2026/8/4

2024年4月、新宿区で学校給食の完全無償化が実現しました。
しかし、最初からすんなり実現したわけではありません。
私たちが提案した完全無償化の条例案は、一度、区議会で否決されました。それでも、区民の皆さまの声を力に、私は幹事長として全会派に共同の取り組みを呼びかけ、区長への申し入れや議会質問を重ねてきました。
その結果、区立小・中学校だけでなく、国立・都立・私立学校、フリースクール、不登校の児童・生徒にも給食費相当額を支援する、新宿区独自の制度へと前進しました。
新宿区議会議員の川村のりあきです。
今回は、一度は否決された学校給食の完全無償化が、どのように実現したのか。その歩みをご報告します。
物価高騰が子育て世帯の家計を直撃するなか、「学校給食費の負担をなくしてほしい」という声が大きくなっていました。
2022年5月11日、日本共産党新宿区議会議員団は、区長に「原油高・物価高騰から区民生活を守る緊急対策」を申し入れました。
これを受け、同年6月には、小・中学校や養護学校、私立幼稚園、保育所などの給食食材費の高騰分を支援する、総額約1億6,000万円の補正予算が実現しました。
これは大切な一歩でした。しかし、食材費の値上がり分を補うものであり、保護者が負担する給食費そのものを無償にする制度ではありませんでした。
2023年春、私は、就学援助を受けている世帯を除けば、実質約6億円で学校給食の完全無償化が可能だと試算。日本共産党新宿区議会議員団として、条例案と予算修正案を提出しました。
当時、23区ではすでに9区が何らかの形で給食費の無償化に踏み出していました。新宿区にも実施できる財政力があります。
ところが、条例案は賛成12、反対22で否決されました。
一度否決されたからといって、そこで終わりにはできません。子育て世帯の切実な願いを実現するため、私は次の一手を考えました。
一つの会派だけの主張では、区長を動かすには限界があります。私は幹事長として全会派に共同行動を呼びかけ、超党派での申し入れを2度にわたって実現させました。
臨時議会当日の朝、私が幹事長として声をかけた日本共産党、立憲民主党・無所属クラブ、れいわ新選組新宿、現役世代に優しい新宿の会の4会派で、区長に学校給食の完全無償化を申し入れました。※写真(川村は左から3番目)
この時点では、大田区を含む23区中9区が無償化を実施していました。私たちは新宿区の立ち遅れを指摘し、完全無償化へ踏み出すよう求めました。
その後、区長は6月2日の記者会見で、「区立小・中学校に在籍する第2子以降」に対象を限定した無償化を発表しました。
しかし、2人以上の子どもが同時に区立小・中学校へ通っていることを条件とする制度では、多くの子育て世帯が対象外になります。区長案では、対象となる児童・生徒が限られ、完全無償化とはいえませんでした。
そこで4会派は、対象を限定しない完全無償化条例を共同で再提案しました。
補正予算の区長査定を前に、幹事長として再び4会派に声をかけ、同じ顔ぶれで区長と教育委員会に「学校給食完全無償化を求める申し入れ」を行いました。
そして9月21日の区議会代表質問で、私は、それまでの経緯を示しながら完全無償化を改めて要求しました。
その結果、区長から、翌年4月の実施に向けて準備を進めるとの答弁を引き出すことができました。
同時に、区立学校だけでなく、国立・都立・私立学校などに通う子どもたちも対象にするよう求めました。どの学校を選んだかによって支援に差が生じてはならないからです。
こうした取り組みを経て、2024年4月、新宿区で学校給食の完全無償化が実現しました。
区立小・中学校の給食費が無償になっただけではありません。国立・都立・私立学校、フリースクールに通う子どもや、不登校の児童・生徒にも、給食費相当額を給付する仕組みが設けられました。
「新宿区に暮らすすべての子どもを対象にする」という、区独自の制度へ前進したことは重要です。
さらに、学童クラブの長期休業中のお弁当手配や、私立幼稚園への補助金の月額8,000円増額も実現しました。
これらを後押ししたのは、議会での提案だけではありません。区政アンケートに寄せられた3,480通もの回答をはじめ、区民の皆さまの声が区政を動かす大きな力になりました。
学校給食の完全無償化は、最初から認められた政策ではありません。
条例案が否決された後も、区民の声を集め、幹事長として党派を超えた共同を広げ、申し入れと議会質問を重ねたことで実現しました。
私は、この経験から改めて確信しています。
一度否決されても、あきらめずに提案を続ければ、政治は動かせる。
そして、政治を動かす一番の力は、区民の皆さまの声です。
給食費の無償化は実現しました。しかし、子育て世帯が負担する教育費は、給食費だけではありません。
2024年12月、「子ども・子育て支援事業計画」のパブリックコメントにあたり、私は次の施策を提案しました。
・学用品・副教材の無償化
・移動教室・修学旅行費の無償化
・給付型奨学金の拡充
・不登校支援の充実
・特別支援教育の充実
給食無償化で得た前進を土台に、家庭の経済状況にかかわらず、すべての子どもが安心して学べる新宿区へ。
これからも、皆さまの声を議会に届け、学びにかかる負担全体の軽減に取り組みます。
📌 学校給食完全無償化までの歩み
・2022年5月11日:物価高騰対策を区長に緊急申し入れ
・2022年6月9日:給食食材費の高騰に対する約1億6,000万円の補助が実現
・2023年春:学校給食完全無償化条例案と予算修正案を提案するも、賛成12、反対22で否決
・2023年5月23日:幹事長として全会派に呼びかけ、4会派で区長に1回目の申し入れ
・2023年6月2日:区長が「第2子以降」に限定した無償化を発表
・2023年6月:4会派共同で、対象を限定しない完全無償化条例を再提案
・2023年8月28日:幹事長として再び全会派に呼びかけ、4会派で区長・教育委員会に2回目の申し入れ
・2023年9月21日:代表質問で、区長が翌年4月の実施に向けて準備を進めると答弁
・2024年4月:学校給食の完全無償化が実現。国立・都立・私立学校、フリースクール、不登校の児童・生徒への給食費相当額の支援も実施
・2024年12月:学用品や修学旅行費の無償化など、次の教育費負担軽減策を提案
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📋 区政アンケートにもご協力ください
「教育費のここが負担」「給食以外にも、こんな支援がほしい」――皆さまの声が、区政を動かす一番の原動力です。
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川村のりあき(川村範昭)
日本共産党新宿区議会議員 6期24年
「区民のためなら、あきらめない」
出典・確認資料
・区政報告337号(2022年6月12日・給食食材費補助)
・区政報告362号(2023年春・完全無償化条例案)
・区政報告370号(2023年5月28日・4会派による申し入れ)
・区政報告373号(2023年6月11日・区長の「第2子以降」限定案)
・区政報告374号(2023年6月25日・4会派共同による条例再提案)
・区政報告381号、新宿区議会令和5年第3回定例会会議録(2023年9月21日・代表質問)
・区政報告385号・390号・393号(2023年度末~2024年4月・完全無償化実現)
・区政報告398号(2024年12月・「子ども・子育て支援事業計画」パブリックコメント)
会議録検索システム:https://ssp.kaigiroku.net/tenant/shinjuku/SpMinuteSearch.html
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