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有害鳥獣対策と人獣共通感染症対策について(令和8年6月一般質問)

2026/6/29

令和8年6月定例会一般質問において、「有害鳥獣及び人獣共通感染症対策」について質問を行いました。

近年、全国的にニホンジカやイノシシなどの野生鳥獣の生息域が拡大し、農作物被害や生活環境への影響が課題となっています。

宇治市においても、山間部や里山地域を中心に農作物被害が発生しており、農業者の営農意欲の低下や地域環境への影響が懸念されています。

また、近年では山間部に限らず、住宅地や学校周辺など、市民生活に近い場所での出没や被害も課題となっています。

本市には、志津川、白川、笠取、二尾、池尾など、豊かな自然環境を有する地域があります。市民がハイキングや森林散策を楽しむ機会も多く、野生鳥獣との適切な距離を保ちながら、農作物被害の防止と市民生活の安全確保を両立していくことが重要です。

今回の一般質問では、まず宇治市におけるニホンジカ及びイノシシによる被害の現状と、京都府、猟友会、警察など関係機関と連携した有害鳥獣対策の取組状況について確認しました。

市からは、山間部だけでなく、木幡・五ヶ庄・莵道など、山間部に隣接する住宅地や学校周辺でも、農作物、花、庭木などへの被害が見られる状況であるとの答弁がありました。

また、昨年度はシカ72頭、イノシシ4頭を捕獲・駆除した実績があるとのことでした。

現在、宇治市では、宇治市鳥獣被害防止計画に基づき、檻やわなの設置、市民から通報があった場合の対応などを行っています。現場対応では、宇治支部猟友会と連携して捕獲・駆除を行っているとのことでした。

さらに、京都府内では北部地域を中心にツキノワグマの出没が見られる中、本市においても危険鳥獣の出没に備え、京都府、宇治警察署、宇治支部猟友会と連携し、緊急銃猟対応マニュアルを作成しているとの答弁がありました。

この対応に関連し、訓練、銃弾費、安全装備品等に係る補正予算案も提案中であり、農作物被害の防止と市民生活の安全確保の両面から、関係機関と連携して対応を進めていく方向が示されました。

有害鳥獣対策は、単に農作物被害を防ぐためだけの取組ではありません。

ニホンジカやイノシシなどの生息域が人の生活圏に近づくことで、住宅地周辺への出没、学校周辺での安全確保、交通事故の危険、地域住民の不安、里山環境への影響など、さまざまな課題につながります。

そのため、捕獲・駆除、防護柵などの対策に加え、出没情報の把握、地域からの通報対応、関係機関との連携を総合的に進める必要があります。

次に、人獣共通感染症及びマダニ対策について質問しました。

近年、有害鳥獣の生息域の拡大に伴い、人獣共通感染症への関心も高まっています。

特に、ニホンジカやイノシシなどの野生動物はマダニの重要な宿主とされています。マダニが媒介する感染症としては、重症熱性血小板減少症候群、いわゆるSFTSや、日本紅斑熱などが全国的に報告されています。

本年4月には京都市内においてもSFTSの発症事例が報告されており、市民の関心も高まっています。

宇治市内でも、山林や河川敷、公園などで活動する市民は多く、農作業やハイキング、地域活動などを通じてマダニに接触する機会があります。

また、これまでシカを見かけることが少なかった住宅地や市街地周辺でも、近年はニホンジカの目撃情報が増加しています。こうした大型の野生動物の生息域拡大は、マダニの分布域や人との接触機会の増加につながる可能性があり、感染症予防の観点からも注意が必要です。

市からは、人獣共通感染症には十分な注意が必要であり、中でもマダニが媒介するSFTSは重症化する場合があるため注意が必要であるとの認識が示されました。

また、マダニは草むら、森林、畑周辺などに生息しており、駆除よりも予防を基本とする必要があるとの答弁がありました。

宇治市では、市ホームページにおいて、農作業時や野外活動時の注意喚起を掲載し、肌の露出を少なくすること、長袖・長ズボンを着用することなどを周知しているとのことです。

さらに、京都府南部地域での感染例も踏まえ、京都府や市関係部局と情報共有を行っており、農業者に限らず、市民への注意喚起を継続していく方向が示されました。

市として、有害鳥獣対策については、京都府、猟友会、警察など関係機関と連携し、捕獲・駆除や緊急時の対応体制の整備を進めていることを確認しました。

また、マダニ媒介感染症についても、京都府や関係部局と情報共有を行いながら、市ホームページ等を通じて市民への注意喚起に取り組んでいることを確認しました。

一方で、私は、注意喚起に加えて、実態把握も重要であると要望しました。

ニホンジカが住宅地の公園や小学校の校庭に出没することも珍しくなくなっています。こうした場所にマダニの生息域が広がっているおそれもあります。

日常的に公園や学校周辺を利用する子どもたちに、夏場でも長袖・長ズボンの着用を求めることは現実的ではありません。

だからこそ、市民への注意喚起だけでなく、まずは京都府と連携し、調査を行うなど、実態把握にも努めていただきたいと要望しました。

ニホンジカやイノシシの生息域の拡大は、農作物被害や生活環境への影響にとどまらず、人獣共通感染症のリスクや里山環境の変化にも関わる複合的な課題です。

今後は、有害鳥獣対策、感染症対策、環境保全をそれぞれ個別の課題として捉えるのではなく、相互に関連する課題として横断的に捉えることが重要です。

関係部局間の連携はもとより、京都府、猟友会、警察、医療・保健関係機関などとも十分に連携し、農作物被害の防止、市民生活の安全確保、感染症予防、自然環境の保全を一体的に進めていく必要があります。

野生鳥獣との関係を完全に断ち切ることはできません。

だからこそ、被害を防ぎながら、地域の自然環境と人の暮らしをどう両立させていくのかという視点が重要です。

今後も、現場の声を踏まえながら、宇治市における有害鳥獣対策の充実と、人獣共通感染症への備えについて、継続して提言してまいります。

これまでの有害鳥獣対策については

防災と有害鳥獣対策から考える宇治市の里山政策2025/12/16

 

宇治市議会議員 かどや(角谷)陽平 公式ホームページ

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