2026/7/24
練馬区は9月から、中村橋福祉ケアセンターで「失語症サロン」を始めます。失語症のある方1人に意思疎通支援者1人を配置し、言葉の専門職である言語聴覚士も加わります。安心して自分のペースで話し、困りごとを相談できる場です。
これは大切な前進です。一方、開催は月1回、定員5人、区内1か所。必要な方に十分届くのかという課題もあります。7月21日の保健福祉委員会で報告された「失語症者向け意思疎通支援事業の充実について」の内容を整理しました。
失語症は、脳卒中や事故などによって、言葉を扱う脳の働きが損なわれる障害です。「話す」だけでなく、「聞いて理解する」「読む」「書く」ことにも難しさが生じます。症状や程度は一人ひとり異なります。
伝えたいことはあっても、言葉がすぐに出ないことがあります。理解するまでに時間が必要な方もいます。言葉が出ないからといって、考えや意思がないわけではありません。
それでも、言葉を探している間に会話を終えられたり、周囲が本人に代わって答えたりすると、本人の意思が置き去りになってしまいます。意思疎通支援は、単なる会話のお手伝いではなく、本人が自分の暮らしを決め、地域で暮らし続ける権利を支えるものです。
サロンは毎月第3水曜日の午後1時30分から3時まで、中村橋福祉ケアセンターで開催され、定員は5人程度です。
失語症のある方1人に、会話の支え方を学んだ意思疎通支援者が1人つきます。言語聴覚士も加わり、日常生活の困りごとの相談や当事者同士の交流を支え、必要に応じて関係機関につなぎます。
委員会では、当事者から「ゆっくり、しっかり話を聞いてもらいたい」「意思をくみ取ってもらえる支援者がほしい」といった声が寄せられてきたことも紹介されました。安心して言葉を探せる場が身近にできることを評価します。
練馬区は、区内の失語症のある方の人数を正確には把握していません。全国推計を区の人口に当てはめると約1,200~3,000人との説明がありましたが、あくまで概算です。
東京都の養成研修を修了した区内在住の支援者は15人、区外在住者を含む区への登録者は33人です。
月1回、平日午後、区内1か所では、仕事をしている方、家族の付き添いが必要な方、移動が難しい方には参加しにくい場合があります。特に大泉など区西部から中村橋へ通う負担も軽くありません。
利用状況を確認しながら、開催回数の増加、夕方や土日開催、区内の複数地域での実施を検討すべきです。病院やリハビリ施設、訪問看護、当事者団体などと連携し、人数だけでなく、どのような支援が必要なのかを把握することも欠かせません。
現在の練馬区の派遣事業は、主に登録した当事者団体の活動が対象です。一方、中野区や江東区では、サロンを通じて支援者との相性や支援方法を確認し、通院や買い物、行政手続きなどへの個人派遣につなげています。
練馬区でも、サロンを交流の場だけで終わらせず、日常生活の中で支援を受けられる仕組みに発展させてほしいと思います。「サロンに来られる人」だけでなく、外出そのものに困難がある人へ支援を届ける視点が必要です。
支援を広げるには、支援者を増やすだけでなく、移動や事前調整を含めた報酬、継続研修、言語聴覚士による助言、丁寧なマッチングの仕組みが必要です。申込方法や参加費、送迎の有無も、短い文章や図を使って分かりやすく伝えるべきです。
相手が言葉を探す時間を待ち、本人を抜きにして話を進めない。こうしたことが当たり前の地域は、誰にとっても安心して暮らせる地域です。
新しいサロンを「最初の一歩」で終わらせず、当事者や家族の声を聞きながら、個人派遣を含む切れ目のない支援へ広げることを、練馬区議会でも求めていきます。
ご意見やご経験を、ぜひお寄せください。

The post 【練馬区議会】練馬区が失語症サロンを開始!月1回・定員5人を「最初の一歩」で終わらせないために first appeared on 岩瀬たけしウェブサイト.
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