
投開票日前の情勢調査や選挙報道は各社が力を入れて取り組んでいますが、中でも朝日新聞の情勢調査の精度が高いことが知られています。4月10日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、MCの選挙芸人・山本期日前氏が朝日新聞の情勢調査の知られざる裏話を元政治部長・林尚行氏に直撃インタビュー!2021年衆院選の的中秘話や、伝説の「神様」の存在に迫ります。
**MC期日前氏:今日は僕が気になっているというか、 こないだの衆院選でも話題になりました。朝日新聞の情勢調査がすごく精度が高いという話と、あと当確がめっちゃ早いじゃないですか。このその辺りのちょっとお話っていうのをぜひちょっとお伺いできればなという風に思っておりまして。
林記者:ありがとうございます。
MC期日前氏:言ったら結構朝日新聞とかに関しては保守的な層から結構ガーっと言われたりする状況の中で、ただそこの識者とかも「いや、情勢報道、朝日はエグイ」みたいな形で、思想を乗り越えての評価という、なかなか起こり得ない状況を生み出してんのかなと思ったりもします、ここはなんでこんな精度高いのかも含めて、ぜひお伺いできればなと思っております。
林記者:正直に言って、私もなんでかよく分かってないというところがあるんです。と言うぐらい、プロフェッショナル中のプロフェッショナルが社内にいるんです。何度も説明を受けてんですけど、正直、文系の私には理解ができないという(汗)。
MC期日前氏:元政治部長の林さんでも、話を聞いて「何言ってんですか?」っていう。
林記者:「すごいね、ああなるほど、すごいな~!」しかわからないぐらいの人たち社内にいて、その人たちは実は政治部じゃないんです。
MC期日前氏:政治部じゃないんですね!
林記者:「世論調査部」っていう独立した部署があって、そこの部に数字分析のプロたちがいるんですよ。この彼らは我々にとって見たら宝物だと思ってます。

MC期日前氏:では、選挙や政治のニュースって扱ってるのは政治部などで扱っているけれど、情勢報道に関しては世論調査部が精度の高いやつを出しているということですね。
林記者:そうです。世論調査部が主体になってやる。その評価を政治部の我々が「ありがとうございます」っていう感じで、「おこぼれ」をいただいてる状態です。以前の選挙で、(政治ジャーナリストの)田崎史郎さんが俺は朝日新聞の情勢調査だけは信用してんだ、それが出るまではどっちがどうかとは言わない、みたいなことをおっしゃってくれたんです。それぐらいありがたいなと思ってんですけど。うちの情勢調査の信頼性が、なんでこんなに皆さんに言っていただけるようになったかっていう資料をちょっと探したら、やっぱり2021年の衆議院選挙でした。
MC期日前氏:ああ!(深いうなづき)
林記者:期日前さんも多分ご覧になってると思うんですけど、最初「自民党が苦戦する」と言われてて、2021年なので岸田(文雄)総理が誕生した後の最初の選挙ですよね。だから単独過半数割るんじゃないかという数字が結構出ていた中で、うちが「自民党過半数確保の勢い」っていうのを最初に打ったんですよ。
MC期日前氏:当時の状況で行くと、朝日新聞さんめっちゃ馬鹿にされてましたよね!他の情勢調査と一人だけ違う数字を出していたので「これは何なんだ」と言われてましたよね。
林記者:そうなんです。ところがどっこい、本当にありがたいんですけど、結局蓋を開けてみたら自民党が261議席。過半数は233ですから、大きく上回ってたっていう状況になりました。これが今のいわゆる定説となっているところのベースになってるのかなという風には思っています。
MC期日前氏:確かに、そこから「当たる」っていうイメージが醸成されてるかもしれないですね。過去の情勢報道では各社で当たりはずれがあったけど、確かに2021年衆院選で「独り勝ち」インパクトは結構でかいですよね。
(中略)

