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1万2000字超に込めた想いとは?高市総理が施政方針演説で示す『憲法改正』への本気度と展望は?W政治記者が解説【水内茂幸記者×今野忍記者】

2026/2/25

選挙ドットコム編集部

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2月20日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」では、産経新聞編集長の水内茂幸氏と元朝日新聞で政治記者の今野忍氏が2月20日に開会した特別国会での施政方針演説などについて解説します!

今野忍記者(以下、今野記者): 今日はまず施政方針演説の話。今日(2月20日)から国会だからね。国会始まる時に読むのが施政方針演説、臨時国会だと所信表明です。違うんですよね。4月からの1年間の年度予算を作るから、 1年間の指針ですよね。

水内茂幸記者(以下、水内記者): やっぱり、これだけ(衆院選で)大勝したというのもあってね。よく見るとですね、結構思い入れがあって、取材すると、高市さんはこの施政方針演説と、あと各大臣への指示書

今野記者: あれ、自分で書いてんだってね。あの人ね、すごいよね。

水内記者:この施政方針も役所から色々こういうの入れてくれっていう(「短冊」ってよく言うんですけども)、それを集めてきたものなんだけれども、ここにも高市さんなりに結構筆を入れていたっていう話で

今野記者: 基本、役所の秘書官とかがやったやつをそのまま読まない人だよね。

水内記者 そう。そういうのもあるので、今回の文字数が1万2850文字ということで、直近10年の中で最も多い。

今野記者 そうだよね。1万超えるってなかなか長いですね。

水内記者 そう、平成以降でも3番目に多いという、そういうものみたいなんですけどもね。だから相当やっぱり思い入れがあった。

今野記者 一応、高市さんは昨年10月に(総理に)なられて、今回、第2次(内閣)だけど、施政方針演説は初めてだよね。

水内記者国会の冒頭にある、実質的な(演説)というのは初めて。中身を聞いたりしていると、非常にこの選挙でこれだけ勝ったというのが自信を深めてるのか、「いろんな政策をもっと前に進めます」と。「挑戦しない国に未来はない」「守るだけの政治に希望は生まれない」と。ま、こんな感じで結構「イケイケ」というか、そんなものがすごく如実に出ているというところなんですよね。

今野記者: 「未来を語る」ってポイントですよね。演説でもそうだったけど、それが若い人の支持とかにつながっててね。

水内記者 やっぱり、批判とか言う前に、まずは未来に挑戦すると、でこういうのをやっていくと。選挙でこれだけのものをやったので実行していくと、そういう姿がすごくあるのかなと。例えば憲法の話とかね。憲法審査会で、党派を超えた建設的な議論が加速してほしいということで、「国会における発議が早期に実現されることを期待します」と。一応、行政の長なので「これをやる」とは(直接は)言えないんだけれども、強い言葉をかなり並べたというような話もね。

今野記者 取材すると、やっぱ憲法改正やりたいってのは、結構明確におっしゃってるみたいだね。

水内記者 人事もやったし。古屋(圭司)さんを憲法審査会長に据えた。

今野記者 そう。あれ「何更迭(の人事)ですかね?」とか言ってる人いるけど、全然違うよね。

水内記者 全然違う。憲法審査会っていうのは、これまで「中山方式」って言って、全部の党が実質的にOKって言わないと物事が進んでいかない。

今野記者 「護送船団方式」ってやつですね。5人ぐらいしかいない党でも、自民党でも……あの中山太郎さんっていうね、(日本維新の会の)馬場(伸幸)さんが(かつて)秘書をやってた。自民党の大阪の大重鎮。中山太郎さんが長く憲法審査会の前の「憲法調査会」の会長をやられて、「中山方式」っていうのを作って、憲法っていうのは幅広い合意が必要だから、大きい与党も大きい野党も、ちっちゃな野党もみんな揃って平等に発言をし、平等にやっていこう」っていうのが中山方式。ただ、その平等にやっていくといつまでも決まらないから、その全てを「中山方式」でやるんじゃないんだって、馬場さんなんかもおっしゃっててね。

