告示まで残り1週間となった東京都議会議員選挙(以下、都議選)。都議選で最も定数が多い8人区の世田谷区には現時点で20人近くが立候補を表明しており、激戦となる見込みです。
動画公開日(6月5日)時点での立候補表明の状況は以下の通りです。
自民党は、現職で都議会自民党幹事長の小松ダイスケ氏を擁立。小松氏は都議会自民党の裏金問題に対応する中で、政治資金パーティーの自粛などの取り組みを行いました。また、もう1人の自民党現職の三宅しげき氏は8期目で議長経験もあるベテラン都議ですが、政治資金パーティーの収入不記載によって非公認、無所属での出馬となります。
これまで自民党が3議席を保有してきた選挙区ですが、同党世田谷支部では区議からの要望で、小松氏への一本化が進められているようです。今回は三宅氏の情勢が見通しにくい状況です。非公認というマイナス要素がある一方で、今回は実質的に2氏に絞られた点がプラスに働く可能性も指摘されています。三宅氏については、地元の自民党議員の応援は少ないものの、麻生太郎元首相の秘書経験から麻生氏からの激励があったり、参議院議員の朝日健太郎氏との二連ポスターを作成するなど、個人的な繋がりによる加勢がある可能性があります。
都民ファーストの会は、現職の福島りえこ氏と新人の高野たかひろ氏の2氏を擁立しています。福島氏は元東芝の研究者で眼鏡なしで見られる3Dテレビを開発した経験などがあります。都議としては政策に精通し、地元活動も熱心に行っており、前回・前々回と連続でトップ当選していることから非常に強い候補と見られています。
高野氏は元TBSアナウンサーという知名度の高い経歴を持ち、指定難病の子どもを持つ経験から社会福祉に関心を持ち、同党都議の龍円愛梨氏の誘いで出馬を決意したと言われています。都民ファは女性候補に票が集まりやすい傾向がありますが、男性候補である高野氏がどれだけ票を伸ばせるかが注目されています。
期日前氏は都民ファが2人を擁立したのは当初驚いたものの、福島氏の選挙の強さによって「共倒れのリスクがない」と判断したのではないかと推察したといいます。
公明党も現職のたかく則男氏を擁立して議席の死守を目指します。同党はかつては2人擁立していましたが、現在は1人に集中する体制をとっています。公明党は世田谷区で票を固める力があり、期日前氏、MC鈴木ともに8人区で公明党候補が落選することはまずないだろうと予想します。
日本共産党も現職の里吉ゆみ氏を立てて議席の維持をする構えです。里吉氏は両親が教員だったこともあり、平和政策に関心が高く、都営住宅の増加などを訴えています。共産党も世田谷のように定数が多い選挙区では安定した1議席を持っていると見られています。
立憲民主党は風間ゆたか氏は現職です。風間氏は元ベネッセ勤務で、教育に関心が高く、全国の小中学校で体感型教育などを担当した経験があります。当初は現職の山口拓氏との共倒れリスクが懸念されていましたが、山口氏が体調不良で急遽出馬を辞退したことにより、風間氏に一本化された構図となり、「一気に当選圏内に入った」(期日前氏)と見られています。
国民民主党は新人の坂本まさし氏となかしま里奈氏の2氏を擁立して議席獲得を目指します。坂本氏は元経営者で、期日前氏は政策を歌にのせて広める動画をYouTubeに投稿するというユニークな活動にも注目しているといいます。
なかしま氏は元広告代理店勤務で、家族に選挙経験者(福岡で立候補経験のある夫)がいることも強みになるとみられます。
国民民主党が複数擁立するのは世田谷区のみで、都民ファのように男女で票が分かれるかどうかが注目されていますが、国民民主は男性の支持が厚い政党であるため、票の分かれ方が読みにくい状況です。厳密なエリア分けはしていませんが、期日前氏によると坂本氏が田園都市線、なかしま氏が京王線を中心に活動しているようです。
れいわ新選組も新人のじんむら浩平氏を擁立して議席の獲得を狙います。じんむら氏は社会起業家で、車椅子製造会社を経営しています。車椅子バスケ映画のモデルになった経験や、元ゴールドマンサックス勤務という経歴も持ち、れいわ新選組の中では異色の経歴を持つ人材として注目されています。
再生の道は、新人のとりうみあや氏とくれよしつぐ氏の2氏を擁立しています。
とりうみ氏は元アナウンサーや気象予報士、楽天で創業事業に携わるなど、地方自治体の課題解決にも関わってきました。党外の専門家との対談動画をYouTubeに公開するなど外向きの戦略によって支持をいかに広げられるかが注目されます。
くれ氏は大手監査法人やJPモルガン、NECなどで勤務経験があることから経済や数字に明るい専門家とという経歴をアピールしています。再生の道の支持層は男性が多いため、くれ氏にも票が集まる可能性があると分析されています。
参政党は新人の望月まさのり氏を擁立しました。望月氏は元東京地検検察事務官で、神谷宗幣代表の秘書経験もあります。教育や農業を守ることを訴えてきました。直近の衆院選に立候補した際も世田谷区で一定の得票があり、都議会で初の議席獲得をうかがいます。
生活者ネットワークの高岡じゅん子氏は元区議で、環境カウンセラーとしてグリーンインフラなどを訴えています。前回都議選に挑んで落選していますが、今回は立憲民主党の推薦を得ているため、当選圏内に近づいてきた状況だと考えられています。
NHK党の浜田聡参院議員が代表を務める「自治労と自治労連から国民を守る党」の平井しげる氏も立候補しています。金融機関勤務、自営業などの経験があります。
無所属のとしては、あべ力也氏、河村健一氏、クガイ氏、加藤陽三氏などが立候補しています。
あべ力也氏は河村たかし衆院議員が代表を務める地域政党「減税日本」の推薦を受けており、減税などを訴えています。都民税減税を都議選公約に掲げる日本維新の会が世田谷区に候補者を擁立していないことも、あべ氏にとってはプラスに働く可能性があります。
河村氏は自民党で元官房長官などを務めた河村建夫氏の息子で、過去に自民党や維新から国政選挙に立候補した経緯があります。「東京から公教育を立て直す」という公約を掲げています。地元議員の応援もありますが、知名度をどこまで高められるかが注目されます。
クガイ氏と加藤氏は詳細な情報が少なく、今後の情報発信に注目です。
世田谷区は政治的にリベラルが強い地域とされ、直近の衆院選では自民党が2つの小選挙区を落とし、立憲民主党が勝利してきました。当選予測としては、公明党のたかく氏、共産党の里吉氏、都民ファの福島氏、自民党の小松氏、立憲民主党の風間氏の5枠は硬いと見られています。残りの3枠を、国民民主党の坂本氏となかしま氏、れいわ新選組のじんむら氏、無所属の三宅氏、都民ファーストの高野氏、再生の道のとりうみ氏・くれ氏、参政党の望月氏、生活者ネットワークの高岡氏などが争う構図となっているといいます。選挙通の間でも予測が分かれる混戦状況の中、今後の情勢変化も要チェックです。
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