9月12日告示・27日投票が予定されている自由民主党の総裁選に、河野太郎(こうの・たろう)衆院議員が8月26日に立候補を表明しました。このコラムでは、河野氏のプロフィールや政策をまとめました。
河野氏は1963年1月10日生まれ、神奈川県出身の61歳。神奈川15区選出の衆院議員です。
米国・ジョージタウン大学卒業後、富士ゼロックス株式会社、日本端子株式会社などでの民間企業勤務を経て、1996年衆議院議員選挙で初当選を果たします。
現在、デジタル相やデジタル田園都市国家構想担当などを務めており、これまで外務相や防衛相などの閣僚を務めました。
自民党総裁選には2009年、2021年に続いて三度目の挑戦となります。
河野氏は同日に公開した自身の総裁選特設サイトで、以下の通りの政策を掲げています。
日本を前に進めるための5本柱
党改革・政治改革
- 失われた国民の信頼を取り戻すべく強い覚悟で党改革に臨む。まずは、今回の不記載額の返納を求める。政党・政治家に、民間企業並みのガバナンスとコンプライアンスを徹底し、調査権限を付与した第三者機関設置も含めた透明化を実現する。
憲法改正
- 自民党内での議論で示される党としての考え方に基づき、国会の議論を加速し、速やかな発議を目指す。
外交・安保
- 日本の総裁選挙で、世界のかたちを議論しなければならなくなった。共通の価値観を持つ国々との連携を深め、世界の平和と安定を維持していくために、日本として果たすべき役割を果たし、応分の責任を担っていく。
また、台湾有事等想定しうる有事に備える自衛隊の防衛力整備、人的投資の強化、能動的サイバー防御の法制化を行う。
さらに、世界の気候変動や、地域間紛争における我が国の地政学的リスクを考え「食料安全保障」を確立する。経済・地域活性化
- 暮らしを豊かにし、孤独、孤立問題を解決し、生活のなかの将来不安を払拭する。誰でも何度でも挑戦できる「人」が主役、民間主導の経済成長を実現する。そのために、あらゆる阻害要因を取り除く。「平時の改革、有事の財政」を原則に経済財政運営を行う。
地方の人口減少に正面から向き合い、「学び続け、働き続け、住み続けられる」地域の再生を集中的に行う。
デジタル- 子育てサービスのオンライン手続きの一元化や、高齢者見守りサービスなど、「誰ひとり取り残されない人に優しいデジタル化」を実現する。
AIやデータセンターなどデジタルを成長産業とすべく全国各地のチャレンジを後押しする。
防災・危機管理- 司令塔機能の強化やデジタルの活用により、日本の最大リスクである南海トラフ・首都直下地震やリスクが増している風水害への対処能力を向上する。
有事や危機にしっかり対応できる資源を確保する。
8月26日に立候補表明会見を開いた河野氏は、「国民と向き合う心。世界と渡り合う力。有事の今こそ、河野太郎」と掲げた青いパネルをバックに覚悟を語りました(一部抜粋)。
- 皆さんのご支援をいただいてこの国を前に進めてまいりたい
- 今までの自由民主党の総裁選挙は日本という国のカタチを議論すればいい総裁選挙だったんだと思う。しかし、今回初めて自由民主党の総裁選挙で世界のカタチを議論しなければならない。そういう総裁選挙になったと思っております。
- G7やヨーロッパ、韓国やオーストラリアといった自由と民主主義という共通の価値観をもつ国々と一緒になってこれからの世界のカタチ、どうあるべきかを議論しなければならない。そして、その中で、日本は日本の果たすべき責任は何なのか、果たすべき役割は何なのか、明確に主張すると同時に行動にうつしてかないとならない
- 改革というのは簡単。しかし大事なのは傷だらけになりながらも改革をとことん進めていく強い意志があるのか、やるべき改革をやった実績があるのか問われるんだと思います。私はこれまで、例えば押印の廃止、コロナワクチン、ライドシェア、あるいはマイナンバーカード、霞が関で言えば残業代の支給、いろんな批判はありましたがやってまいりました。
- 日本のために、日本の将来のために今やらなければいけない改革をしっかり進め、本来日本の強みであった分厚い日本の中間層をもう一度つくっていく
- 経済はしっかり発展させなければいけませんが、財政も強い財政を作っていかなければなりません。財政の犠牲の上に経済を作る。そんな経済の成長は持続可能なもののはずがありません。経済を言い訳にせず、財政規律を取り戻し、コロナの前にはリーマン、アジア通貨危機がありました。10年に一度の有事には、政府がしっかりと前に出て国民の皆様の生活を支える。しかし、平時にはそのための財政余力をしっかりともっていなければなりません
- 政治に対する信頼の回復も急務であります。(中略)私はけじめをつけて前へ進もうということを常々申し上げてきました。この不記載になってしまった金額を返還することでけじめとして前へ進んでいきたい。
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