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2024年11月26日に公開された動画のテーマは、どうなる?年収の壁の攻防そして 政治資金規正法再改正は?です。
ゲストに産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏と朝日新聞・前政治部長の林尚行氏をお招きし、年内決着が目指されている年収の壁問題と政治資金規正法の改正の議論の与野党攻防について、解説してもらいました。
与野党の攻防は二段階?!年内と年明けで異なる攻防の詳細とは?!
【このトピックのポイント】
この動画を収録した2024年11月25日時点では、年収の壁について、各政党間で活発に議論がされています。
MC伊藤由佳莉「103万円の壁について、与野党の攻め、守りなどの攻防はいかがですか?」
水内氏は「自民、公明、国民民主の3党で、103万円の壁の引き上げを決めた。ただ、いくらにするかを税制改正の議論の中で決めようとしていて、この攻防がいよいよ始まってるところ」と言及しました。
水内氏「国民民主党は、(与党が)過半数割れで、自分たちがいなければ何もできないという武器を手に入れたので、強気の姿勢で来るだろう」
一方で、地方税収が減少するという指摘や、富裕層への適用を制限する案も出ています。また、防衛増税の時期や、児童手当の支給に伴い扶養控除を縮小する議論も進行中です。
水内氏「こういうパッケージも含めながら議論をする必要が与党の中にはあり、これを全部認めると相当巨大な財源がいります。国民民主党の方は、財源は与党が考えることだって言ってるんですけれど。それも上手くいってないっていう現状があると思います」
MC伊藤「税制改正大綱を年末までに取りまとめるという、議論のお尻も決まっています。このあたりの議論はどのような状況なのでしょうか?」
林氏は、与野党の攻防には、2段階あり、段階によって野党のプレイヤーが違うと解説します。
年内の税制改正大綱の取りまとめをするプレイヤーは、国民民主党です。
来年の予算審議になると、メインプレイヤーは立憲民主党に代わります。
一方で、攻防には2段階あり「最初は自公国の政党間協議の攻防、次は国会での与野党の攻防になる」と林氏。
毎年、12月中旬にまとめられる税制改正大綱は、所得税だけの話ではなく、様々な税目をパッケージにして翌年の通常国会に提出されるものです。
今までは、与党の自民党、公明党だけで決めても、与党が過半数を持っているため、翌年の予算審議は通りました。しかし、今回は国民民主党や野党が入ってくるため、「簡単には決着しないと思う」と林氏は推察しました。
林氏「まだ議論は日が高い(まだお日様が高い状態で、全然沈んで決着してない状態)」
国民民主党は、103万円の壁を178万円に引き上げることを要望し、与党と引き上げ幅を協議しています。最終的にどのように決着するのでしょうか?
林氏が「178万円にはならないだろうと思っている人が、永田町には多い状況になっている」とコメントすると、水内氏も大きく頷きます。
続けて林氏は「この年末にまとめられる税制改正大綱では一定のところで線引きが行われるかもしれない。最終的な決着の178万に向かってのせめぎ合いは、年を越すかもしれない状況で、ちょっと見通せない」と解説しました。
水内氏は、世の中には手取りを増やしてほしいという意見にプラスして、財務省悪玉論があると語ります。「自民党としては、これまでと同じように『税収に穴が開く』というだけで押していくと、過半数ないわけですから、煮詰まる部分はある」とコメントしました。
MC伊藤「先ほど、林さんが2段階で攻防があるとおっしゃっていましたが、1番スムーズに通る条件やすんなり通るシナリオはあるのでしょうか?」
林氏は「現実的にはならないとは思うんですけど」と前置きをして、「178万円の案を丸のみした瞬間に妥結する」とコメント。
年収の壁を引き上げることは、恒久的な減税の議論ともいえます。
自民党の中にも「本当に引き上げていいの?」という意見があり、国民や地方自治体にどう説明するのかも含めて「なかなかそう簡単じゃないかな」と林氏は解説しました。
MC伊藤「この着地がどこに行くか、注目していきましょう」
政治政治資金規正法の再改正の協議が11月26日から始まります。
与野党で、政策活動費の廃止などは一致していますが、企業団体献金の存廃については、与野党で意見が分かれています。
MC伊藤「この協議でも、国民民主党が鍵を握っているのでしょうか?」
林氏「一番、融通を利かせられる立ち位置にいるのは、国民民主党であることは間違いない。これに関して言えば、すごく政局(参院選挙)とリンクしてる」
水内氏は「妥結できる部分で再改正した後に、残りの対応については きちんと協議を続けるという形で年越すという可能性は十分にある」と解説しました。
MC伊藤「野党にとっては、対立構造を参院選まで持っていた方が、実は選挙に有利という見方もできそうです」
水内氏は「来年の参議院選挙で勝つためには、野党共闘が必要であり、野党共闘をするためには何か接着剤になるものが必要」だとの考えを示します。
この接着剤の働きをするのは「政治とカネ」なので、政治資金規正法の改正を含めて「政治とカネ」の問題が終わると接着剤がなくなることも想定されます。
水内氏「もう年を越えて、基本的に自公との違いというのを演出して、野党共闘していくという枠組みを作るためには、これは終わらせちゃいけないんだと思っていると思います」
MC伊藤「自民党は、選挙で逆風を浴びた痛手から、なるべく早く改正をしたという動きはあるのでしょうか?」
石破総理は記者会見で政治資金規正法の再改正について「年内」を強調していました。
意見が一致しない企業団体献金を結論から抜いて、一致している部分だけをまとめて「成果物としては、臨時国会の年内のうちにやりたいと思うのは、本音だろう」と水内氏は推察しました。
水内氏は「過半数を割っているというのが、いろんな意味で複雑に絡んでくる」とコメント。103万の話も、政治資金規制法の話も、 一筋縄では行かなくて、複雑な連立方程式を解いていくようなことばかりで、我々もシナリオがよくわからないと苦笑していました。
水内氏「日本の政治はこれでいいのでしょうか?」
林氏「衆議院選挙で与野党が伯仲し、かつ与党を少数派にしたのが、国民の民意だと考えれば、そこは有権者も政党のこの国会議員たちも一緒になって新しい形を作っていくということ」
水内氏「そうですよね。そういう意味では、俺はすごくワクワクしてるんですけどね」
「やっている人もわからない?!」年収の壁、政治資金規正法の改正の行方は?!
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