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在日米軍基地で働く人や漁業で働く人に関する法律案について

2023/2/6

最近、国会で提出される法律案や人事案件について調べることを始めました。

関連記事:我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案について

 

NHK党浜田聡参議院議員の上の動画によりますと、今回で提出される閣法は60本もあるそうです。

昨日と今日、その中の1つ、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について調べて見ました。まだ、参議院のホームページには、法律案の名前以上の情報は掲載されていませんでした。

賛否

色々と調べて見た結果、私個人の意見としては、この法律案に賛成です。

「この法改正が必要」「成立することが慣習化しているこの法案に積極的に反対する意見を持ち合わせていない」というのが賛成の理由です。

内容

「在日米軍基地で働いたり、漁業で働くことは、国家間の取り決めによって働けなくなる場合があり、不安定だから、離職した場合の対処をしましょう」という内容だと理解しました。

国の方針によって職を失うリスクを負っているのは、なにもこの2つの仕事だけではないだろう、とは思います。ただ、日本政府だけが決めようとしている場合は、政治活動や反対運動がマスコミに取り上げられて世論が動いて、方針が変更になることはあるように思います。

でも、相手国がある場合は、日本政府の都合だけで決めることは出来ません。例えば、「余力がなくなってきたから撤退します」と米軍に言われた場合、日本がいくら反対しても状況を変えるのは国内問題と比較して難しいのだろう、と想像します。

だから、そういう仕事についている人たちのケアは手厚くしましょう、というのは理解できます。

以下、在日米軍基地で働く人に焦点を当てて調べた結果をご紹介します。

在日米軍基地で働く人たち安定的な雇用の重要性については、次のように国会で説明されています。

市川恵一政府参考人 

在日米軍従業員の安定的な雇用の維持を図るということが非常に大事だと思っておりまして、それをもってして初めて在日米軍の効果的な活動を確保できるというふうに政府としては思ってございます。

第204回国会 衆議院 外務委員会 第4号 令和3年3月19日

在日米軍基地で働く人たちの雇用を安定させる方策としては次のように準備されているそうです。

青木健至政府参考人 
 また、一般論としてでございますけれども、在日米軍従業員の雇用に影響が生じる場合には、まず他の施設への配置転換等により雇用の継続を図るということとしています。その上で、やむを得ず離職を余儀なくされるような場合には、駐留軍関係離職者等臨時措置法に基づき、関係省庁と緊密に連携をしつつ、各種の援護措置を実施するということにしているところでございます。
第204回国会 衆議院 外務委員会 第4号 令和3年3月19日

まずは、配置転換を試みて、離職となった場合は、駐留軍関係離職者等臨時措置法が適応されるようです。

この駐留軍関係離職者等臨時措置法は、有効期限が5年の法律で、今年の5月にその効力が切れるそうです。そして、その延長を複数の自治体や組織が関係各所に要請をしています。

昨年、5月11日に関係する組合が立憲民主党に提出した要望書によりますと、この法律は1958年に成立し、その後5年ごとに延長してきたそうです。なんとその回数12回。そして今回延長になれば13回目の延長だそうです。

そして、Twitterの情報ですが、前回の延長に関しては衆議院厚生労働委員会で欠席無しの全会一致で可決されたとのことです。

これだけ長年繰り返し審議されてきた法律ですが、調べても問題点を指摘するような情報を見つけることが出来ませんでした。

敢えて発見することができた否定的な情報となると次のものになります。

労働環境は、やはり基地の中と外では全然違いますよ。間接雇用という非常に不安定な状況に彼らは置かれております。その中で、日本の労働基準法が適用されていない部分もあるわけですね。例えば、三六協定がないとか、労働監督官の立入りが認められないとか、就業規則の作成、届出がないとか。

立憲民主党屋良朝博議員 第204回国会 衆議院 外務委員会 第4号 令和3年3月19日

外国の基地、この場合在日米軍基地には、日本の法律が適用されないので、日本で認められている労働者の権利が在日米軍基地で働く人にはない、という問題点があるようです。ただ、これは駐留軍関係離職者等臨時措置法そのものの問題点とは言えません。

この法律が65年以上にわたって繰り返し延長されてきたことは慣習化していると考えます。特段、問題点を指摘する声もないようです。こういう法案に対して反対をするのならば、よっぽどのその問題に詳しく精通している必要があるように思います。

