
年金への不安が高まる中、公的年金制度の仕組みや受給額、老後生活に必要な資金とのギャップなどを正しく理解しておくことが重要です。
本記事では、「年金博士」として知られる北村庄吾さんに、年金制度のしくみや将来もらえる年金額など年金について基礎から解説していただきました!
※この記事は2025年4月20日公開の「選挙ドットコムちゃんねる」を基に作成しています。

答え:年金はもらえます。年金制度がなくなることはありません。
みなさんは、自分が支払った年金保険料より、受け取る年金額が上回るかどうか気になると思います。
公的年金は終身年金といって、一生涯にわたり死ぬまで年金を受け取れる制度。長生きをすれば累計で多くの年金を受け取る仕組みです。
公的年金について詳しくみていきましょう。
年金制度は「2階建て」といわれます。
2階部分の厚生年金は、会社員などが加入する年金です。毎月の給与から引かれる年金保険料と同額を会社が負担しています。
1階部分の国民年金(基礎年金)の保険料は、半分は国(国庫)が負担。
厚生年金に加入している方は、自動的に国民年金と厚生年金の両方に加入しています。
一方、年金保険料の積み立てについては、誤解している方が多い部分です。
自分が支払った年金保険料は、国が積み立てをしていて、老後になったら自分の年金として戻ってくるイメージをもつ方がいます。これは大きな勘違いです。
現役世代が積み立てた年金保険料は、その年に支払われる年金に充当されます。この仕組みが「世代間扶養」です。
その年に支払った年金額が年金保険料より少なかった場合、余ったお金が「年金積立金」として積み立てられます。年金積立金は150兆円以上あります。
昔、厚生労働省は、この運用益だけで年金の支払いが賄えるとバラ色のシナリオを描いていましたが、バブルが崩壊し低金利になり、目論見が外れました。
今後、公的年金は、受け取る年金額が調整されたり、支給開始年齢が見直される可能性があります。
しかし、「どう維持するか」が常に議論されているため、制度そのものがなくなることはありません。

A.悠々自適の引退生活を送る「ハッピーリタイヤ」をするためには、公的年金だけでは足りないといえます。
年金額について、生涯年収の平均額を利用して厚生年金の受給額を算出する「北村式年金額計算法」で解説しましょう。
40年間、同じ会社で会社員をした場合、生涯年収の平均は「38歳」だといわれています。
「38歳・年収600万円・厚生年金に40年加入」をモデルケースにして解説します。
1.厚生年金(年金の2階部分)
・北村式年金額計算式:「5500円×平均年収の百の位×加入年数」
・「38歳・年収600万円・厚生年金に40年加入」の場合は、「5500×6×40=1320000」
・厚生年金額は、年額132万円。
2.国民年金(年金の1階部分)
・国民年金の受給額:「2万円×加入年数」
・加入年数が40年間の場合は、「2万円×40=80」。
・国民年金額は年間80万円
3.おおよその年金受給額
・厚生年金加入者は、厚生年金と国民年金の両方が支給されます。
・厚生年金額132万円+国民年金80万円=合計212万円(年額)
・月額18万円弱の年金額と予測できます。
ある民間の調査では、老後の自由な時間を使って海外旅行やゴルフ、外食など楽しむ「ハッピーリタイヤ」をするには、月額38万円が必要だという試算結果がでました。
また、厚生労働省は、夫は40年間厚生年金加入し、妻は専業主婦という世帯の「モデル年金」を毎年発表。2024年は約22万円でした。
試算でも、厚生労働省のモデルケースでも、希望に沿った老後生活を送るには、公的年金だけでは足りないといえます。そのため、公的年金以外の仕組みで、自分のリタイア後の生活設計を考えないといけないでしょう。
国は、「節税メリットがあるiDeCo(個人型確定拠出年金)で老後資金を準備してほしい」とメッセージを出しています。また、定年を越えても働き続けるキャリア設計が非常に重要になるといえます。


A.公的年金は、長生きすればするほど受給額が増え、終身で受給できるメリットがあります。また、老後のため以外にも障害年金や遺族年金という保険的な側面があるのもメリットです。
日本では、20歳になると国民年金の加入義務が発生します。
国民年金の保険料を納めることが難しい方には免除制度や納付猶予制度、学生には学生納付特例制度、未加入期間の追納制度など、負担を減らす制度も整備されています。
特に、まだ働いていない20歳以上の学生は、免除制度などを利用して「滞納」だけは絶対に避けましょう。
例えば、大学生がバイク事故で片足を切断し障害者となった場合、障害年金が支給されます。障害等級1級の場合は、年間約100万円を生涯受給できるものです。
もし、この学生が年金をよく知らなくて国民年金を滞納していた場合、障害年金の受給ができなくなります。
また、世帯を支えていた夫が亡くなった場合、厚生年金の4分の3が妻に支給される「遺族年金」制度もあります。
年金制度は支え合いの社会保障制度です。損得だけで考えない方がよいでしょう。

【北村庄吾氏】
ブレイン社会保険労務士法人代表社員・株式会社総合事務所ブレイン代表
1961年生まれ。熊本県出身、中央大学法学部卒業。社会保険労務士・行政書士・ファイナンシャルプランナー。「年金博士」として著書やTV出演多数。
【有権者の心に響く第一印象を。選挙ドットコムで、あなたの情報を掲載しませんか?】
選挙ドットコムの政治家情報ページには、顔写真やSNSアカウントへのリンクなどを完全無料で掲載いただけます。
有権者の皆さまにとって、こうした情報は候補者一人ひとりを知るための大切な第一歩になります。
ぜひ、あなたのページを充実させて、有権者の皆さまとの距離をぐっと縮めてみませんか?
情報掲載をご希望の際は、こちらのフォームよりお送りください。皆さまからの情報をお待ちしております!
※申請は「政治家・候補者本人」または「政治家・候補者本人から承諾を得ている方」に限ります。承諾がない場合は掲載できませんこと、予めご了承ください。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします