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「岸田君はもう解散できない」「派閥は復活しつつある」現役政治記者が語る自民党内の政局事情は?ドットコムちゃんねるまとめ

2024/6/7

選挙ドットコム編集部

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2024年6月1日に公開された動画のテーマは「岸田総理の今後 退陣?解散?」

今国会の会期中の衆院解散はほぼなくなったと予想する朝日新聞・今野忍記者と産経新聞・水内茂幸記者。岸田総理は解散総選挙や秋の自民党総裁選に向け、どのような判断をするのか。総裁選に立候補がささやかれる人々など、党内の政局も紹介します。

【このトピックのポイント】

  • 会期中の衆院解散の見込みはなし。総裁選後の公算大?
  • 総裁選の立候補、本命は石破氏。岸田総理はどうなる?
  • 次の選挙の顔となる候補者には、女性や若手のホープも?

自民党「連戦連敗」の中、今国会会期中の衆院解散の可能性は?

4月に行われた3補選では、自民党は不戦敗を含めて全敗。さらに、5月26日に投開票が行われた静岡県知事選東京都議会議員補欠選(目黒区)でも自民党が推薦・公認した候補が敗北する、厳しい結果となりました。

今野忍氏「追加しなきゃならないのは、静岡県知事選と同じ日の広島県府中町長選。岸田総理の地元で、長男(翔太郎氏・元総理秘書官)が現地入りして、岸田さんを連呼して惨敗した。岸田総理界隈で衝撃を受けていて。負けたのか、みたいな。一番の衝撃」

こうなると、衆議院を6月に解散するという説は……水内氏は、岸田総理は、9月の総裁選までに解散したい気持ちがあると心中を推し量ります。

水内茂幸氏「今、皇室の話を始めてますよね。憲法ももうちょっと、スピードを速めたい。憲法審査会で、少しでも条文みたいなものを作って提示する。総裁任期中に憲法改正を公約していたから。6月23日が会期末ですけれど、会期延長して成果を出して、信を問うシナリオもあったと思う」

しかしながら、今国会を見ていると、会期延長の空気になっていないと水内氏は指摘します。今野氏も、「解散なんかされたら岸田さん許さない。自分は落ちると思っている人がたくさんいる」との聞き込みを暴露。

今野氏「今日、慣れないネクタイを締めて、とある自民党の重鎮に会いに行ったけど、岸田君にはもう解散できないだろうとおっしゃってましたね」

とはいえ、日本の憲法上、総理の専権事項として解散の権限があります。

今野氏「前に水内さんも言ってたけど、反対する閣僚を罷免してもできる。小泉純一郎さんも(郵政解散の時)ひとりかふたり、罷免してますもんね」

水内氏「(今回、)党四役のひとりは、そんなことになったらサインなんて大半の閣僚はしないよって俺に言ったことがありましたよ。ただ、形式上はね、全部首を切って、自分でやろうと思えばできるわけですけれどね」

MC伊藤由佳莉「7月、8月説もありましたが、近々では厳しいと……」

ゲストの両名は、今の状況がよほど変わるようなことが起こらなければ難しいだろうと予測します。

今野氏「このまま会期を延長しないで、政治改革の法案を公明党の賛成を取り付けて通して、6月23日に閉めたら、一気に自民党総裁選モードに流れるんじゃないかな。公明党が希望している総裁選後の秋に、表紙を変えて選挙」

総裁選は誰が出馬する?女性や若手の名前も登場

9月の総裁選では、岸田総理が総裁選に再選出馬するのでしょうか。ほかの候補者は。

水内氏:「逆張りのところから言うと、じゃあ、岸田さんでなくて誰なのかっていうと、これもまた帯に長したすきに短し……」

国民の意識調査でトップに上がったのは石破茂・元幹事長です。石破さんの反応は。

今野氏:「石破さんなんてブルペンでボール投げすぎて」

水内氏:「肩が外れるんじゃないかってぐらい」

出馬を問われると、「奥歯にものが挟まった言い方でやる気満々」と言う石破氏。5度目の挑戦はいよいよ実るのかといったところですが、石破氏の番記者経験のある水内氏は、首を傾げます。

水内氏「石破さんがゴールにたどり着く絵が、どうしてもイメージがつかないんですよね……」

MC伊藤「石破総理の絵が見えないという……」

不記載問題で国民の怒りが集まっている今、ある意味で自民党らしくない石破氏。自民支持層に絞ってもトップです。ゲストの両名は、「党内でも今の政権からいい意味で遠くにいて、判官贔屓もあることから国民からは人気が集まっているのだろう」と読み解きます。

しかし、これまでの4度の総裁選でも明らかになっているのは、石破氏が議員票を獲得できないウィークポイントです。

水内氏「石破さんが頭を下げて、ひとりひとり束ねていかなければいけない時だと思うんですけど。ちょっと殿様商売的なところがある。そこを乗り越えると大きなチャンスが来ると思うんですけど、なかなかずーっとの課題だと思うんですよね」

