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2024年8月11日に公開された動画のテーマは「立憲・代表選、注目を集めるには?」
ゲストに大串博志衆院議員をお迎えした3日目は、9月に行われる立憲民主党の代表選をどのように盛り上げていくか、お考えを伺いました。また、この春以降、複数の国政選挙で問題が浮き彫りとなってきた公職選挙法の課題についてもお話いただきました。
【このトピックのポイント】
大串氏は佐賀県生まれ。大蔵省(現財務省)を経て2005年に衆議院議員に初当選。民主党政権では復興大臣政務官・内閣総理大臣補佐官など、東日本大震災の実務面を担う要職を務められました。
財務省では予算関連の仕事に取り組まれていた大串氏。政治の道を目指したのは、国民の税金で成り立つ予算が、高級官僚の天下り組織とその向こうにいる族議員の力関係で流れていることに憤慨。「納税者の目線を失ったのは、自民党一党独走の政治で緊張感を失ったから」と感じ、二大政党制的に国民が選択肢を選べるよう、立憲民主党を選んだそうです。
復興関係で、金融関係を担当する政務官を担った大串氏。
とくに、ローン返済中の家屋を津波で失い、働く場所も奪われた中、ローン返済だけが残る「二重ローン」問題を中心に、被災された市民をどう支えるかに取り組み、現地に幾度となく足を運んだそうです。
「東日本大震災は未曾有の災害。今でも多くの皆さんが現地に帰れないでいる。国をあげて取り組んでいかなければいけない課題」と訴えます。
今回は以下の質問からいくつかピックアップして大串氏に回答していただきました。
国会で、公職選挙法の改正についての議論が始まっています。
大串氏は「規制を強化しても、選挙の自由を損なう懸念は低い」という考え。この春以降、選挙に関して次のような問題があったと切り出します。
大串氏は、これらの行動を「アテンションエコノミーの一形態」、つまり選挙を通じて関心を集め、自身のSNSなどへ誘導し閲覧者を増やし金儲けにつなげる動きだと指摘します。
大串氏自身も、東京15区の補欠選挙でつばさの党に選挙カーで追跡された経験を語ります。
大串博志氏「大音量で遊説が普通にできない状態が長い時間続いた。公選法に定められた『自由な選挙の妨害』に当たる。ここに関しては現行の法律で取り締まれます」
ポスターや政見放送に関しては、「選挙の自由、表現の自由があるので規制には一定の限度がある」としながらも、公職選挙法では「候補者がポスターを貼ることができる」と定義されていると紹介。
「選挙を戦う人が、ポスターを貼り、政見放送に出るという前提がある。選挙を戦うわけでない人が選挙に出て、注目を集められないようにする方向にする必要がある」とコメントします。
衆院補選や都知事選でのできごとは、法律で規制されていなかったために起きたことでもあります。なぜこういったことが起きたのでしょうか。
大串氏は「公職選挙法は1950年に制定されてから、根本的な改正をされてこなかった」と、時代に合わせて見直されてこなかったことを指摘し、現状、どのように規定されているかを説明します。
まず、ポスターには、内容の規制に関する文言はないと解説します。
政見放送には「少々内容への規制がある」と説明。これは、ラジオからテレビ時代が始まった時、「まさに今あるような、コマーシャル(商業)的な雰囲気が選挙に持ち込まれることを危惧し、改正された」とコメント。
大串氏「政見放送には、公序良俗に反する、商業を宣伝するものもNGという条文が追加された。結果、ポスターと政見放送は規制の色合いが異なる」
大串氏は、今回の選挙で「ポスターも媒体として、アテンションエコノミーの対象になってしまった」と指摘します。
大串氏「今、ポスターには大きさの規制しかない。それ以外にも、選挙の候補者なのか、真剣に選挙戦を戦う人なのか。内容に関しても、公序良俗や商業目的ではないか、というところは考えるべき」
MC伊藤由佳莉「今回の都知事選や衆院補選の事例は、極端な例と捉えられるという考え方もあるが……」
大串氏は「表現の自由、選挙の自由はあるので、バランスはとっても難しい」と語ります。しかし、公序良俗はあるし、商業主義のために選挙を使うのはおかしいと、見直しを提言します。
MC伊藤「立候補の権利は奪うわけではないが、『当選できないと思います』と言いながら、自身のSNSに誘導するのは違和感があります」
長年改正されてきていないので、現代の社会情勢に合っていないという声を紹介します。
大串氏「ビラの数も制限されてはいるんです。でも、動画の拡散は自由にできる。何をどれだけ規制するのが適正かという議論もやっていかなければならないと思うんですね」
また大串氏は、選挙活動のEメールは、あらかじめ了承を得たアドレスにしか送れないという規制にも触れ、「メールに似た機能を持つSNSでは発言が自由であるのに」と疑問を呈し、「技術進歩に合わせた議論が必要」と指摘しました。
立憲民主党でも、都知事選が終わってすぐ、党の政治改革本部で議論を始めているとのこと。公職選挙法の改正、注目です。
立憲民主党の代表選もまもなくです。(編集部注:収録後、9月7日に告示、23日に投開票に確定しました)
どういう代表選にすべきとお考えでしょうか。
大串氏自身は、代表選のあとに衆院選があると予想しています。
大串氏「自民党も同じ時期に総裁選がありますね。政権選択に向けた、両党のリーダーを決める時期。政権選択するのにふさわしいリーダーを選んでいけるようにしたい」
大串氏は、「私たちの党も、性別含めて多士済々。いろいろな人が出て、自由闊達な議論をしてほしい」と期待します。
選対委員長として煮詰めてほしい議論は?
大串氏は、「衆院選が近いということは、『政権を担う・担わない』という選挙になる」と定義します。
大串氏「自民党には裏金問題があり、そうでない政治を望む国民の声は強い。それを受け止められる、受け皿となる党でありうるかが重要。そのリーダーとして誰がふさわしいかの争い。立候補者には、アピールしながら訴えてもらいたい」
代表選ではさまざまなトピックが論点になると予想されます。
大串氏は、「今でいうと物価対策がきわめて重要」とコメントします。
大串氏「岸田政権では、実質賃金が27か月ぶりにプラスになったが一時的にすぎないと見られている。そして株価も不安定。生活が厳しい中でのエネルギー対策のちぐはぐ感など、国民を見ていないのは自民党の体質」
代表選は政権選択につながるものではありますが、一方で代表を選ぶ選挙権は党員に限られてしまいます。その中で、広く国民に関心を集めるには?
大串氏「代表選の選挙管理委員会が立ち上がった。多くの皆さんに投票してもらうためにはオープンな場でやったほうがいい」
大串氏は、「インターネットも重要なメディア」と期待します。
大串氏「どんどん出て代表選を宣伝し、厳しい意見を受けるところにも敢えて出て行って、指摘を受けながらも論を尽くす」
大串氏は「答えにくい質問にも答えるのが私たちの責任ですから」と笑顔で締めくくっていただきました
「政権交代に絡む代表選」立憲・大串選対委員長が期待する、代表選挙とは?
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いよいよ始まった立憲民主党代表選!衆議院議員の任期が残り1年を切ろうとする中で、新代表は次の衆院選で党を率いていくリーダーの役目も担っています。
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