国会議員には、JRの新幹線グリーン車含むすべての路線を乗り放題できるパスが支給されているんです!
そもそもこのパスは、地方の選挙区から選出された議員が、国会を行き来する際に多大な交通費が掛かるのを考慮し、国会に近い関東で選出された議員との交通費負担を平等にするために支給されています。以前、元衆議院議員の杉村太蔵氏が当選した際、「国会議員はグリーン車乗り放題ですよ!」と発言し世間を騒がせたように、一般人からするとうらやましい限りだと思います。
国会議員に選出されると、地元の選挙区への交通手段に合わせたパスを以下の組み合わせから特権を選べるようになっています。
①JRパスのみ
②JRパス及び1カ月当たり東京・選挙区間3往復分の航空券引換証
③1カ月当たり東京・選挙区間4往復分の航空券引換証
②番がお得過ぎる!! しかし、航空機クーポン券は、当然のことながら首都圏近郊選出の議員が貰うことはできません。国会のルールでは、西は愛知県・三重県・岐阜県・滋賀県までの人は航空券を選択できず、京都府・大阪府・奈良県以西の人から貰うことができるようになっています。また、東北地方の場合でも、福島県・宮城県まではJRパスのみの支給となりますが、岩手県・秋田県・山形県以東は航空券も選択可能となっています。
職務上、国会議員は全国を飛び回って仕事をしていますので、ほとんどの議員が①か②の組み合わせパスを選択し、交通機関を利用しています。
しかし、これらの特権は、JRや航空各社が無償で提供しているものではありません。国会議員に支給されているJR乗り放題パスや航空券の代金は国の予算から支出されています。その額、なんと年間13億円!!
“魔法のパス”は間接的に私たち国民の税金で支払われています… 国会議員の皆さんには、十分に取り返すくらいの活躍をしていただかないといけませんね。
意外と知られていませんが、国会議員は私鉄やバスも乗り放題です。国会議員には、私鉄各社に乗ることができる「鉄道軌道乗車証」と、全ての路線バスに乗ることができる「バス優待乗車証」が支給されています。これらのパスを見せれば無料で乗り放題です。
しかし、JRや航空会社については衆参事務局予算から年間13億円もの金額が支払われていますが、私鉄やバス会社については一切支払われていません。私鉄やバス会社は、国会議員を無償で乗せている状態なのです。そもそも、これらのパスはどれだけ使われているか実態もわからず、パスの発行元である日本民営鉄道協会と日本バス協会は、衆参両院の事務局にパスの廃止か費用負担を求めて打診を続けています。
国会議員が公共交通機関を基本的に無料で利用できるのは、国会と選挙区の移動や公務出張のためです。議員として、国民のために仕事をするとなるとかなりコストがかかるのは事実ですし、しょうがないと思います。しかし、国会議員にはこうした乗り放題のパス以外に、年間1200万円もの「文書通信交通滞在費」という別のお金も支給されています。福利厚生にしては過剰かもしれません。皆さんはどう考えますか?
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