都民ファーストの会の圧勝・自民党の惨敗というインパクトのある結果に終わった今回の都議会議員選挙。総勢259人の立候補者のうち、落選した132人について、一口に「落選」で片付けるのではなく、それぞれが獲得した票数について立ち止まって考えてみたいと思います。
前回の記事では「当選」を区分する「法定得票数」の壁を紹介しましたが、今回は「落選」を区分する「供託金没収」の壁についてご説明します。例えば、有名なインディーズ候補であるマック赤坂氏は前回の都議選では落選したものの、多くの有権者から投票され、「落選の中では優秀」な存在なのです。
日本の公職選挙では、出馬に当たって供託金を支払う必要があります(都道府県議選は60万円)。

基本的にこのお金は返還されるのですが、供託金没収点を下回る得票だと没収されてしまいます。ひやかしや売名行為での出馬を制限するため、と説明されますが、所得の高い人や大きな組織のバックアップがある人に有利な一方で、低所得者の政治への新規参入を阻んでいる不公平な制度である、という批判もしばしばなされます。
先日行われた東京都議会議員選挙の落選者について、それぞれの落選区分を確認しながらその戦いの様子を振り返ってみましょう。
自ら「都知事選ファンタスティック4」を名乗り、合同での演説会も実現した、去年の都知事選に出馬・落選し、今回の都議選にも手を挙げた4名について、その落選区分を見て行きましょう。

マック赤坂氏(無所属・世田谷区)→B落選
高橋尚吾氏(無所属・杉並区)→B落選
立花孝志氏(NHKから国民を守る党・葛飾区)→C落選
後藤輝樹氏(国民ファーストの会・千代田区)→C落選
居住地ではないものの、前回の都知事選で比較的多くの得票があった選挙区を選んで立候補したマック氏、高橋氏は功を奏して供託金返還を果たしています。
立花氏はC落選となりましたが、供託金没収点に対してわずか104票足りない4,463票。後藤氏もC落選ですが、4年前の都議選で獲得した306票に対して倍増となる602票を獲得しています。
続いて、小池百合子知事が主宰する政治塾「希望の塾」出身でありながら「都民ファーストの会」から立候補しなかった方々の得票を見て行きましょう。
中村彩氏(自民党・千代田区)→A落選
宮本舜馬氏(無所属・荒川区)→C落選
土居範洋氏(無所属・南多摩)→C落選
斎藤一恵氏(希望ファーストの会・中央区)→C落選
三浦静加氏(無所属・世田谷区)→C落選
新井匠氏(無所属・北多摩第三)→C落選
自民党公認の中村彩氏以外、軒並みC落選となっています。それぞれの政策についての議論以上に、「都民ファースト」圧勝の風の前にはその公認・推薦という看板の有無が命運を大きく分けてしまいました。
武田完兵氏(無所属・台東区)→C落選
地方議員ゼロの会(大田区・世田谷区・杉並区)→全員C落選
北島邦彦氏(都政を革新する会・杉並区)→C落選
手作りポスターで一部話題となった武田氏は台東区長選から倍増の686票。一部メディアで「ホリエモン新党」と呼ばれた「地方議員ゼロの会」は選挙期間中堀江貴文氏から応援演説などによるバックアップは得られた様子はなく、全員供託金没収となりました。
中核派の支援を受け、「安倍を監獄へ」という強烈なキャッチコピーで選挙にのぞんだ北島氏は元杉並区議会議員で政治経験もあるのですが、残念ながら供託金没収。
このほか、既成政党の候補者も民進党で5名、自民党で2名、共産党で2名、維新で2名が法定得票数を下回るB落選となっており、「都民ファーストの会」の一人勝ちをうかがい知ることができます。
以上のように一口に「落選」と言っても、その中には壁が存在することが分かります。今後、選挙結果を見る際にはぜひ、「どんな落選だったのか」にも注目してみてくださいね!
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