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まさに経済VS防衛!結果の読めない山形市長選挙が面白過ぎる

2015/9/5

高橋 茂

高橋 茂

出羽国の大名最上義光の像

出羽国の大名最上義光の像

2015年下半期大注目の選挙

やっと暑い夏が終わり、東北は秋の風が吹き始めた頃だろう。
本日9月6日告示、13日投開票の山形市長選挙が面白い。
県庁所在地の首長を決める大型選挙であるということだけではなく、いくつかのポイントがあるからだ。

Point1:国政政党が火花を散らす

ひとつは、政党対決の様相を呈していること。

佐藤孝弘氏

佐藤孝弘氏

実質的な一騎打ちとなるこの選挙。
自民・公明・次世代・改革の推薦を受けて出馬する佐藤孝弘氏(39)は東大法学部卒の元経済産業省職員。前回の市長選にも立候補したが、現職に惜敗している。

山形市長選挙結果(2011年)

梅津庸成氏

梅津庸成氏

もうひとりは、民主・共産・社民・生活の推薦を受けて出馬する元防衛省職員の梅津庸成氏(48)。まさに経済VS防衛!この二人の後ろには各政党が立って熾烈な戦いが繰り広げられる。

さらに維新の党の柿沢未途幹事長が梅津氏の応援にこだわり、結果として党分裂を引き起こしてしまった事件も少なからず全国的な関心を呼ぶこととなった。維新としては本来行政改革に熱心な佐藤氏を推薦したいところだろうが、柿沢幹事長が「職を辞してでも梅津氏の応援に行く」と表明したことにより、一気に地方の首長選挙が国政レベルのニュースとなってしまった。

Pont2:よく似たプロフィール

候補者のプロフィールも面白い。
佐藤氏はまだ若い30代。しかもイケメン(ここは各人の判断に委ねるところだが)で優しそうな顔の裏に熱い想いを秘めている。実は、私は彼と何度か一緒に酒を呑んだことがある。そのときは明るく物静かな印象だったが、前回の市長選に出馬すると聞き、友人たちが応援団を結成して代わる代わる山形に乗り込んだ。結果は惜しかったが、彼はそこから4年間山形に腰を下ろし、丁寧に地元をまわりながら市民の声を聞いてきた。

梅津氏はなんとあの慶応大学の小林節ゼミで法律を学び、防衛省に入省したという異才。プロフィールの写真を見ると、こちらもなかなかのナイスガイだ(当然各人の判断に委ねるが)。日本の未来を占う大問題となっている安保法制が「憲法違反だ」として自らが旗を振って前線で活動しているあの小林名誉教授の教え子である。さらに米国ジョージ・ワシントン大学にも留学し、ガストン・シグール東アジア研究センターで客員研究員としても学んだ。その後外務省の「軍縮不拡散・科学部」に在籍し、生物・化学兵器禁止条約室長を務めている。2010年の参院選では山形選挙区から立候補し、惜敗している。

どちらも大学の法学部で法律を学び、かたや経産省かたや防衛省の職員だったエリートで、似た経歴を持っている。異なるのは、梅津氏が地元山形市出身ということに比べて佐藤氏はお父さんが山形大学で学んだということぐらいで若干地元色に差があるくらいか。

私が佐藤氏と知り合ったのは、彼が東京財団の研究員をしていたときだった。まさか市長選に出るとは思っていなかったが、前回の選挙で敗れてからの4年間の活動を見ると、相当の覚悟が感じられる。本来であれば、彼の応援にまわりたいくらいだが、今回はそうせずに出来る限り公平な視点で選挙を見たい。

Point3:保守に不利な土地柄

3番目のポイントは、保守不利・革新有利な土地柄という点だ。
今回不出馬を表明した現職の市川昭男山形市長は、民主・社民そして共産の推薦を受けて当選し二期務めた。今回梅津氏の支援を表明した吉村美栄子山形県知事は、今まで政党ではなく人物を見て支援を決めてきた。前回の参院選では自民党候補の応援をし、今回は梅津氏の応援をする。市議会の構成も自公は過半数を取っていない。

Point4:国政が影響しそうな状況

4番目のポイントは現在大問題となっている安保法制の行方に少なからず影響を及ぼしそうなところにある。
実質的な保革対決となり、しかも梅津氏が小林節氏の教え子ということもあって、梅津陣営は安保法制の問題を大きく取り上げている。佐藤氏は山形市の課題を第一に挙げるが、ここで落としてはならんとおそらく国政並みの選挙になるはずだ。そうなると関心も上がり、山形には直接関係ないと思われる安保法案も争点となる可能性がある。

私はつい先日まで、自公の推薦を受け、この4年間山形市をつぶさにまわってきた佐藤氏が有利であるように思っていたが、現在の国政の状況や知事が付くことなどから梅津氏のほうが有利にも思える。東京でニュースだけを追っていてもわからない。

実はもうひとり、五十嵐右二氏が立候補を表明している。検索してみるとどうやら山形市内でラーメン店を経営しているらしい。ウェブサイトも見つからないし、本人だと思われるFacebookを見てもラーメンのプロフィール写真しかアップされていないので、現時点では泡沫候補としか思えないが、せめて顔写真ぐらいは掲載できるようになるべく情報を入手したい。

こうなれば、現地に行ってじかに空気を感じて来るしか無い。
一日や二日行ったところで戦況が正確に分析できるとは思えないが、逆に空気を感じて何かがわかるのかどうか、それを確かめたい。
国政にも影響を与えそうな注目選挙。さあ、どんな結果になるか。

 

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高橋 茂

高橋 茂

2000年、電子楽器のエンジニアから政治とインターネットの世界へ。政治家のネット活用をサポートするVoiceJapan社を経営する傍ら、講演、執筆も行う。武蔵大学非常勤講師。選挙ドットコム顧問

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