2026/7/28
7月23日の交通対策等特別委員会で、2026年度から2045年度までの20年間を対象とする「練馬区地域公共交通計画(案)」について報告されました。バス運転手不足による減便・廃止が相次ぐ中、区内の交通を「幹・枝・葉」に整理し、持続可能な仕組みに組み替える計画です。
大泉地域では、西武バス泉38系統の廃止によって、買い物や通院、通学などの足を失った方がいます。計画を作ることは一歩前進ですが、大切なのは具体的に実現させていくこと。計画の主な内容をご報告します。
計画では、鉄道と主要なバス路線を「幹」、その他の路線バスを「枝」、みどりバス、タクシー、デマンド交通などを「葉」と位置付けます。駅から800メートル以上、30分に1便以上あるバス停から300メートル以上離れた地域を公共交通空白地域とし、その中から、高低差、高齢化率、バスの運行本数を基に「重点支援地域」を抽出します。
考え方は分かりやすい一方、「葉」が「枝」の代わりになるとは限りません。デマンド交通は予約や定員、運行時間に制約があります。路線バスを廃止した後に小型車へ置き換えるだけでは、地域全体の移動を支え切れないこともあります。まずは既存路線の維持を基本に、地域ごとの需要と必要な輸送量を示すべきです。

(出典:練馬区)
パブリックコメントには119件、96名から意見が寄せられ、そのうち106件、89名が子どもでした。実に約9割です。

(出典:練馬区)
「バスの本数を増やしてほしい」「習い事にバスで行っているの困る」「泉38系統の廃止について何かすべきだ」「高齢者にも分かりやすいタクシーの予約方法を」「スロープやホームドアを増やしてほしい」。子どもたちは、自分だけでなく、高齢者や障害のある方、家族の移動まで考えて意見を寄せています。
区は今回、子どもからの5件のデマンドタクシーに関わる意見を計画に反映させています。また、45件は既に素案に趣旨を掲載していると整理しています。子どもに意見を求めた以上、「何を変えたのか」「なぜ今は実現できないのか」を学校や地域へ返すところまでが行政の責任です。LINEやメールを使い、大人にも届くプッシュ型の周知も強化すべきです。

(出典:練馬区)
区内バス営業所の運転手は、50代が48.5%、60代が17.3%で、50代以上が約3分の2を占めます。計画は、区のSNSやイベントを使った採用広報、自動運転やキャッシュレス化などを掲げますが、広報だけで路線廃止は防げません。
東京都は、勤続1年目から10年目までの運転士に月1万円の手当を支給する事業者への補助を始めました。区も事業者任せにせず、免許取得、住居、定着への支援を検討すべきです。病院の送迎車やスクールバスなど、地域に既にある車両の活用も、安全性や責任を整理した上で実証につなげる必要があります。
泉38系統は、大泉学園駅北口から大泉桜高校を経由して長久保までを結び、1日約600人が利用していましたが、2025年3月31日に廃止され、7か所の停留所がなくなりました。
現在示されている代替交通案は、11か所の停留所を定員9名のワゴン車で結び、月曜から土曜の午前9時から午後5時まで、おおむね1時間20分に1便、運賃は大人400円というものです。具体案が出たことは前進ですが、朝夕の通勤・通学時間帯をカバーしないこと、満車時の対応、運賃負担、生活道路の安全性、実証後の継続など課題は残ります。

今後、7月31日の地域公共交通活性化協議会で協議し、8月頃に計画をまとめる予定です。策定後は毎年進捗を確認し、5年後に全体を評価・検証するとしています。
しかし、最初の5年間にどの地域から着手するのか、予算、期限、責任主体は十分に見えません。「既存路線を何本維持するのか」「公共交通空白地域をどれだけ減らすのか」「予約できなかった人や満車で乗れなかった人をどう把握するのか」まで、区民が確認できる目標を置く必要があります。
公共交通は採算だけで測れません。高齢者、障害のある方、子ども、子育て世代にとって、通院、通学、買い物、社会参加を支える生活基盤です。20年後の理想像だけでなく、泉38系統廃止後の代替交通をはじめ、今困っている地域への対応を一日も早く進めるよう求めていきます。

(出典:練馬区)

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