2026/8/10
練馬区には、住宅地のすぐ隣に畑が広がる、練馬ならではの風景があります。7月29日の都市整備委員会では、その農地を守る「特定生産緑地」について、新たに3件を指定する一方、14件を解除する方針が報告されました。
解除される面積は合計2万7,060平方メートル。一般的なサッカーコートを105メートル×68メートルとして換算すると約3.8面、ほぼ4面分に該当します。
生産緑地とは、住宅地の中にある農地を長く残すための制度です。
指定された土地は、原則30年間、農地として管理し、住宅などを建てることが制限されます。その代わり、固定資産税の軽減や相続税の納税猶予を受けることができます。
簡単に言えば、「農地として残してもらう代わりに、税負担を軽くする」という仕組みです。
指定から30年を迎えた後も農業を続ける場合、さらに10年間延長するのが「特定生産緑地」です。その後も10年ごとに更新できます。
今回、新たに指定される3件は合計4,110平方メートルで、サッカーコートの半面強です。
一方、解除される14件は合計2万7,060平方メートル、約3.8面分です。このうち13件、2万5,060平方メートルは、中心となって農業を担ってきた方が亡くなったことが理由です。
残る1件、2,000平方メートルは、上石神井二丁目農業公園や歩道として公共利用するための解除です。したがって、2万7,060平方メートルすべてが宅地になり、みどりが一度に消えるわけではありません。
新規指定の4,110平方メートルを加え、測量上の110平方メートルの修正も反映すると、特定生産緑地の総面積は約134.71ヘクタールから約132.40ヘクタールになります。
差し引きでは2万3,060平方メートル、サッカーコート約3.2面分の減少です。
特定生産緑地の解除は、「その日から畑がなくなる」という意味ではありません。
所有者から買い取りの申出があり、区やほかの農業者が取得しなければ、建築の制限が外れ、将来的に住宅などへ変わる可能性が高まります。
今回の解除理由の大半は、農業を担ってきた方の死亡でした。本人に畑を残したい思いがあっても、家族が農業を続けられるとは限りません。
委員会では、農地の買い取り申出は近年、年間およそ20件前後ある一方、区が実際に買い取れるのは数件程度と説明されました。地価の高い練馬で、すべてを公費で買い取ることには限界があります。
だからこそ、第三者に農地を貸す制度、若い農業者との橋渡し、相続・税金・農地管理を一緒に相談できる窓口など、農業を続けやすくする支援が必要です。
2032年には、約480件、約130ヘクタールが、次の10年へ更新する時期を迎えるいわゆる2032年問題が存在します。直前に通知するだけではなく、今から一軒ずつ事情を聞き、後継者や借り手をつなぐべきです。
農地は、将来建物を建てるまでの「空き地」ではありません。新鮮な農産物を生み、防災、環境、教育、地域交流を支える、練馬の暮らしの土台です。
今回3件の指定が進むことを評価するとともに、サッカーコート約3.2面分の指定面積が減ることを重く受け止め、練馬の農地を次の世代へ残す仕組みを練馬区議会でも求めていきます。

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