2026/8/12
8月7日、練馬区国民健康保険運営協議会に委員として出席しました。今回、国民健康保険に加入する子どもの保険料負担について、令和9年4月から軽減対象を高校生年代まで広げる方針が報告されました。子育て世帯にとって大きな前進です。一方、子どもの人数に応じて保険料が増える仕組みそのものは残ります。
国民健康保険料には主に「所得割」と「均等割」があります。
「所得割」は、前年の所得に応じてかかる保険料です。一方の「均等割」は、所得に関係なく、国保に加入する一人ひとりに定額でかかります。つまり、収入のない子どもにも均等割がかかり、子どもが一人増えるごとに世帯の保険料も増える仕組みです。
現在、この5割軽減の対象は未就学児に限られています。今回の法改正によって、令和9年4月から「高校生年代」まで広がります。
高校生年代とは、実際に高校へ通っているかどうかに関係なく、18歳になった後、最初に迎える3月31日までの方です。
軽減率は5割です。所得の低い世帯ですでに7割、5割、2割の軽減を受けている場合は、まずその軽減を行い、残った均等割をさらに半分にします。軽減した分は、国が2分の1、東京都と練馬区がそれぞれ4分の1を公費で負担します。練馬区では条例改正が必要となるため、令和9年2月の運営協議会で正式に審議する予定です。
令和8年度の練馬区の料率で単純に計算すると、今回の軽減対象となる均等割は、子ども一人につき年6万5,200円です。5割軽減されれば、年間3万2,600円の負担減となります。ただし、令和9年度の保険料率は今後決まるため、実際の金額は変わる可能性があります。
練馬区では令和6年度、未就学児2,977人が軽減を受け、その総額は約5,490万円でした。このうち練馬区の負担は約1,373万円です。
区は、高校生年代まで対象が広がることで、公費負担は概ね3倍になると見込んでいます。ただし、正確な対象人数と必要額は、令和9年度予算を作る際に改めて精査するとのことでした。
私は会議で、軽減を受けるために申請が必要なのか確認しました。区からは、世帯の情報をもとに自動的に計算するため、申請は不要との答弁がありました。
一方、国保料には、世帯が支払う年間保険料の上限である「最高限度額」があります。もともとの計算額が上限を大きく超えている世帯では、子どもの均等割を減らしても、なお上限を超えるため、実際の支払額が変わらない場合があります。
区もその可能性を認めましたが、該当する世帯数や、そのうち子どもがいる世帯数は把握していませんでした。制度の効果を確かめるには、対象となる子どもの人数だけでなく、実際に保険料が下がる世帯数や、所得・子どもの人数別の負担軽減額も示す必要があります。
今回の拡大は、子育て世帯の負担を軽くする大きな前進です。
しかし、所得のない子どもにも人数分の保険料を課す仕組みは、半分残ります。子どもが多いほど負担が増える制度は、子育て支援の方向とも合いません。
国には、子どもの均等割を半額ではなく全額軽減し、必要な財源を確保するよう求めるべきです。練馬区としても、残る5割を独自に支援できるのか、必要な財源はいくらになるのかを検討してほしいと思います。
制度が始まって終わりではありません。実際にどれだけ家計の負担が軽くなったのかを確認し、子どもの人数によって医療保険料が増えない仕組みを目指していきます。
・厚生労働省「健康保険法等の一部を改正する法律の成立について」
https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001712399.pdf
・練馬区「国民健康保険料の計算方法(令和8年度)」
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/nenkinhoken/kokuminkenkohoken/hoken_hokenryo/keisan_hoho.html
・練馬区「均等割額の減額(国保)」
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/nenkinhoken/kokuminkenkohoken/hoken_hokenryo/gengaku.html
・練馬区「ねりまの国保」
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/nenkinhoken/kokuminkenkohoken/hoken_tokeishiyo/nerimanokokuho.html
・練馬区「国民健康保険運営協議会」
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/kaigi/kaigiroku/hoken/kokuminkenkouhoken/index.html
・岩瀬たけしブログ
https://iwasetakeshi.net/2026/08/national-health-insurance/

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