2022/10/24
立花孝志 NHK受信料裁判 「勝訴!」 ~この偉業がなぜ話題にならないのか~
のつづきです。
NHK党立花孝志党首がサポートしていたNHK受信料裁判は、NHK側が「請求を放棄」したことにより立花さん側の「勝ち」となりました。
裁判の内容に関する立花さん本人の解説はこちらにまとめています。
ついにNHKとの受信料裁判に勝ちました。NHKをぶっ壊す!
僕はこの裁判を「加治木町裁判」と呼んでいますが、この裁判に勝ったことは立花さんの「偉業」だと思っています。
立花さんやNHK党の今までの活動を理解し、応援している人は、この裁判に勝ったことの価値を理解していると思います。が、いかんせん、NHK党の支持者は世論調査によると1%もいないようです。
だから多くの人には、立花さんが今回の裁判に勝ったことの意義が伝わらないのではないかと思いますし、そもそもマスコミが伝えていないのです。
そこで、なぜ今回の勝訴が偉業なのか僕の考えをご紹介しようと思います。
まず、今回の裁判だけを見たら「凄いことだ!」と思う人が少なく、話題になっていないのもしかたがないような気もします。
なぜならば今回の裁判は金額的なインパクトがとても小さいからです。
NHKの受信料裁判では東横インの裁判がインパクトありました。
東横インの敗訴確定 NHK受信料19億円支払いの判決
2019年7月25日朝日新聞の記事
大手ビジネスホテルとは言え、NHKの受信料で「19億円」も支払わされることになったのです。
19億円もですよ。それも最高裁で確定した判決です。それまでNHK受信料を払っていなかったビジネスホテルのオーナーさんに対するインパクトは相当大きかっただろうと想像されます。
ところが、今回立花さんが勝った加治木町の裁判は、
「国政政党の党首と、NHK側の代理人である弁護士が、鹿児島県の加治木町の簡易裁判所まで出向いて、547円の利息を争い、NHK側が請求を放棄して、立花さん側が勝った」
というものです。
東横インの事例が19億円、最高裁判所に対し、
加治木町裁判は、547円で簡易裁判所です。
547億円でも547万円でもありません。547円です。
これは、確かに話題になりにくいかもしれません。
試しにテレビニュースで報じられるところを想像してみましたが、
「547円の利息を簡易裁判所で争っていた問題で・・・」
とアナウンサーが原稿を読んだ瞬間に「これってわざわざニュースにする内容か!?」と
全国から突っ込みが起きそうな感じがしました。
しかし、この裁判は凄いのです。
何が凄いのか一言で言うと、脱サラをした1人の男性が「絶対に勝てない」と言われたNHKを相手にした裁判に16年間挑み続けて、遂に「勝訴」を勝ち取ったから凄いのです。
選挙で120万票以上を獲得し 2億6200万円もの政党助成金が支給される国政政党の党首が547円の利息をかけた裁判で勝訴した、という面だけをみたら、確かに凄くないと感じる人がいてもしかたないかもしれませんが、出発点から見たらとても凄いのです。
NHKと裁判で争うようになった当時、立花さんは、脱サラをしてどこの組織にも属しておらず、お金もなく、裁判に関する知識もなく、勝ち目もないと言われていたのです。
組織がなくたった1人
お金がないので本人訴訟
裁判経験も知識もない
絶対勝ち目がない
という無い無い尽くしの四拍子が揃った状況でした。
立花さんとNHKが裁判で争うようになったきっかけは、今から16年前の2006年10月5日のNHK会長会見での発言でした。
受信料滞納者への「支払い督促」 NHKが簡易裁判所に申し立て
NHKが受信料を支払っていない世帯に対して裁判を始めると宣言したのです。
これに対する対する立花さんのコメントが2チャンネルに残っています。
892 :立花孝志 ◆/FsopyQZxE :2006/10/12(木) 23:14:00 ID:qMXHbR2k
>>885
まったくそのとおりです。昭和39年の国会では受信料の支払い率は99%とNHKは発表した。
国会議員から、残りの1%を法的措置により徴収しないのか?
