都民ファーストの会の圧勝・自民党の惨敗というインパクトのある結果に終わった今回の都議会議員選挙。総勢259人の立候補者のうち、当選したのは127名で、132名は落選に終わりました。
そこで、一口に「当選」・「落選」で片付けるのではなく、それぞれが獲得した票数について立ち止まって考えてみたいと思います。実は「当選」・「落選」の中には、ある壁が存在するのです。
まず、立候補者には「当選」までに超えなくてはいけない3つの壁があります。
最初の図をごらんください。

どの選挙も、当選する人数定数は最初から決まっていますので、何票獲得しても定数の枠からはみ出してしまえば落選となります。「当落の壁」を越えれば当選となり、議員として活動することが認められます。
しかし、例え「当選する人数」に収まっていても、法定得票数(当選が認められるために必要な得票数)を獲得できないと、当選にはなりません。 法定得票数の計算式は選挙によって異なりますが、都道府県議会議員選挙では以下の通りの計算式となっています。

この票数が得られなければ、得票数が定数の枠に収まっていても落選となります。
実際、2014年に行われた福島県の伊達市議会議員選挙では定数26のところ28名が立候補しましたが26番目の候補者が法定得票数に届かず、当選者は25名。欠員1名のまま市議会がスタートしました。
記憶に新しいところで、今年の3月に実施された鹿児島県西之表市長選挙では立候補した6人全員が法定得票数を超える得票が得られず、再選挙となっています。(首長選挙の法定得票数は有効投票数の1/4なので、5人以上の主要候補が出馬すると再選挙の可能性が高まります。再選挙では2人が辞退し、決着がつきました。)
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この他、一度は「落選」しても、「当選」になることもあります。それは、「繰り上げ当選」と呼ばれるものです。
参議院の選挙区選出議員や地方議員の場合、当選者が選挙の3か月以内(衆参の比例代表選出議員は任期終了まで)に何らかの事由で死亡・辞退した場合も繰り上げ当選の権利が発生するのは法定得票数以上を獲得した候補者のみとなります。 なお、都道府県知事、市区町村長と衆議院の小選挙区選出議員は繰り上げ当選の対象にはならず、通常の選挙や補欠選挙が行われることとなります。
最近の例では昨年10月、新潟県阿賀野市議会議員選挙で当選したものの、投開票の翌日に亡くなった山田 早苗さん(共産党)にかわって、次点で落選した山賀清一さん(無所属)が繰り上げ当選しました。
また、衆議院議員選挙で導入している小選挙区比例代表並立制では、小選挙区で法定得票数を超えていなければ、落選した候補者が比例代表で復活当選する権利が与えられません。この制度の生まれた経緯については過去の記事「何度でもよみがえる男世田谷区長・保坂展人と振り返る小選挙区の摩訶不思議」をご覧ください。
次回の記事では、「落選」を区切るもう1つの壁である「供託金没収点の壁」についてご紹介しながら、前回の都議選の候補者たちの戦いぶりに迫ります。
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