再建を支えるために
2019年10月の台風19号では、千曲川の堤防が決壊した長野市を訪れ、浸水した住宅の泥出しなどに携わりました。水を含んだ家財や泥の撤去は重労働で、被災された方だけで生活を立て直すことは困難です。
ボランティア、行政、社会福祉協議会、地域団体が連携し、支援を必要とする方につなぐ仕組みが欠かせません。この経験は、新宿区の受援体制や避難所運営を考える際の土台になっています。
新宿区内でも、この台風の際に「土のうが手に入らない」「近くで受け取れる場所がほしい」という切実な声が多く寄せられました。私はこの声を本会議で取り上げ、他区の事例も示しながら改善を提案。2021年度から「土のうステーション」の整備が始まり、現在は特別出張所や公園、駅前広場など区内23か所に設置されています。
## 2024年 能登半島地震―災害関連死を防ぐ備えを
2024年1月の能登半島地震では、区長に被災地・被災者支援を申し入れ、区議会での募金活動や街頭募金にも取り組みました。能登で改めて浮き彫りになったのは、避難生活の長期化や環境悪化が命に関わるという現実です。
高齢者や障害のある方など、避難に支援が必要な方を誰がどのように支えるのか。新宿区でも個別避難計画の作成を着実に進めるとともに、計画を実際の避難に生かせるよう、地域、福祉関係者、行政の連携を強める必要があります。
## 2026年 家庭へのエアコン購入費助成が実現
熱中症対策を求め続けてきた原点には、生活保護を利用していた知人お二人を熱中症で亡くした経験があります。お一人の部屋にはエアコンがありませんでした。
2018年に購入費助成を提案した際、区は社会福祉協議会の貸付制度を案内しました。しかし、貸付では利用しにくい方がいます。区議会で提案を重ね、他自治体の制度も示しながら求め続けた結果、2026年5月、新宿区で低所得世帯、児童扶養手当受給世帯、生活保護世帯などを対象とする、上限10万円のエアコン購入費助成が始まりました。
学校体育館の空調と、家庭への購入費助成。公共施設と暮らしの両面から、猛暑による命の危険を減らす対策が前進しました。
## 次に進めるべき防災対策
災害対応に「完成」はありません。これまでの経験と、地域の皆さまから寄せられる声をもとに、次の課題に取り組みます。
- 停電時にも避難所の空調や必要な機器を動かせる電源の確保
- 福祉避難所の充実と、個別避難計画の作成・実効性の向上
- 木造住宅密集地域の不燃化・耐震化と、家具転倒防止対策
- 集中豪雨を想定した河川・下水道対策と、地域の水害への備え
- 区が被災したときに外部の支援を円滑に受け入れる受援体制の強化
**消防団活動と被災地支援で得た教訓を、新宿の備えに変える。「区民のためなら、あきらめない」の姿勢で、これからも地域の防災力向上に取り組みます。**
📌 災害対応の歩み
- 1995年:阪神・淡路大震災。被災地でボランティアに参加。その後、新宿消防団に入団し25年間活動。
- 2005年9月4日:妙正寺川の水害。地元・落合も浸水(神田川水系で3,588戸被害)。ボランティアと再発防止の取り組み。以後、激特事業(2005〜2009年度・113億円)で河川整備が進む。
- 2011年:東日本大震災。被災地支援に参加し、議会で平時からの仕組みづくりを提起。
- 2018年:記録的猛暑。酷暑緊急申し入れ。9月の区議会で体育館・武道場への空調設置を提案。
- 2019〜2020年度:区立小中学校の体育館等へ空調整備。45施設すべてに設置(設置率100%、全国平均は22.7%)。
- 2019年10月:台風19号。千曲川決壊の長野市でボランティア。「土のうが手に入らない」の声を議会へ。
- 2021年度〜:土のうステーションの整備開始。現在、区内23か所に設置。
- 2024年1月:能登半島地震。区長へ支援申し入れ、区議会全体での募金活動。個別避難計画の作成を推進。
- 2026年5月:エアコン購入費助成が開始(上限10万円・低所得世帯等対象)。
- 現在:避難所の電源確保、受援体制の強化など、次の課題に取り組み中。
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**あわせて読みたい**
📖 【体育館エアコン】2018年の提案から全校整備へ―避難所の命を守るために
https://go2senkyo.com/seijika/15271/posts/1456341
📖 【台風・豪雨対策】土のうステーションが区内23か所に設置された話
https://go2senkyo.com/seijika/15271/posts/1422915
📖 エアコン購入費助成―8年間求め続け、猛暑から命を守る制度が実現
https://go2senkyo.com/seijika/15271/posts/1429166
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**▼関連記事**
学童クラブ問題――スキマバイト導入の危険性を議会で追及し、禁止へ
https://go2senkyo.com/seijika/15271/posts/1435049
補聴器購入費助成――加齢性難聴の支援を求め、区独自の助成を実現
https://go2senkyo.com/seijika/15271/posts/1394649
朝の小1の壁対策――10年間の地域ボランティア活動が区の正式な制度へ
https://go2senkyo.com/seijika/15271/posts/1308588
生理用品――学校トイレへの設置は実現。次は区有施設全体へ
https://go2senkyo.com/seijika/15271/posts/1436228
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📋 **区政アンケートにもご協力ください**
「避難所のここが心配」「わが家の水害対策が不安」――皆さまの声が、区政を動かす一番の原動力です。土のうステーションも、区民の皆さまの声から実現しました。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeC1PMtpkwZsvhmDglX_JHSW2szXbQYEoCFDMpj6es2zL9N4Q/viewform?
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川村のりあき(川村範昭)
日本共産党新宿区議会議員 6期24年
「区民のためなら、あきらめない」
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**出典・確認資料**
- 土木学会誌「集中豪雨による東京都内における水害について(速報)」
https://www.jsce.or.jp/journal/jikosaigai/20051105.pdf
- 国土交通省「神田川(妙正寺川・善福寺川)河川激甚災害対策特別緊急事業」
https://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/05/051118/01.pdf
- 新宿区「屋内運動場の空調設備整備【新規】」(2019年度予算)
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000255247.pdf
- 文部科学省「公立学校の体育館等における空調設備の設置状況調査」(2025年5月1日現在)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2024/mext_00002.html
- 新宿区「新宿区災害時受援応援計画」
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000420500.pdf
- ボネクタ掲載記事「土のうステーションが区内23か所に設置された話」「エアコン購入費助成」
- 区政報告249号(2018.8.12・酷暑緊急申し入れ)/387〜389号(2024.1・能登半島地震支援)
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