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2024年9月1日に公開された動画のテーマは「立憲民主党代表選 アノ人も出馬表明 展望は?」
立憲民主党の代表選も、続々と立候補に名乗りを上げようとする人々が出ています。その代表選の争点は?自民党総裁選の影響は?現役政治記者の産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏と、朝日新聞の前政治部長の林尚行氏のお2人が、民主党政権からの流れを整理しつつポイントを解説。総選挙に向けて要チェックです!
【このトピックのポイント】
9月7日告示、9月23日に投開票の立憲民主党代表選、続々と立候補を予定される方のお名前が上がっています。
収録日(8/29)時点で、立候補が取り沙汰される候補者はこちらです。
ズバリ、何人が立候補するでしょう。
水内茂幸氏は、すでに会見された枝野氏、野田氏に加え、「現代表の泉氏については、立候補できる土俵はできるのではないか」とコメントします。
林尚行氏「ここに挙げられた人から聞いたところ、3ないし4人なのではないかと。当事者たちもそう見てるということになります」
どんな方が候補に上がるでしょう。まずは女性から。
水内氏は「立憲民主党は女性を大事にする政党であり、女性が立候補できるかどうかがポイント。出させるというところもあるかもしれない」と語ります。
女性候補については、林氏が「時間がないので(名前が上がっている)西村氏、吉田氏のどちらかと思う」とコメント。
林氏「(国会議員)20人集めるの、自民党より大変なんですよ」
国会議員数から見ると5人、10人あたりが妥当ではないかという声の中、20人を集めるのは大変なことだとコメントします。
立憲民主党にも、自民党の派閥のような「グループ」があります。投票はグループ単位での動きなんですか?
水内氏「立憲民主党では派閥はありませんが、掛け持ちOKのグループがあります。そのグループをベースにした推薦人集めが行われています。
野田氏のところに、かつて水と油の関係だった小沢一郎氏の接近があったり、重徳和彦氏ら「直諫の会」も参加、野田氏自身も「花斉会」というグループを、枝野氏は「サンクチュアリ」の顧問を務めている」
林氏「派閥はないけれど、グループがあり、ベースになっている。グループが小さい場合は合従連衡を重ねる」
野田氏の出馬表明会見を取材したという水内氏は、立憲民主党代表選に厳しいエールを送ります。
水内氏「立憲民主党こそ、政権奪取できない、失われた12年だなと思っていて。旧民主党政権で失った信頼と不信感って、世の中の人、まったく払拭できていないと思うんですよ。それを払拭するための戦いだと思うんです」
水内氏「子ども手当、高速道路無償化など、明言したけれど出来なかったことに対する不信感はどう払拭するか。野田氏は出来る道筋を示したつもり。自民党政権では考えられない政策を出したことに意義があるとおっしゃったが、できなかったじゃないかという部分、これから論戦になるが深掘りしてほしい。政策の実現を裏付けできるかも問われる」
林氏は民主党代表時代の小沢一郎氏の番記者経験もあります。いまの代表選の状況を見ていて?
林氏「第一次安倍政権と戦って勝っていく右肩上がりの民主党を見ていたので、この間の立憲民主党の体たらくは非常に残念だし、寂しい思いがある。野党は健全な強さをもって争ってほしい」
林氏は、「安倍氏の一強時代に野党が育ってこなかった」と振り返り、野田氏が「昔の顔で」と自虐的に言わなければいけない状況になっていると指摘します。
林氏「昔の顔の人が、新しい価値観の政策を、政権を担えるという裏打ちを示すチャンスだと思う」
今回の代表選で立候補が予想される3ないし4という数字は、野党第一党の党首を選ぶには、議論も深まる数字だと語ります。
林氏「きちんと議論して、政権党たり得るという希望を見せてくれるチャンス」
水内氏は、自民党の小林氏を推す動きのように、若手の積極性が見られないことに「怠慢のツケが見られる」と厳しい見方をします。
MC伊藤由佳莉「立憲は若手・中堅にもすごくしっかりした議員さんが多いイメージがありますが、上の人が強いから出にくい空気感なのでしょうか」
林氏「民主党が政権を取った時、意外と皆さん若かったんですよ。野田さんはまだ67歳でしょ。枝野さんはハリスと同い年の60歳。10数年前にいかに若かったか」
まだ若いままベテランになっているのが、立憲民主党の構造的な難しさで、新陳代謝や世代交代に対して逆バネに働くことは、立憲民主党にとっての不幸だと論じます。
そういった中、泉代表も出馬の準備を進めているという動きがあります。地方議員からの出馬要請の動きもありますが、泉体制の評価は?