の質問にNHKは、
裁判なんてしない、懸命に説得活動をすると答えた。
強制徴収を国会で拒否して42年、ついにその時はやってきました。
これをきっかけに立花さんは、NHKから裁判された人をサポートするようになりました。
立花さんがNHKから訴えられた人を守る活動を始めたのは、国会議員になってNHKから国民を守る党を国政政党に押し上げた後ではなく、地方議員に当選した後でもなく、政党を立ちあげた後でもなく、NHKを辞めて再就職もせずに、組織に属さない一個人だった時からのことなのです。
当時、どのような生活をしていたのかも2チャンネルに書き込みが残っています。
26 :立花孝志:2006/04/07(金) 01:08:23 ID:kf3RyoPz
25へパチンコと不動産賃貸収入で生計を立てています。
就職すると時間の制約があり、NHKの改革が出来ないためパチプロを主体に現在の生活をしています。しかしパチンコだけをしている訳ではありません。3月の活動報告です。
○ NHKが共催しているNHK杯フィギュアスケートの情報を朝日新聞に情報提供しました。スケート連盟H前会長とS部長の問題です。
○ 月刊テーミスがT前ワシントン支局長に名誉毀損で訴えられているのでその対策を協議しています。5月15日に証言に立ちます。
○ I裁判の判決を傍聴してきました。とにかくNHK改革は長い時間かかると思います。少しずつ改革してゆきたいと思います。
ここでは、時間的制約があるため就職していない、と書いていますが、別のところでは、就職先の企業がNHKと関連があるとそれがしがらみとなってNHKと闘えなくなるから就職していない、という説明もしていたと記憶しています。
就職や働き方というのはある意味人生そのもののような面もあると思いますが、立花さんはまさにNHKと闘うことを基準に働き方を決めていたのです。
こういう選択を一時的にする人は他にもいると思います。でも、16年間も一つの目的の為に自分の人生を捧げられる人がどれほどいるでしょうか。
しかも、そのNHKを改革する、あるいはNHKをぶっ壊す、という目的を達成するために、NHKに裁判で勝つ、という目標を掲げましたが、当初は絶対に勝ち目はないと言われていたのです。
実際、16年間勝つことが出来ず、負け続けてきたのです。もし、途中で止めてしまっていたら、実際にNHKに裁判を勝つことは不可能である、ということを証明していたところでした。
あきらめなければ失敗はない。失敗は、そのやり方では上手くいかなかった、ということを発見する手段である、とか、口で言うのは簡単ですが、16年もやり続けることが出来るでしょうか。
しかも、立花さんは、当時、裁判に関する知識も経験も持っていなかったのです。
裁判を始めた2007年当時僕は大阪に住んでいましたので大阪堺簡易裁判所に訴状を提出しに行きましたが受け付けてもらえなかったのです。理由は「民事の場合、訴状の提出先は被告の所在地を管轄している裁判所」であり、NHKは東京でしか法人登記していないからでした。
こんな感じで分からないことだらけでしたが裁判所の人や2ちゃんねるを通じて協力を呼び掛けて裁判に関する知識を増やしていきました。
立花孝志かく闘えり P.53
訴状の提出先すら知らずに(僕も知りませんが)立花さんは裁判を始めたのです。
こんな状況でNHKと裁判で争おうと普通は思わないのではないでしょうか。
立花さんの当時の経済状況については、2005年9月6日号のFLASHが次のようなタイトルで報じています。
NHK裏金を告発したあの男がパチプロに転身!
イジメ抜かれた巨大組織に見切り・・・夫婦で月500時間勤務、月収100万円
月収100万円と言えばサラリーマン感覚としては高収入ですが、数千億円の予算規模のNHKと闘おうと思える金額ではないように思うのです。
そこで立花さんは次のように書き残しています。
裁判は長期戦だと思っていたので弁護士を雇わず長年本人訴訟を続けてきました。
立花孝志かく闘えり P.53
そう言った面もあったようですが、NHKとの裁判を引き受けてくれる弁護士さんがいなかった、という事情もあったようです。
弁護士さんの世界には勝てる見込みのない裁判を引き受けてはいけない、というルールがあるのだそうです。
つまり、引き受けてくれる弁護士さんがいないくらい、NHKとの裁判に勝つ、というのは見込みのないことだったのです。
そこに勝負を挑んで、16年間闘い続け、他の裁判にも影響を与えうる結果を裁判で出したのです。
従来も、そのような「勝訴」は何度かありましたが、第2審で何度もひっくり返され、最終的には敗訴となっています。ワンセグ携帯裁判、レオパレス裁判、イラネッチケー裁判などです。
でも、今回の加治木町裁判は、NHK側が「放棄」をしため、判決は確定しています。ひっくり返されることはありません。
立花さんは、NHKとの裁判について次のようにも書き残しています。
NHKを解体するには放送法を改定してスクランブル放送を実現することが最も効果的だと考えています。でも法律を作る政治家をNHKがコントロールできる立場にある為、放送法の改正は簡単に出来ることではありません。
