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2024年12月28日に公開された動画のテーマは、「2025年展望 参院選 都議選で何が起きる?」
本日の動画のゲストは、産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏と朝日新聞・前政治部長の林尚行氏です。
2025年には参議院議員選挙、東京都議会議員選挙などの大型選挙が予定されています。昨年10月には政権与党が過半数割れという大激変が起きた中、今後の情勢はどうなっていくのか。政治記者お2人に注目ポイントと展望について解説していただきました。
【このトピックのポイント】
2025年7月に任期満了を迎える参議院。2024年10月の衆院選は自由民主党と公明党で過半数割れを起こす大波乱の結果となりましたが、参院選への影響は?
水内茂幸氏「やっぱり厳しいですよね……。春先の予算案が通る頃にどれくらいの内閣支持率でどんな政治状況かによってかなり違うと思います」
石破内閣と自民党の支持率が低迷傾向にある中で、「選挙の顔」とも言われる総理大臣として石破茂氏が続投するのかも注目点の一つです。現時点では石破氏の続投が既定路線になってはいるものの、林尚行氏は「石破降ろし」が起きた場合、そのメインプレイヤーが従来のように与党ではなく、国会で過半数を占めている野党になるのが最大のポイントだと解説します。
野党勢力が固まって内閣不信任案を提出・可決した場合、総理は辞職か衆議院解散を選択することになりますが、昨年の衆院選での惨敗の傷が癒えない中での再度の解散は考えにくいとされます。そうすると残された道は総理辞職になります。
林氏「来年1番最初に皆さんが見るポイントとしては、内閣不信任案が出るか出ないか。可決するような政治状況になっているかだと思っています」
自民党はこうした不安定な局面を乗り切るため、衆院選後には国民民主党と日本維新の会の両党と政策協議の場を設けてきました。もし、こうした動きが奏功して、いずれかの党が予算案に賛成・内閣不信任案に反対すれば政権運営の安定化が期待されます。
ただ一方で、昨年末には都議会自民党でも政治資金パーティーの収入不記載が発覚するなど、自民党にまつわる「政治とカネ」問題はまだ収束していません。政権与党にとって不安要素が残っている状態です。
水内氏「いつその爆弾が破裂するかわからない、という政局が7月ぐらいまでずっと続くのかな」
選挙日程が近い都議選と参院選の結果はリンクすることが見込まれることから、都議選の情勢からも目が離せません。
一方、野党勢力の動きはどうでしょうか?
立憲民主党と日本維新の会は参院選での候補者一本化に向けて予備選も視野に検討しています。予備選をすれば「一枚岩」とまではいかないまでも野党の支持が一定集約され本選のプラス効果も考えられます。ただ、政策が違う政党による一本化がどこまで実効性をもつかは不透明です。
ここで、林氏は「『政権への中間評価の選挙」と言われる参院選だからこそできると思いますか?」と水内氏に質問。これに対し。水内氏は「憲法改正など政策がびっくりするくらい離れている中で、これをやるのが有権者に理解が得られるのか」と懐疑的な見方を示しました。
一方、衆院選で躍進した国民民主党は「103万円の壁」の協議の延長戦に臨んでいます。水内氏は同党の勢いが予算成立後も継続するかに注目していると言います。
林氏は国民民主党が政策協議を経て予算案に賛成した場合、参院選で政権与党に対抗する勢力としては戦いにくくなる「矛盾を抱えるリスク」があると指摘。
林氏「国民民主党としては難しいところですね。どう折り合い、国民に分かりやすい説明ができるのかがポイントです」
同じく衆院選で躍進したれいわ新選組や参政党、日本保守党といった新興政党については、2人とも勢いが続くと予想します。
衆院選ではSNSなどを活用した各党の選挙戦略によって組織票以外の票が動いたこともあり、こうした勢いは既存政党に影響を与えると予測されています。
水内氏「この流れは簡単に消えない。いろんな声が響く形になりつつある」
林氏も水内氏の見方に賛同しつつ、各政党のスタンスから説明。政党の立ち位置を右派・左派で捉えると、既存政党の自民党や立憲民主党、国民民主党が中道に寄ってきた中で、右寄り・左寄り両方の「両翼」に空白ができています。新興政党はこうした層の受け皿として根強い支持を集め続けると予想します。
総じて、2025年は大きな政治的変動が予想され、与野党ともに激しい攻防が繰り広げられる見込みです。
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