水内氏「今回出られるかどうかの瀬戸際ということは、評価として厳しかったかなというところがあると思うんですよね」
泉代表下では、この春の補欠選挙で3連勝しましたが、その前は7連敗ということがありました。
水内氏「自分たちがこうなんだというメッセージがなかなか出にくかったし、内部の問題だけど、物事を決める時間もなければ、自分でこうだと出すこともなかったと聞きます」
また、今回は同じ時期に、自民党の総裁選があります。立憲民主党の代表選に影響は?
林氏「自民党の総裁選びのほうが、より立憲の代表候補の動きに影響を与えているのが、今なんです」
林氏は、小泉氏が本命視かもしれないという世論調査や自民党を見て、それに対抗するリーダーとして、総理大臣経験者の野田氏が伸びるような状況だと解説します。
MC伊藤「刷新感 対 安心感、ですね」
安全保障、憲法、日本共産党との連携をどうするかはしっかり議論してほしい、と主張する水内氏。
水内氏「枝野さんと野田さんは共産党への立ち位置が微妙に違うんじゃないかな。代表選でごちゃっとしないでちゃんと議論してほしいな」
自分の政権としてやりたいことを決め、そこに協力するしないは共産党の自由だと言う枝野氏。他方、野田氏は根源的に共産党と距離を置く方向です。支持者から見ると中間的な無党派層的な部分を取りに行きたい人が集まっていると分析します。
林氏「そういう意味でいうと、意外と混沌としている自民党の総裁候補たちに比べると、立ち位置がはっきりしつつある印象を受けます。枝野さんはリベラルに近く、野田さんは保守に近い。現職の泉さんがいる。この三角形の対抗にもうひとり加わるかどうか」
立憲民主党がどこへ行こうとしているかという議論はしやすいとコメントします。
MC伊藤「論戦が深まりそうな時、吉田氏のような1期生なり若手が立ち向かうには、どういう対抗の仕方が響きそうか」
水内氏「例えば、皆さんがずっと前ででしゃばっているから若い人は声を上げられなかったんですよとか、いつまで昔の感じで出ているんですか、とストレートに言っちゃうとか(笑)」
林氏「より、国民目線。短期的には総理大臣のリーダーを選ぶ選挙ではないので、野党第一党を率いて行く時、元気いっぱいに与党と対峙できることをアピールする意味では、吉田さんは面白いかもしれない」
とはいえ、総選挙の結果によっては総理大臣になるかもしれない立場。「最終的には、総理大臣って国を担って行くので若ければいいというわけではない」ということにも注意する必要があります。
立憲民主党も、1回目で過半数を獲得できなければ決選投票になります。決選投票の可能性は?
ゲストの両名は「難しいですよね」「ほんとわかんない」と首をひねりながら、慎重に語ります。
水内氏「敢えて言葉にするなら……特定の2人が議員の支持を多く集めている。その2人の戦いで勝ったほうが過半数を取る場合もあるし、バランスを取る場合もある」
林氏「個々のキャラが立っているから、わりとくっきり結果が出るのかな、という気もします」
最後に、ゲストの2人が政治を愛する理由をお聞きしました。
水内氏「壮絶な人間ドラマが観たくて何十年も政治記者をやっているんですよ
林氏「政局ばかりやると怒られますが、政策を作るのは人。人間ドラマが最終的にこの国の方向性を決めることもある。2つのバトルをウォッチしてほしい」
水内氏は、「総理大臣は厳しいことも求めなければならない。痛みがあっても、この人の言うことを聞こうというリーダーシップも問われる。党員でない人も衆院選を控え、論戦の経緯をみながら立候補者のリーダーシップをみてほしい」と締めくくりました。
キャラが立つけれど読みにくい立憲代表選の勝敗?現役政治記者がその理由を紹介します!
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いよいよ始まった立憲民主党代表選!衆議院議員の任期が残り1年を切ろうとする中で、新代表は次の衆院選で党を率いていくリーダーの役目も担っています。
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