そこで裁判を活用することを始めました。NHKから受信料不払いで訴えられた一般視聴者さんの裁判と並行して、僕もNHKを訴えることを始めたのです。
勝っても負けても放送法やNHKの受信料規約に関する裁判所の解釈が示されます。判決、判例には法律を補完する力があります。そしてそれは国民一人一人の訴えによって生み出すことが出来るものなのです。裁判によって法律の解釈が示され、その解釈が国民感情と乖離していれば世論を喚起することが出来ます。世論が盛り上がれば政治家も法改正をしやすくなります。僕はあらゆる角度からNHKと裁判をしてきました。争点を新たにしていけば訴権の濫用にはあたりません。多くの裁判を起こすことでNHKの主張に必ず矛盾点が生まれる。そこを突いていけばいつか必ず勝てる。そう思って長期的な視野に立って裁判戦略を立てて来ました。
立花孝志かく闘えり P.53
「多くの裁判を起こすことでNHKの主張に必ず矛盾点が生まれる。そこを突いていけばいつか必ず勝てる」。
立花さんは、このアイデアを実行し、やり続けて、実際にそれを成し遂げたのです。
すごいと思いませんか?だから僕はこの裁判の勝訴を「偉業」だと考えているのです。
数年前には立花孝志を危険視する向きもあったように思います。でも、それはパフォーマンスであり、実態は次のような考えを持っている政治家だと僕は理解しています。
僕の目的は裁判で勝つことではなくNHKを解体することです。裁判はあくまでも目的を達成する為の手段です。
クーデターのような暴力的手段を使って早急に変える必要はありません。民主主義の制度に則って裁判と選挙を活用し、慌てずゆっくりと、しかし確実にNHKをぶっ壊す闘いを進めていきます。
立花孝志かく闘えり P.47
そして、言うだけでなく実行するところを僕は尊敬しています。その上、実際にやり遂げたのだから本当に凄いと思います。
今回の加治木町裁判は世間の注目をほとんど集めていない地味な「勝ち」かもしれませんが、ここがNHK党の活動のターニングポイントになると僕は感じています。
今回、この記事を書くにあたって、本テーマとは関係ないのですが、次の書き込みを見つけました。
最近、立花さんが、NHK受信料は、貧富差に関係なく一律であるべきだと話していますが、それが16年前から変わっていないことを再確認しました。興味深かったので掲載します。
666 :立花孝志 ◆/FsopyQZxE :2006/10/03(火) 02:20:07 ID:/kHd/j8X
>>636
1964年昭和39年の国会答申では、
視聴者がNHKの維持運営経費を一律に負担するとなっている。
この時NHKが発表した契約率は99%台の契約率でした。契約していない約1%に対して民事裁判しないのか?という国会議員の質問に対して
NHKは裁判しないで説得すると答えている。民間放送は、限りある公共の電波を使って事業をしている事に対してのみ公共性の責任がある。
公共放送は、公共の電波だけではなく、公共の財源で事業を行なっているので、その責任は民間放送より重い655 :立花孝志 ◆/FsopyQZxE :2006/10/03(火) 01:01:42 ID:/kHd/j8X
>>613
公共放送と国営放送の違い。
あくまで私個人の見解ですが、国営放送というのは北朝鮮のキムジョンインさんやイラクのサダムフセインさんが行っていた。
独裁者による独裁者の為の放送で国民を一つの方向に導く最も危険な放送であると理解しています。
第2次世界大戦終了までNHKラジオも実質的にはこの国営放送を行っていました。
国営放送とは「国民を戦場に行かせる」最も危険な放送で、こんな放送なら放送するより、放送しない方がまだましです。公共放送とは「豊かな人からも貧しい人からも一律(定額)の料金をもらって、どこにも偏らない放送をする」ことです。
どこにも偏らないとは、特定の政党を応援しないとか、特定の宗教だけを支持しないだけではなく、国家や大企業をきっちり監視する事でもあります。
NHKは、生活保護世帯から受信料を免除して一見かっこいいフリをしているが、これは公共放送が最もやってはいけない方法なのです。
どんなに貧しくてもその世帯からお金をもらうことにより生活保護についての番組をどんどん放送出来るのです。
日本国憲法第25条にはこう書いてあります「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
しかしいわゆるホームレスと呼ばれる路上や公園で生活している人々が「健康で文化的な最低限度の生活」を営んでいるのでしょうか?
結論として、
国営放送とは、国家権力による国家権力の為の放送
公共放送とは、国民(庶民)による、国家権力から国民(庶民)を守る為の放送
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モリヤマ ヒデキ/歳/男
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