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【国民怒りの声 小林興起候補・小林節候補編】最年少区議の選挙現場レポート

2016/6/29

伊藤 陽平

伊藤 陽平

伊藤陽平新宿区議による、選挙現場レポート。前回に続き、今回は「国民怒りの声」の小林興起候補にインタビューを行なっていただきました。


野党共闘という言葉がメディアを通じて広まっていきました。

主要な野党勢力が結束を強め、憲法9条を切り口に安倍政権を批判しています。
しかし、各政党が同じことを言ってるように見えてしまい、違いがわからなくなってきたと感じている有権者も多いのではないかと思います。

そこで、野党間での違いとは何か。
新しく立ち上げられた国民怒りの声から東京選挙区に立候補された小林興起候補、また代表の小林節候補にお話を伺ってきました。

文字通り、「怒り」で立候補を決めた

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-(伊藤陽平新宿区議)今回立候補した動機を教えてください。

小林興起候補:今の政治に関する問題点がいよいよ露出してきてね、この国民怒りの声を立ち上げた小林節さんが言うように、昨年は憲法を解釈で改正するということがあってね。そんな国は普通じゃないから、憲法なんて国民投票で決めないといけない。
そこまで、なぜ日本の政治が劣化したか。その原点を考えると、憲法の改正もアメリカの要請でしょ。私はもともと、これもアメリカの要求だったけど郵政民営化の時、これに反対したら自民党を追放されてました。テレビや新聞では郵政民営化について、誰もアメリカの要求だということを言わないわけです。それで、何と報道したかっていうと、選挙の時に、「郵便局が便利になる」っていう、小泉さんの話だけを出したんですよ。
つまりこの頃から、アメリカに必要以上にゴマをするという哀れな政治になっていったのです。そうやってきて、経済が成長しなくなったアメリカの金融市場に魂を売っているわけだから。アメリカがどんどん日本からお金を吸い上げることになったことで、日本は経済が成長しない、GDPが上がらない国になるわけでしょ。それに加えて、昨年の憲法問題。これは、今こそ政治家は怒りの声をあげなければいけないと。それで、東京選挙区で(国民怒りの声と)合流をして、立候補をしました。

民進党は野党ではない。本当の野党を作る

-(伊藤)他の、憲法や消費税について言及している野党とは、どのように違うのでしょうか。

小林興起候補:政策の字面が似ているものとして、共産党がありますが、共産党には歴史的にもいろいろなことがあって、私たち保守政治家は一緒になれないじゃないですか。

-(伊藤)保守の中でも野党、ということでしょうか。

小林興起候補:私たちはあくまでも、自民党に対する野党です。本来は民進党(旧民主党)がそうだと思っているのではないでしょうか。しかし、TPPを進めたのは実は民主党で、消費税を上げると言ったのも民主党。自民党との根本的な差がないわけです。だから一緒にはなれないじゃないですか。
国民が期待する、本当の野党としてのね、保守。何が違うかっていうと、アメリカの言いなりにならない新たな政治勢力なんです。アメリカの言いなりかどうか、ここがポイントなんです。

 

「18歳には歴史を勉強して欲しい」アメリカ軍基地問題を提起

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-(伊藤)18歳選挙権で若者の政治参加に注目が集まっていますが、若い世代に対してメッセージがあればお願いします。

小林興起候補:若者については、無限の可能性があると思うので、しっかり勉強して立派な人になってもらいたいです。
もう一つ、政治家として彼らに期待したいことは、「歴史を学んでほしい」ということです。明治以来、日本はね、福沢諭吉が説く独立自尊を苦労して歩んできた国で、世界の欧米列強と日本、そこで独立するということでアジアの国々から素晴らしい国だと言われた。
アジアの指導者の中にも、日本を見習って独立した国がたくさんいるわけですよ。今見てごらんなさいよ、福沢諭吉の精神は今いずこ。アメリカの言いなりになって、自分の国を自分で守ろうということもなく、ただアメリカの基地を置かれているというだけです。それはおかしいでしょう。
自分の国を自分で守るってことは、外国軍にいつまでも占領されてはならない、その象徴としての日米地位協定、これは何なんだと。米軍が(日本に)「居てやってる」と書いてあるのが、日米地位協定ですよ。
沖縄の女性がいたずらされても全く無罪。この地位協定こそがね、日本を、世界を守るっていうことじゃなくてね、ただ占領しているってことなんですよ。

 

立候補して感じる、議員の「参入障壁」

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続いて、国民怒りの声の党首である慶応大学教授・憲法学者の小林節候補から、憲法に踏み込んだ話、また選挙の公平性に関する実態についてもお話いただきました。

-(伊藤)今回、どのような気持ちで選挙に挑まれていますか?

