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【衆院選2021】中選挙区制と小選挙区制の死票を数える。(データアナリスト・渡邉秀成)

2021/6/19

渡邉 秀成

渡邉 秀成

衆議院議場(衆議院公式サイトより)

新型コロナウィルスが収束の気配がないまま、2021年も中盤に差し掛かります。

新型コロナウィルスの抑え込みに成功しつつある国も出てきており、そのような国々では新型コロナウィルス流行以前の状態に戻りつつある国も出てきています。
新型コロナウィルスは各国の危機状況下での対応の仕方を明らかにしてきました。

海外在住のかたによる、週に1回無料でPCR検査を受けことができる映像*1や、ワクチン接種状況等もYouTube等で見ることができるので、日本の置かれている状況と海外状況との比較もしやすくなっています。
*1 https://www.youtube.com/watch?v=dMMm3RojfS4 

NZでは大型コンサートが開催されたりしており、海外のイベントチケットサイト*2を見ると、2021年後半に予定されているイベント・スケジュールも掲載されています。(もっとも今後の新型コロナウィルス感染状況にもよると思います)
日本では2021年5月末現在では、新型コロナウィルスが収束の気配がないまま、多くの国民がオリンピック開催に疑問を思いながらも、オリンピック開催に向けて進んでいるように見えます。
2* https://www.ticketmaster.com

そのような状況下ですが、2021年秋までのどこかの段階で第49回衆議院選挙が行われる予定です。小選挙区制度になってから9回目の選挙となります。

この小選挙区制で行われる衆議院選挙の問題点としてあげられるのが、当選者の得票数よりも落選候補者の得票数を合計したほうが多くなり、有権者の意思を反映できているのかという死票の問題があります。

中選挙区制と比較をすると、この死票が多いため、民意の反映がなされにくく、投票率の低下傾向につながっているのではないかという指摘もあります。

よく耳にする死票の話ですが、この死票について中選挙区制の場合と小選挙区の場合とを比較をすることで、死票の割合がどの程度違うのかについて観察してみます。

まず、第23回から第48回衆議院選挙で、全選挙区において、死票が多い選挙区の割合についてグラフ化したものが下記です。

図1_中選挙区_小選挙区_死票_推移

中選挙区制度では回が浅い選挙では死票が多い選挙区がありましたが、回数を重ねるにつれて死票が多い選挙区が減少してきたことがわかります。

続いて、第41回から第48回衆議院選挙の全小選挙区で、当選者の得票数よりも死票のほうが多かった選挙区の割合について見てみたいと思います。ちなみに、衆議院選挙小選挙区の定数ですが、第41回から第46回までが300、第47回が295、第48回が289です。

このグラフで特徴的なのが、第45回衆議院選挙(2009年)では死票割合が大きく減少していることです。この選挙では民主党が大きく当選者数を増やし政権交代選挙とも呼ばれています。
また、小選挙区制度で初めて行われた第41回選挙では全小選挙区の7割で、当選者得票数よりも死票のほうが多いという状況もグラフから観察できます。

ここまで、中選挙区制、小選挙区制で全選挙区内における死票が多い選挙区の割合を比較してみましたが、中選挙区のほうが死票は少ない傾向にあることが確認できました。

この死票の割合をより具体的に見ていきたいので、中選挙区制、小選挙区制の選挙区別にグラフ化したものも見てみましょう。
グラフがピンク色で表示されているものが中選挙区制での各選挙区内における死票割合、グラフがブルー色で表示されているものが小選挙区制での各選曲内における死票割合です。
両方のグラフのY軸の真ん中に引かれているラインは、死票割合が50%であるラインとなります。

図2 中選挙区死票

 

図3 小選挙区死票

 

図4 小選挙区死票

グラフを見比べてみますと、ピンク色の中選挙区制における死票の割合は、中心ライン以下に収まっていることがほとんどであることがわかります。

その一方、ブルー色の小選挙区制における死票の割合は、ほとんどの選挙区で中心ライン付近まできており、選挙区によっては中心線をこえています。
(中選挙区と小選挙区で選挙区数が異なるのでそれぞれのグラフサイズが異なりますが、おおよそそのような傾向にあることわわかることと思います。)

両グラフを比較すると、全体グラフで見たように、小選挙区のほうが死票が多くなっているのがわかります。ただ、選挙区によっては死票の数がとても少ないところがあることもわかります。
(中選挙区制と比較して小選挙区制のほうが死票が発生しやすいと言われますが、選挙区ごとにグラフで表現すると死票の多さをより実感することできます。)

繰り返しになりますが、国政選挙では全体的に投票率が低下傾向です。投票率低下原因のひとつに有権者の意思が反映されにくいというものがあります。ここまで見てきたように小選挙区制ですと、死票の割合が多いので、そのような考えを持つ人が存在するのもわかります。

そこでもう一度、死票が発生しにくい中選挙区制等に戻すことで、民意が反映されやすくなれば、投票率にもよい影響が出るかもしれません。

新型コロナウィルスは国会議員、首長等が誰になるかで、住民の生命身体の安全に関する対応が地域地域で大きく異なることを明らかにしました。したがって、その地域の代表者を選出する選挙等で、投票することで有権者の意思をしっかりと示しておくことで、地域の安全等が守られる可能性も高まると思われます。

どこに投票していいかわからないというかたは、2020年1月から続く新型コロナウィルス対策等で、この1年間にどの政党、首長がどのようなことを発言し、実際に実行できたのか?
【話したことより、実行したこと】、【メディアではあまり見ないが、着実に結果を残している人】に着目したり、探し出したりして投票先を決めることも一つの方法です。

過去の政党、首長、議員、候補者等のSNS等の発言を、検索し、有言実行しているのかを確認して、投票してみてはいかがでしょうか?

今回は中選挙区、小選挙区の死票割合について具体的にグラフにして観察してきました。

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渡邉 秀成

渡邉 秀成

有価証券報告書等のテキスト解析から有権者投票傾向等、 幅広いデータを各種プログラム言語を用いて視覚化、調査をしています。 またデータ活用がしやすいキレイなデータ作成方法を提供しています。 選挙関連のデータはこちらです。 https://datastats-election.info

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