最近だけど、岸田さんが総理時代に1回、「護送船団方式」って言い方をして、「もうこれはやめた方がいいんじゃないか」みたいなこと言ってた。ただ、岸田さんは1期で終わっちゃったからね。(憲法改正には)この「護送船団方式」をやめないと多分無理なんですよ。だって、中道や参院の立憲も賛成しないから。

(中略)

今野記者:先日、読売(新聞)が世論調査してるんですよね。この中で「高市内閣に優先して取り組んでほしい政策や課題」を聞くと、圧倒的1位は88%で「物価高対策」なんですよ。で、2番がなんと「外交・安全保障」。で、ずっと追っていくと、9番目でやっと「憲法改正」なんです。国民の最優先事項かというと決してそうではないというのを一応、押さえさせてください。

ただ、「関心」自体は増えてはいる。11ポイント増えて40%になってますから、急増はしてるんですよ。ただ、やっぱり物価高とか子育てとか、生活に密着してる方が国民のニーズは高い。憲法だけで見たら関心が増してるのは間違いないですが。

水内記者:これ、関心がないというよりも、憲法改正がどういうものなのかをまだ知らない人もすごく多いんじゃないかと。高市さんが「国の形」と「安全保障」について実質的に言ってるのは、まさにそこだと思うんですけど。この「選挙ドットコム」でも散々議論してきましたが、「9条2項の削除」

今野記者:ここが最大の焦点ですよね。安倍さんは自民党の改憲案に「自衛隊明記」を載せたのは、公明党がいたからなんですよ。憲法9条の1項・2項を残したまま「9条の2」を作るのか、自衛隊を明記することで「自衛隊違憲論」に終止符を打とうとした。でもこれ、安倍さんご本人もおっしゃってたけど「妥協」なんですよね。

水内記者:そうですね、公明党がいたから。

今野記者:公明党は「加憲(憲法は変えず、新しく条項を加える)」という考え方だから、憲法9条の条文自体に手をつけるのは絶対譲れない。特に「戦力の不保持」には触らせないという話だった。

水内記者:これがね、「戦力の不保持」と言っておきながら、実質的にはトマホークを持っていて

今野記者:これからは原子力潜水艦も(持つかも)しれないと。

水内記者:これを「自衛隊だけ明記する」というのは、どう考えても整合性が。交戦権の否定もそうですしね。集団的自衛権も、今の解釈では「国際的には持っているけれど、憲法解釈上できない」とされてきた。それが安保法制で「日本に危険が生じたなら行使できる」と解釈を変更していった経緯があります。

根本的には、持てるものはしっかり持って、自衛隊はもう軍にしてしまって、他国並みのものを作った上で何を行使するかは別の法律などで定義しようというのが、実は石破(茂)さんの考え方だったんです。

今野記者:石破さんの方が「筋」は通ってましたよね。ただ、安倍晋三さんという方はリアリストだったから、公明党と連立を組んでいる以上、その中でできる範囲で……ということで「自衛隊明記」にした。だけど、今や高市自民党が組んでいる相手は、日本維新の会ですから。維新は「9条2項削除」なんですよ。今の自民党案の「自衛隊明記」案のままで高市総理が乗り出すのか、それとも「9条2項の削除」まで踏み込むのか。ここも大きな焦点になってくるんじゃないかなと。

水内記者:選挙戦の時に、中道の斉藤鉄夫さん(当時、中道の共同代表)と何度も話をしたことがありましたけども、やっぱり与党が右寄りになってるっていう原因が9条2項削除に手をつけようとして、これを右寄りじゃないですか?て言ってたんだけれども、やっぱりその右寄りだって言ってその議論自体にも蓋を占めるということよりも、日本の安全を守るためには何が必要なのかせめて議論するところまでは絶対やった方がいいというのが今回の選挙結果の一つだと思うんだけれどもね。

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