小林節候補:安倍首相による憲法改悪を止めたいです。

-(伊藤)憲法については、野党も言及していますよね。

小林節候補:憲法改悪という点では同じだと思うんですけど、私たちは自衛隊による専守防衛は第二警察として合憲だという立場です。そこが野党とはよじれちゃうんですよね。
他の野党は、憲法改正反対で何が何でもこのまま守ると主張しています。私たちは、主権者国民が権力者を縛る憲法を権力者が国民を縛るという憲法に変えよう、という自民党の案に、明確に反対しているわけですよ。
9条もですね、非武装平和と読めるような条文ではまずいから、侵略戦争はしません。
自衛戦争はします。自衛軍も持ちます。自衛軍を用いて国際貢献もします。それには米軍のご命令ではなくて、国連の安全保障理事会の決議、これは実際ありえないですけどね、つまり、9条の精神を踏み破られないよう改正することを考えているんです。これは、他の野党ではタブーなんです。だけど9条は安倍さんによって破られちゃったじゃないですか。
それから、今年の予算を見るとわかるように、戦争もしていないのに、財政赤字のくせして、戦後初めて大型軍備予算が積み上げられている。これをやめてですね、民生型にすれば、保育所も育児も、それから大学生の奨学金も、老後の年金も、働いている人の待遇改善も、全部できるんですね。戦争型予算を民生型予算に組み替える。
言論の自由の改革、反辺野古、反TPP、反原発、消費税反対、それから軍事型予算を平時型予算に変える。これは、他の党と似てるんですね。
しかし実際に選挙をやってみたら参入障壁はすごい。議員が一人もいないと、全く報道されないんですよね。これは予想外でした。参政権も表現に自由があるのにも関わらず、選挙に関して参政権や表現の自由が奪われてしまいます。

 

目立てていないことに焦りを感じる

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-(伊藤)今回の選挙の手応えはどうでしょう?

小林節候補:二つあります。一つは、期待しています。
もう一つはですね、期待しているからこそ、自分が今目立っていないことがショックです。つまり、期待とがっかりなんです。ここで立たないと、年も年ですから、後悔する。判断は日本の民度が決めることですから。それは、淡々と決定にしたがって、自分の生き方をこれからも続けていきます。
あとは、差別選挙制度だなと、そういう印象です。同じ供託金を支払っても、露出が全然違う。

国民怒りの声から立候補された小林興起候補は、財務副大臣も務められたベテランの政治家です。減税日本の代表代行の経験もあり、成長を前提とした減税を訴えられていることは印象的でした。スクーターで街を移動し、ボランティアスタッフとして若い学生チームも頑張っている様子でした。

また、小林節候補がおっしゃるように議員のいない政党では、選挙に大きな影響を与えるテレビや新聞などでは取り上げてもらえないというのが現実です。
特に新しく登場した動きほど、既存の政党との違いを説明することは簡単ではないため、PRする機会が必要です。

また、安倍政権の憲法改正や安保法制などに反対する立場ではありますが、民進党や共産党とはまったく異なる野党のあり方を打ち出していることは、ぜひ皆様にも知っていただきたいと思います。
自民党に投票したくはないけど、野党の主要政党に投票することはできないな、とお考えの方は、一票を投じる選択肢になるかもしれません。

※ 当メディアは政治に関心を持っていただくために中立な立場からポジティブな情報発信を心がけております。
※ 普段は現役の政治家の方からの寄稿は行なっていませんが、本企画に限り、寄稿いただいております。

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伊藤 陽平

伊藤 陽平

28歳、現職最年少の新宿区議会議員。元学生起業家。当選前から、インターネットでの選挙啓発として、衆議院議員選挙(東京一区)の全候補者へインタビューを実施し、話題となる。その後、統一地方選に立候補し、ネット選挙活動を展開し当選。議会質問のオンライン公募などインターネットを活用した政治活動を展開する。現在は現職議員として、政策立案に人工知能を活用することにも挑戦。365日ブログを更新するブロガー議員。

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