以上のような理由から、もし私に投票権があるのであれば、この法律案には賛成票を投じます。

 

以下、余談になります。

駐留軍関係離職者等臨時措置法は1958年に成立しましたが、そのころ、何があったのでしょうか。

その頃には「関東計画」というものがあったということを今回私は初めて知りました。

終戦直後、関東には米軍の空軍基地が各地に存在していたそうです。それが、戦後の復興で基地周辺が大都市化してきたことなどから、日米が交渉をして、関東に点在する基地を日本に返還して、その分の機能を横田基地に集約したのだそうです。それが関東計画です。

関東計画で返還された基地は主に以下の6カ所だったようです。

・府中空軍施設の大部分
・キャンプ・ドレイク(朝霞)南地区
・立川飛行場(大和航空施設を含む)
・関東村住宅地区
・ジョンソン飛行場住宅地区の大部分
・水戸空対地射爆撃場

これらの基地が返還されて閉鎖になったときに、そこで働いていた日本人が何千人単位で解雇されたことが当時のテレビニュースで報じられていたとのことです。

それらの人たちを救済するために駐留軍関係離職者等臨時措置法が出来たようです。

現在、米軍が撤退あるいは配置転換した場合にそこで働く人が困るから法律を整えておきましょう、と準備されていますが、実際に65年前にそのようなことが起きていたのだと知りました。

そして、基地の返還についても考えさせられました。戦後、日本はアメリカ軍を主体とするGHQに間接統治されていましたが、サンフランシスコ講和条約を締結してGHQは撤退します。でも、小笠原や沖縄は米軍の支配下(この表現が正しいのか分かりません)にありました。

それが、まず小笠原諸島、そして1972年に沖縄が返還されました。

戦争で取られた土地が武力に訴えることなく返還されたのは、ほぼこのケースだけの非常に稀なことだと何かの本で読んだことがあります。

しかし、小笠原諸島、沖縄以外にも、関東の基地が返還されていたということを、なんとなく読んだことがあるような気もしますが、ほとんど意識したことがありませんでした。

基地の機能を横田基地に集約するための費用は日本政府が負担したそうです。でも、その結果、土地が返還されたことで国道16号線が4車線に拡大された等、日本にとってメリットがありました。

まだ、日本の首都東京の周りには4つの米軍基地があります。東京上空の制空権問題も読んだことがあります。ただ、悪い面ばかりを伝えるのではなく、交渉によって平和的に基地・土地が返還されたということももっと伝えられて良いのではないか、と思いました。

「関東計画」と検索してもGoogleやYouTubeで検索してもほどんど情報を得ることが出来ませんでした。

私が参考にしたのは「横田基地の歴史 関東計画(1971-79)」という横田基地が発信している情報です。

更に関東計画についてTwitterで検索をすると、次のコメントが見つかりました。

「基地は沖縄に必要」?

関東計画で基地を押し付けた東京の人間が言うのホントむかつく

何のことだろうと調べて見ると、次の情報が見つかりました。

「関東計画」の成り立ちについて

小 山 高 司

(防衛研究所戦史部 主任研究官)

P.10

佐藤総理大臣が「外国の兵隊が首府のそばにたくさんいるという、そういうような状態は好ましい状態でない」と国会で答弁している39。

39 「第 63 回国会衆議院予算委員会議録第 18 号」(1970 年 3 月 30 日)16 頁。

 

P.12

なお、計画では、1971 年 6 月までに、横田の戦闘機部隊は沖縄に、偵察部隊は米国に移駐することとされたが、5 月までに移駐を終え、横田基地は、戦闘機の基地から輸送機の基地へとその性格を変えた。

関東に点在していた米空軍基地は横田基地だけに集約されたのではなく、戦闘部隊は沖縄に移駐したとのことです。その結果、横田基地は戦闘機の基地から輸送機の基地へと変った、とありますが、戦闘機の基地は沖縄に移転したことになります。

関東の戦闘機基地を押し付けられた、と思う沖縄の人たちもいるでしょう。

そのことを沖縄の人たちは覚えているけれども、関東の人間は忘れている、となったら、やはり沖縄の基地問題はいつまでもこじれてしまうように思います。

「臭いものには蓋をする」ではなく情報伝えていくことが必要なのではないか、と考えました。

しかし、「周知」、認知度を上げるって難しいですよね。

 

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