今回、石破氏にとって追い風なのは、派閥の解体と決選投票に地方票が加わったことです。

2012年の総裁選で5人で争った石破氏は、地方票で圧倒的に獲得できたにもかかわらず、決選投票で国会議員票が取れず、安倍氏に敗れました。なお、当時は決選投票に投票できるのは議員票だけでした。

今野氏「(地方票が決選投票でカウントできるルールになった今では、)石破さんが出たら総裁選に通る。ただ、僕ら長く永田町にいる記者は、石破さんが総理になるイメージがつかない。まだ、もう一波乱ある」

水内氏「もっと言うと、取った後、政権運営するために人を動かす教育してもらわなきゃならないんですよね」

今回、派閥解散後初めての総裁選になりますが、実質的には派閥と同じような動きになるんでしょうか。

今野氏「基本的になんで派閥がなくならなかったかというと、総裁選の度に復活してるんですよ」

水内氏「岸田さんが出るとなったら旧宏池会の人々は集まって出るだろうし、二階派だって集まっている。もとトップにいた人や力のある人が声を上げれば動くような構図にはなるんじゃないかな」

現在、自民党の議員は衆参合わせると373人。この人数がひとつにまとまれるわけがない、と今野氏は指摘します。

先日、『一片冰心 谷垣禎一回顧録』を出版した水内氏は、谷垣氏が派閥がなくなることで党内のガバナンスは本当に大丈夫なのか、と懸念していたと語ります。

水内氏「それに関連していうと、岸田さんが一気に宏池会を解散し、雪崩を打つように派閥が解散になった。党内にそこはかとない恨みがあるのではないか」

今野氏は、岸田総理が総裁選に出られない可能性を指摘します。

現職の総理総裁が負けたのは福田赳夫氏のたった1回。福田氏(のちの安倍派)が総裁選の予備選で敗れ、「天の声にも変な声がたまにはある」の言葉で有名になった、大平正芳内閣誕生時の時です。

この時福田氏が敗れたのは、当時ロッキード事件で自民党を離党していた田中角栄氏率いる田中派(のちの平成研・茂木派)が大平派(のちの宏池会・岸田派)に協力したとされるからです。

ただ、実際には勝敗を決する前に、現職の総裁が出馬できなくなるケースがあります。

今野氏「(出馬できなくなる)菅さん、谷垣さんのパターンはじゅうぶんあり得る」

次の自民党総裁は「選挙の顔」どんな人を選ぶ?

MC伊藤「そうなるとどなたが?」

岸田氏の後任と目されるのは、岸田派のナンバー2である林芳正官房長官と、上川陽子外務大臣です。

水内氏は、人材マネジメントを含めた政権運営の能力に着目します。

水内氏「宏池会として推すのは林さんのような気がしますけどね。ふたりとも政策通だと思うけれど、政権運営に人を動かすには。上川さんは頭はいいし、政策もいいっていうキャリアもあるけれど、どろっとした部分にはもう少しキャリアがいるのかなという評価もある」

一方、今野氏は別の観点を提示します。

今野氏「水内さんの言うところもわかるけど、難しいのはね、バロメーターになるのは1年以内にある選挙の顔、表紙」

衆議院の選挙は1年以内、現在過半数の議席を確保している参議院の選挙も来年の夏に迫っています。

今野氏「誰が表紙だったら選挙に勝てるかになるから。マネジメント能力とか関係なくなると思う。女性初の総理総裁か、単純に国民人気で石破さんを擁するのか。人気投票に近い総裁選になりかねない」

水内氏は「若い人を担ごうという動きもある」という観点も示し、今野氏も「自民党の得意な疑似政権交代だね」と呼応します。

水内氏が候補に上げたのは、小林鷹之衆議院議員(内閣府特命担当大臣・経済安全保障)。

水内氏「まだ40代だけど、政策通で保守論もしっかりしている。すらっと背が高くて甘いマスク。G7に出ても見栄えがいいだろう」

今野氏「将来の総理候補って言われるよね」

齋藤健衆議院議員(経済産業大臣)にも、総裁選候補の多様化を期待する閣僚経験者から総裁選への出馬要請があったと示しました。

今野氏「岸田さんが仮に出るとしたら、乱立させるしかない」

水内氏「岸田さんが出るならいろんな人が出て、票が減る中で結局ぽこっとちょっと出る感じで勝つと思う」

MC伊藤「で議員票で競り勝つと」

今野氏「乱立する中で、齋藤健さんとかコバホークさん(小林鷹之衆院議員)が出てきたら刷新感。石破さんだって還暦を過ぎてるからね。そうなってくると俄然、一気に若い人に人気が集まるようなことも、なくはない……」

水内氏「静かな夏になるのか、熱い夏になるのか。我々もいつ夏休みを取ったらいいのかみたいな、ね」

総裁選の行方に加え、政治記者コンビの夏休みの行方にもご注目ください!

動画本編はこちら!

6月解散はほぼないと予想する現役政治記者の二人。9月の自民党総裁選はどうなる?

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