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2024年10月1日に公開された動画でのテーマは「いま振り返る岸田政権の功罪」です。
ゲストに産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏と朝日新聞・前政治部長の林尚行氏をお招きし、岸田政権の3年間の光と影について解説してもらいました。
岸田政権を取材してきた政治記者が、自民党の内情や当時の岸田総理の発言を暴露?!
【このトピックのポイント】
今回は、3年間の岸田政権の功罪を振り返っていきたいと思います。
MC伊藤由佳莉「お2人は岸田政権をどのように見てますか?」
一時期、岸田文雄氏の番記者をやっていた水内氏は「ここで終わるのはちょっと悲しい」とコメント。
産経新聞の読者は岸田氏が嫌いな人も多くいるため、この発言に「何もわかってないじゃないか水内!と言われる」と苦笑します。
しかし、防衛費の抜本的強化や原発推進など「右寄りな人達のためになるようなことも結構やった」と水内氏。児童手当や育児休業の拡充など「票にならないことでも、リスクを抱えながらもやってきた」と解説しました。
一方、罪に関する部分として「自分1人でやりすぎた」と水内氏。
岸田氏は水内氏に「自分が説明すれば、世の中の人はみんなわかってくれるだろう」と話したこともあるそうです。
その話を聞いて水内氏は、「それは確かに一面としてはある」と言いつつも、総理大臣とはいえ全てがわかるわけではないので、任せる人が必要だったのではないかと、分析しました。
本来であれば、官房長官がやるような事柄も「電話で自分で調整したりしちゃう」こともあった岸田氏。
水内氏「周りも、もうちょっと助けてあげれば良かったのになという気持ちですよね……」
一方、林氏は岸田政権下での外交について「なかなか進まないことを進めた」と特に評価します。
東アジアの安全保障環境が厳しくなるなかで、日韓の関係を構築しました。
また、G7広島サミットでは、核保有国のリーダーが原爆死没者慰霊碑への献花や平和記念資料館を視察する機会を作り、ウクライナのゼレンスキー大統領との会談も実施。
林氏「外交の舞台をきちんとアレンジできたという意味で、一国の総理大臣としては非常に重要であり、非常に良かった」
林氏は、岸田氏の罪の部分について「国民とのコミュニケーションはダメだったし、党内のコミュニケーションもダメだった」とコメント。
特に、統一教会との関係や、裏金問題の真相究明について「いまだに国民は覚えていますし、モヤモヤしている。自民党がコケるかもしれない要素を残してしまった、先送りしたところは罪だ」と林氏。
選挙では、無党派層も含めた有権者全員から審判を受けます。
林氏「岸田さんが辞めたから、この問題は終わりですよと見てくれるとかいうと、そんなに甘くないんじゃないかな」
MC伊藤「そこは岸田政権の3年間の中で、もう少し追及できた部分があったのではないか、という見方もできるということですね」
MC伊藤「経済・財政のお話も伺えればと思います」
水内氏は、岸田政権2年目ぐらいの時に岸田氏と直接お会いした際、「株価4万円と賃上げ5%は、必ず自分の時にやるし、もう目の前にきている」と話し「1番やりたいことは経済」とハッキリと話していたエピソードを披露しました。
岸田政権は、日銀総裁の交代や金融緩和策の変更なども行い「道半ばで辞めるのは、岸田さんも忸怩たる思いがあるんじゃないかな」と水内氏は推察しました。
林氏は、岸田政権の賃上げは良かったが、物価上昇をコントロール出来なかったと指摘し、「とにかく物価上昇に飲み込まれて、生活が厳しくなったというのが、多くの人の実感です」とコメントしました。
一方、金融に関しては、日銀総裁の人事も含め、アベノミクスの大規模緩和をどう軟着陸させるかに着手した点について「アベノミクスをどういう風に卒業していくかに相当腐心したところは評価したい」と言及。この部分は「今後の政権の重要な課題の1つだ」と林氏は語りました。
また、2024年6月には「定額減税」が実施されました。
水内氏が制度設計を作ったスタッフから聞いた話によると「結論があってその結論に導くための理屈を考えろ」という指示だったと言います。「今から振り返ると、正直に言うと意味がなかったな」と水内氏。
林氏は「岸田さんは、意外とキャッチフレーズ政治」と苦笑します。
岸田氏が「新しい資本主義」や「異次元の少子化対策」などとテーマを掲げたあとに、各省庁が中身を作っていくため、全体としてのバランスに欠け、予算が巨大になる部分があったと分析しました。
水内氏「これで、岸田さんが終わるかと言うと、そうでもないような気もするんですよ」
今回、自民党総裁選が終わり、現総裁として挨拶をする際の岸田氏が「感慨もひとしお。やったぜ!」という表情を見せ、自分が勝ったかのようだったと振り返ります。
石破内閣では旧岸田派の林芳正氏が官房長官に留任し、小野寺五典氏が政調会長に就任。
水内氏は「岸田さんにお伺いを立てたりとか、存在感がこれからも続いていくことは間違いない」と分析しました。
水内氏「万が一、石破さんが1年でコケたりした時は、岸田さんがもう1回リベンジで出てくることをするんではないかと思うんですが、林さんはいかがでしょうか?」
この点について、林氏は「岸田さんは、本当はやっちゃいけないことをやった。派閥を解消したのに、最後に一番派閥の動きをして、石破総裁を誕生させた」と批判します。
岸田氏は「近視眼的な権力闘争には勝った」と言えますが、長い目で見ると「岸田さんは嘘つきなんだよね」と言われるリスクを背負ったと指摘。
今後も、岸田さんが号令するとみんなが動く姿は「派閥政治そのもの」であり、「今回の総裁選の最終局面は明らかに自民党は先祖がえりをしていた」と林氏。
続けて林氏は、「麻生さんは派閥解消をしていないと言っているから、清々しい」と苦笑。
一方、無派閥と言いつつ菅氏は菅グループを動かし、派閥解消と言った岸田氏が同じように旧派閥のメンバーを動かす姿は「結局それを国民がどう見るか、今後の自民党をどういう評価をしていくのかというところに、岸田さんはものすごく責任がある」と語りました。
派閥政治の復活?!自民党総裁選の最終局面を政治記者が徹底解説!
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