2023/1/19
辺野古・普天間・沖縄基地問題のつづきです。
「沖縄返還の代償 核と基地 密使・若泉敬の苦悩」をざっと読んでみました。

表表紙の裏には次のように書かれています。
60年代末、佐藤栄作・ニクソンによる沖縄返還交渉の裏で極秘に活躍した若泉敬。
一私人にもかかわらず、米政府中枢のキッシンジャーたちと真っ向から渡り合い、悲願の沖縄復帰と引き換えに、有事の「核再持ち込み」を認める密約を交わし、米軍による基地の「自由使用」という結果を招いた。
悔恨に苦しみ続けた若泉は、90年代半ばに当時の交渉過程を告白する本を出版し、壮絶な死を遂げるー。
2022年後半、ひろゆきさんが、辺野古反対運動の「座り込み」についてツイートし話題となりました。NHK党浜田聡参議院議員も現地を訪れ動画撮影をしています。
「辺野古」について知ろうとしたところ「普天間」の問題が浮上し、さらに「沖縄返還」に行き着きました。
この本では、沖縄返還は既に合意されており、どういう条件で返還するか、そこに密約があった、という内容になっていました。そもそもなぜ沖縄が返還されることについては、ざっとみたところ触れられていなかったように思います。
日本は太平洋戦争でアメリカに敗れ、サンフランシスコ講和条約締結後も、沖縄はアメリカの施政下にありつづけました。
私は、沖縄戦については多少、学んだことがありますが、アメリカ施政下の沖縄については全くしらなかったことに今回気が付きました。
Wikipedia「沖縄復帰」によると、現地で復帰運動が起きており、中には暴動にまで発展した事件もあったそうです。
戦争で取られた領土を武力を用いることなく奪還した、というのは世界史的に見ても稀なケースです。そういう意味で小笠原、沖縄の復帰というのは興味深いのですが、どういう経緯で復帰したのか、あまり知られていないというのは不思議な感じがします。
「沖縄返還の代償 核と基地 密使・若泉敬の苦悩」の内容について書きます。
沖縄返還交渉は、佐藤栄作首相とニクソン大統領との間で行われました。
佐藤総理はもちろん外務省を通じて交渉していました。しかし、交渉ルートはそれ以外にもありました。それが本書の主役の若泉敬でした。彼は、一人であのキッシンジャーと交渉していたようです。
若泉は、一民間人だった、というのも驚かされます。組織的な援助はなかったようで、情報源は「新聞」だけだったと言います。そんな無茶な、と思います。
当時、「核抜き、本土並み」というスローガンで返還要求が行われていたそうです。しかし、東アジア有事の際には、核を持ち込む、という日本側の了解をアメリカは得ようとしていました。それが密約の内容のひとつでした。
へー、米軍って勝手に日本領土内でやりたいようにするんじゃなくて、一応、日本政府の了解を得る努力してたんだー、というのが率直な感想でした。当時は冷戦下で、日本は西側に属していました。何かあれば日本も攻撃されかねなかったわけで、核の再持ち込みをアメリカがすることは、日本の防衛力増強にとってもプラスになることだ、と私は考えました。
しかし、交渉を担当した若泉さんは、沖縄返還後、悩み後悔し続けたそうです。
取敢えず沖縄が日本に復帰すれば、沖縄にある基地は順次減少していくと考えていたようですが、結果として沖縄にある米軍基地は恒常化し、自由使用も行われている。そのことを非常に悔いたそうです。そして責任を感じて最後は自殺をするのです。何も死ななくてもよいのに、と思いますが、そこまで真剣に日本の政治について考え行動してきた人たちが日本にはいたのだなあ、と思います。
彼は、亡くなる2年前に「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」という本を出版し、沖縄返還に際し密約があったことを告白します。しかし、発売当時の羽田政権は「密約」の存在を完全否定し、若泉さんの本は日の目を見ませんでした。
しかし、その後、アメリカの公文書が公開されたり、佐藤栄作首相の遺品からサイン入りの合意文書が発見され、若泉さんの著書の内容が正しかったことが証明されます。
若泉さんの交渉ルートは非正規のものであり、正規ルートの外務省サイドは彼のことを「ニンジャ」と呼んでいたそうです。外務省にすれば若泉さんの存在は面白くなかったため、闇に葬り去られかけた、という面があったようです。
P.196
豊見城市と那覇市の境にある旧海軍司令部壕だ。ここには、海軍司令官の大田實少将が、沖縄戦末期の1945年6月6日に海軍次官に宛てて打電した電文の碑が建てられている。電文は、沖縄県民が日本の為に献身的に軍に協力していることを詳しく述べたものだ。そして、結びの言葉にはこう記されている。
沖縄県斯く戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ
電文が刻まれた碑をじっと見ながら、若泉は福留に言った。
「まさにこれに尽きると思います」
太平洋戦争において、日本で唯一、住民を巻き込んでの地上戦となった沖縄。その沖縄に現在、果たして特別の配慮がなされているだろうか。若泉は、沖縄返還交渉に関わった者として、返還後も日米安保の「要石」という名目で本土に代わって重い負担を背負う沖縄への、苦しい胸のうちを明かしたのである。
この本は、NHKスペシャルの取材班が書いた本です。本を読んでそのNHKスペシャルを見たいと思いましたが、見ることができませんでした。
国民から集めた受信料で制作されているのに、なぜ、国民がそれを見ることができないのか本当に理解に苦しみます。貴重な記録なのだから、見れるようにして欲しいと思います。
NHKオンデマンドできっと有料で公開されているのでしょうから、無理なんでしょうね。
NHKが撮った映像は、国民のモノなんでしょうか。NHKのモノなのでしょうか。
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モリヤマ ヒデキ/歳/男
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