衆議院選挙が近づいています。今回の衆議院選挙では新型コロナウィルス感染症対策等が大きな争点の一つになりそうです。
2020年から続く新型コロナウィルス感染症に対する各種対策が世界各国で継続される中、国ごとの感染症対策がどのように行われているのかが、現地に住む日本人報告や海外メディアによる報道等により、YouTube等の動画投稿サイトで閲覧できるようになりました。
そられらの動画等を見ると、海外で行われている対策と日本で行われている対策の異同を知ることができます。
そして各国の検査数、ワクチン接種数、死亡者数等の数値を比較できるサイト(https://www.worldometers.info/coronavirus/)も登場していますので、海外でなされている感染症対策と日本で行われている各種対策を比較して、今回の衆議院選挙の投票先を検討している人も多いと思います。
そのような状況下この秋には執行される衆議院選挙です。この衆議院選挙ですが、投票率が低下していることが選挙前には必ず話題になります。確かに下記グラフを見ればわかるように、衆議院選挙の投票率は低下傾向にあることがわかります。
そして実際に投票を棄権した人の人数をグラフ化したものが下記になります。
直近2回の衆議院選挙では、約4900万人が投票を棄権しています。この4900万人という棄権者数は、東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、宮城県の人口を合計すると、この棄権者数と同じ程度になります。
(総務省 住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和3年1月1日現在)*https://www.soumu.go.jp/main_content/000762475.pdf)
このように衆議院選挙の投票率が低下すると、有権者の意思が国政に反映されているのかと感じる部分があります。
そこで実際に、第45回衆議院選挙から第48回衆議院選挙まで、各選挙区で当選した候補者が獲得した票数は、その選挙区有権者の何割程度の得票数であったのかという絶対得票率を計算してみました。
選挙報道等で見るのは、投票総数に占める候補者や政党の得票数の割合である相対得票率ですが、ここでは絶対得票率を計算してみます。
利用したデータは 総務省 第45回〜第48回衆議院選挙結果調です。北は北海道、南は沖縄までの全小選挙区の、絶対得票率を1枚のグラフにまとめました。
グラフの下部が北海道1区、上部が沖縄4区です。ピンクで表示してあるのがその選挙区における絶対得票率です。ブルーは投票を棄権したり、その他の候補者に投票等をしたことを表現しています。
このグラフを見ていくと、一部の選挙区を除くと、ほとんどの小選挙区で絶対得票率は25%前後であることがわかります。残りの約75%は投票を棄権したり、その他の候補者に投票等をしたと考えると、各選挙区の有権者の意思が選挙で反映されているかといえるか疑問を感じる数値ではあります。
政権交代選挙と言われた第45回衆議院選挙では、他の選挙と比較をして絶対得票率が高い傾向にあることがはっきりとわかります。
直近の衆院選で棄権した有権者数と有権者が投票した政党について一枚の表にまとめたものが下記になります。
最も割合の高いのが投票を棄権した人というのがよく分かると思います。
間近に迫っている第49回衆議院選挙は、新型コロナウィルスに関連する一連の政府の対応が大きな争点の一つになると思われるので、投票率にも変化がありそうな気がします。
選挙に投票するのは面倒くさい、政治のことはよくわからない等の話はよく聞きますが、新型コロナウィルスに対する対応で保健所、病床数等が足りない等は、これまでの政策の結果が、反映されている部分もあります。
遠くに感じる政治の問題ですが、現在のように生命、個人の経済的面に関わる問題として、自分とその家族に降り掛かってくることもあります。
そういったこともあるので、投票を棄権するのではなく、各政党、各候補者が公約している内容から、過去にどのような政策を実行してきたのか、その政党、候補者が将来をどのように考えているのかを考え投票先を決定したほうが、有権者自身とその関係する人たちの生命身体を守ることにつながると思います。
メディア露出が多い人のほうが印象に残りやすい傾向がありますが、目に見えている人が何を言っているかではなく、今まで何をしてきたのかを見た上で、自分と家族の今後のことを考えて投票先を決定したみてはいかがでしょうか。
今回は普段余り見ることのない、小選挙区の絶対得票数について観察してみました。
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