林記者:それで、なんでかなと考えた時に、もちろん世論調査部という我々の究極のプロ集団がいることもそうなんですが、実は2021年衆議院選挙からです調査のやり方を変えたんですよ。
MC期日前氏:そうなんですね!
林記者:普通は固定電話でしょ。それに携帯電話、インターネットパネル調査っていうのをやってます。
MC期日前氏:やり方変わったから他社とずれてんじゃないかみたいなことだったけど、これが正しかった。今はネット調査がものすごく重要と、JX通信社の米重(克洋)さんもよく言われてますけども。
林記者:2021年にそれを導入していて。ただその配分とか、どういう風な按分かは『秘伝のタレ』みたいなものなので、私もよく知りません。
MC期日前氏:これは、世論調査部にすごい識者がいるのか、それとも部署の中にそういった蓄積があるのですか?
林記者:蓄積です。世論調査部というのは歴史がすごく古いんです。それこそ私が入社した時、政治部に来た200年には当然あったし、その頃から「当打ちの神様」って人たちがいたんですね。
MC期日前氏:「当打ちの神様」。噂は聞いたことあります!お名前とか聞いても良いですか?
林記者:もう会社を卒業された方なんですが、峰久和哲さんという方がいらして、数字をガーっと見て、どういう風なトレンドで、どのぐらい離れているとどのタイミングだったら当打ちができる可能性があるか、というところまで判断できる人で、我々は「当打ちの神様」と読んでいたんですね。
(中略)
MC期日前氏:選挙業界でも結構知られた存在ではありますよね。
林記者:二代目もいるんですよ。
MC期日前氏:二代目「当打ちの神様」がいるんですか?
林記者:峰久さんが引退された後を継いだのが堀江浩さん。彼もやっぱり数字をぐーっと見て、トレンドは何で、今までの経験値からの判断でこれまでの情勢調査はこうだったっていうところから、これだったら当選が打てるんじゃないか、打てないんじゃないかをアドバイスしてくれる。私、堀江さん大好きだったんで、喋りも上手いんですよ。なので、それこそ僕が大阪社会部とかでデスクやった時、2018年か2019年ぐらいの選挙の時に系列の朝日放送特番に出てもらってます。アーカイブ残ってますので、ぜひ見てください。
MC期日前氏:うわ。堀江さんは今もやられてるんですか?
林記者:今は堀江さんも卒業されました。
MC期日前氏:じゃあ今は「三代目」の人はいない?
林記者:「三代目」はいないんですけども、それに近い能力の皆さんはもういる。
MC期日前氏:チームで蓄積がされているんですね!
林記者:チームが強いです。
MC期日前氏:(話題は今年2月の衆院選での事前情勢調査に移ります)これよく、「朝日新聞が自民党を油断させるために300超えと言ってるんじゃないか」って、
林記者:今回も言われましたよ。実際、複数の知り合いの取材先から「これは意図があるのか。この300超えは何なんだ」と電話かかってくるんですよ。中盤情勢の時点で、「中道改革連合が半減するかも」とも合わせて書いてるんですよ。実際は半減以下でしたけれども、それも含めて、「朝日は中道を応援したいがゆえに、あえてこういう風にやってんじゃないか」っていう風に言ってくる人はいました。
MC期日前氏:それは議員さんとかから連絡あったんですか?
林記者:議員さんからも連絡ありましたし、秘書さんとか陣営の人たちですよね。
MC期日前氏:でも、冷静に考えると、絶対に中道を応援したいんだったら、中道を高く出しておいた方が良いですよね。
林記者:逆に、急に中道が新党として立ち上がって締まっていないんじゃないかという局面でしたから、中道の中を締めるために厳しめの数字を出してんじゃないかと言われることはありました。でも、そんなこと考えてないです。
MC期日前氏:引き締めるにしては、負けさせすぎですもんね。例えば、生数字をどう判断するかっていう書き方とかあるじゃないですか。そこは?

林記者:政治部じゃないんです。政治部はタッチしません。各選挙区で「リード」「横一線」「接戦」などどのような情勢か記事を書く時に世論調査部の人でが足りなければお手伝いすることはありますが、記事のクオリティについてはきちんとしたガイドラインがあって、そこに沿って書いてますんで書く記者によって差が出ないんです。
MC期日前氏:記者の個人的な感情が入るような余地がない設計になってるんですね。
林記者:そうです。だから皆さん信頼してくれているし、信頼してほしいなと思っています。毎回言われるんですよ、参院選も衆院選も。そもそも政治部とは別のセクションがやっているということです。
この詳細は、ぜひ動画本編でご確認ください!
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