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2024年10月3日に公開された動画でのテーマは「間近に迫る衆院選どうなる?」です。
ゲストに産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏と朝日新聞・前政治部長の林尚行氏をお招きし、次期衆院選の構図や見どころについて解説してもらいました。
「私、これすごく怖い?!」最近、動きが見えなくなったキーパーソンとは?!
【このトピックのポイント】
自由民主党、立憲民主党、公明党の新代表が決定。
総選挙の日程は、10月15日公示、27日投開票で検討していると言われています。
(編集部注:9月30日に石破茂新総裁は、次期衆院選の日程を10月27日投開票にすると表明しました)
MC伊藤「選挙日程や各党の動きはいかがでしょうか」
当初は、11月10日投開票の案が出ていました。
水内氏は「選挙を早くやりたい」という幹事長の森山裕氏の意向が働いたとコメント。
林氏は「総裁選で、石破さんは小泉さんのグループから大きく票ももらって決選投票を勝ち抜いた」と言及。小泉氏は総裁選で、早期の衆議院解散を訴えていました。
林氏は「いただいた票のお返しという意味で、最短コースで選挙をやるということ」と分析しました。
林氏「でもね、少なくとも石破さん自身はずっと予算委員会をやりたいと思っている。多分今でも思っている。討論はしたい!好きだから。その落としどころがクエスチョンタイム、党首討論をやりますというところだと思います」
早期解散は、自公に有利で、野党勢力にとっては不利となるのでしょうか?
水内氏は、選挙日程が早ければ早いほど「選挙区の調整や色んなことが道半ば」になります。また、立憲は候補者を200人擁立と言っていましたが「かなりの突貫工事」になると予想。そのため「物理的に与党が有利になるという面はある」と分析しました。
林氏は「有利か不利かと言ったら、自公に有利」だが、選挙日程が早くなったから自公が勝つという単純なものではないとコメント。
続けて、林氏は、早期解散のリスクを指摘しました。
1つ目は、支持率を見極める前に解散を決めたこと。毎日新聞の世論調査で「期待するが52%」で、支持率としては「意外と低い」と言及しました。
2つ目は、裏金問題と統一教会の関係について、無党派層がどう考えているか分析する時間もなく解散したことです。この問題についての国民のハレーションや立憲民主党の野田佳彦氏や小沢一郎氏が今後どのように追求してくるのかがわからないので、「政権交代ありませんと単純に言うのはまだ早いかな」と語りました。
水内氏「確かに、そこはちょっとまだ見極めは厳しいですよね」
MC伊藤「連立与党を組んでいる公明党にとってはいかがでしょうか」
水内氏「公明党にとってスケジュールは、1番いいと思います。全部自分たちの思い通りになったという感じ」
特に、次期衆院選で比例から小選挙区で戦う公明党の石井啓一代表は「地元の情勢はそんなに悪くない」と林氏。「最初の方は非常に苦労したという話があるんですけど、だんだん浸透してきて、石井さんが勝つことが見えたから、山口(那津男)さんから石井さんにバトンタッチした」と言及しました。
石破氏は幹事長だった頃、石井氏と幹事長同士のやり取りも行っていて関係は悪くありません。
林氏は「石破さんの今回の党員票の取り方と国民世論の石破人気に対して、公明党は期待している」と分析しました。
MC伊藤「立憲民主党も、新体制をスタートしました。野田代表が『自民党支持層の中でもそこから離れそうな人たちを取り込んでいきたい』と話していました。その辺りはいかがでしょうか」
水内氏「中道的な無党派層と中道よりちょっと右ぐらいの無党派層まで取り込まないと、なかなか政権にたどり着けないというのが野田さんの考えだと思う」
林氏も「今回の衆議院選挙は、ある意味、興味深い選挙になる」と同意します。
自民党と立憲民主党の「両方が真ん中を取りに行く」戦いになり、「戦略と公約をちゃんと立てられるかの勝負」だと分析しました。
水内氏「解散直前の党首討論なんて、2人はどういう話をするんだろうね」
立憲民主党と日本共産党や日本維新の会などとの野党共闘は、今後どのような構図になっていくのでしょうか。
林氏「野田さんの本人の保守色と中道色に加えて、キーパーソンは小沢一郎さんだと思います」
みんなの目が自民党に向いている時の「小沢さんは実はすごく怖い。何か色々と考え始めて、もしかしたら動き始めているかもしれない」と林氏は推察します。
総選挙の日程が決まり、各選挙区の候補者を決定する局面で「こんなところに種を蒔いていたのか!」と思うか「もう種を蒔くことができないくらい、小沢さんは神話になっていたのか」ということが見えてくると林氏はコメント。
水内氏も「小沢さんは選対の仕事をするという噂があり、幹事長の小川淳也さんと小沢さんは、ツーカー」と言及します。
選挙の実務を小沢氏に全部任せれば、野田氏は国会の党首討論に注力できるため「これはなかなか侮れない」と語りました。
共産党との関係において、野田氏は共産党と距離を置くタイプですが「小沢さんはどちらかというと権力を取るためには、どんな手段も使う」と水内氏。
林氏は、共産党が次々と小選挙区での擁立を加速している点に言及し「立憲民主党へのメッセージなのか、本当の宣戦布告なのかは、小沢さんが今何をやっているのかと、すごくリンクしそう」と語りました。
一方、維新は兵庫県知事の問題や大阪万博の問題を発端にして、支持率が落ちています。
林氏「全国政党という局面があったところから、急速に失速して、とにかく発祥の地の大阪を守らなきゃいけないという状況」と解説しました。
MC伊藤「共産党と維新は考え方の違いから一緒に組めないと言われていますが、立憲は仲介できるのでしょうか」
この問いに水内氏は「仲介は難しい」とし「維新の立場からも、共産党の立場からもあり得ない」と答えました。
しかし、政権の枠組みは別にして「選挙区で野党の候補が1人しかいない状況」を作り出すことは、小沢氏ならできる可能性があると林氏はコメント。
林氏「とにかく目標は1つ『自公の過半数割れ』なんで、そこに向けてどういう体制を作るかを、野党第1党がリードできるか」
最後に林氏は、今回の衆院選は、その後の立憲と自民がどうなっていくのかに関わる非常に重要な選挙になると語りました。
林氏「与野党の政権どうなる?自民党の中の主導権はどうなる?立憲民主党はどうなる?野党再編できるの?できないの?そういうものが、全て問われるのが、実はこの衆議院解散総選挙」
間近に迫った衆院選の各党の動きに注目していきましょう!
「麻生さんは本当に負けたのか?」意外とサバサバしている自民党の反主流派の動きにも注目!
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