前回は参院選の投票区の説明と当選の仕組みについて触れました。今回はその投票区にも関連する話で「一票の格差問題」についてまとめてみました。

参院選の「選挙区選挙」だと、有権者1人は候補者1人に対して投票できます。つまり1人1票持っています。しかし全国47選挙区から選出される73人の議員の間には、1票の重みが選挙区によって異なるという現象が起こっています。
例えば2013年の参院選時には、北海道の有権者約460万人に対して議員定数が4人、鳥取県の有権者約48万人に対して議員定数2人でした。有権者数は約10倍の開きがあるのに、議員定数は2倍しか変わりません。これを議員1人当たりの有権者数で計算すると、北海道は約115万人で鳥取県は約24万人。その差は厳密な計算では4.77倍になります。つまり鳥取県の1人1票の重みを基準にすると、北海道では1人0.21票しかないということです。このように1票の重みが地域によって異なるのが「一票の格差問題」です。
それでは1票の格差問題について、過去の参院選を振り返ってみましょう。初めて参院選が実施された1947年には最大格差が2.62倍でした。その後都市部での人口増加を背景に、92年の参院選では過去最高の6.59倍まで格差が広がりました。その後、選挙区の定数の増減で調整が図られ、13年の参院選では4.77倍になりました。では1年後に迫った2016年の参院選では、「一票の格差問題」はどうなるのでしょうか?
次回は一票の格差問題をどのように是正すべきか、「参院選挙制度改革」の流れをおさらいしてみます。
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします