2026/9/8
皆さん、こんにちは。枚方市議会議員のかじや知宏です。
8月26日に開催された総務委員協議会では、全部で5の案件について協議しました。
その案件の中から、今回は「次期総合計画の策定に向けた取組について」を取り上げます。
「総合計画」と聞くと、少し難しく感じるかもしれません。
しかし、これは枚方市がこれからどんなまちをめざし、子育て、教育、福祉、道路・交通、防災、公共施設などをどのような方向で進めていくのか、その土台となる大切な計画です。
今回、その検討材料となる新しい将来人口推計が示されました。
📌 令和8年から10年間で約1万6,000人減少
📌 30年間では約7万5,600人減少
📌 令和38年には31万4,832人になる見込み
人口が減るだけではありません。子どもの数が減る一方、高齢化が進み、枚方市に必要とされる行政サービスそのものが変わっていきます。
だからこそ私は、「人口減少を前提として、30年後の枚方市から逆算してまちづくりを考える必要がある」という視点から質疑を行いました。

枚方市では現在、令和10年度からスタートする次期総合計画の策定を進めています。
今回、市からは将来人口推計や未来予測、市民・事業者へのアンケート、ワークショップの結果などとともに、次期総合計画の基本構想について、現時点での考え方が示されました。
次期計画は「基本構想」と「基本計画」で構成され、基本計画については令和10年度から12年間を計画期間とする予定です。
私が重視しているのは、
「人口が減っていくことを前提に、本当に持続可能な計画になっているのか」
という点です。
人口が増えていた時代と、人口が減っていく時代では、まちづくりの考え方も変えていかなければなりません。
今回示された将来人口推計では、令和8年5月1日の人口を基準に、出生、死亡、人口移動などを踏まえて将来人口が計算されています。
その結果、
【枚方市の将来人口推計】
▶ 10年間で 約1万6,000人減少(▲4.1%)
▶ 30年間で 約7万5,600人減少(▲19.4%)
▶ 令和38年 31万4,832人
と推計されています。
およそ5人に1人分の人口が減少する規模です。
一方、前回の令和5年度推計と比較すると、人口減少のスピードは緩やかになっています。
例えば令和35年の人口は、前回推計では30万6,409人でしたが、今回は32万5,295人となり、約2万人上方修正されています。
市はその主な要因として、子育て世代や高齢世代の社会移動率の改善、外国人人口の増加などを挙げています。
しかし、「前回より人口減少が緩やかになった」ことと、「人口減少が止まった」ことは全く違います。
30年という長い目で見れば、枚方市の人口が大きく減少していく方向そのものは変わっていません。

重要なのは、人口が減少することだけではありません。
人口減少や高齢化が進むことで、枚方市に求められる行政サービスや都市機能も大きく変わっていきます。
今回、枚方市では将来人口推計に加えて、人口や年齢構成の変化をもとに、さまざまな行政分野で将来どのような需要や課題が生じるのか、「未来予測」も行っています。
将来的には、
📉 子どもの減少
→ 保育・幼稚園の需要や、小・中学生の人口が減少


📈 高齢化の進展
→ 医療や介護などの需要が増加


🏫 公共施設の老朽化
→ 人口規模や利用状況も踏まえながら、施設の更新や再編が必要に

🚌 公共交通を取り巻く環境の変化
→ 人口減少や担い手不足が進む一方、高齢化による移動ニーズも踏まえ、持続可能な移動手段の確保が課題に

といった変化が見込まれます。
つまり、人口が2割近く減るからといって、すべての行政サービスを一律に2割減らせばよいわけではありません。
需要が小さくなる分野がある一方で、これまで以上に必要となる分野もあります。
だからこそ、
「人口が何人になるか」だけでなく、「人口構成や市民ニーズがどう変わるのか」
まで見据えて、枚方市の行政サービスや公共施設、交通など、まち全体のあり方を考えていく必要があります。
そこで私は、今回の人口推計や未来予測を、次期総合計画にどのように反映するのか質問しました。
市からは、人口減少や高齢化を踏まえ、
📌 公共交通ネットワークを生かした都市機能の集約化
📌 高齢化による医療需要の増加を踏まえた地域医療資源の効果的な活用
などを基本構想の「構成要素案」に反映しているとの答弁がありました。
実際、資料でも、公共交通ネットワークを生かしながら都市機能を拠点へ集約し、周辺の住環境との調和を図る方向性が示されています。
医療についても、高齢化によるニーズの多様化・増加を見据え、地域の医療資源を効果的に活用していく考え方が示されています。
これは重要な方向性です。
人口が大きく減る中で、現在と全く同じ規模、同じ配置、同じ方法ですべての行政サービスを維持することには限界があります。
だからといって、単純にサービスを削るのでもありません。
必要なサービスを将来にわたって維持するために、「どうすれば、より効率的で持続可能な形にできるのか」を考えることが、これからの枚方市に求められます。
もう一つ、私が5月の総務委員協議会から重視してきたのが、市民との情報共有です。
市民参画というと、
「枚方市をどんなまちにしたいですか?」
と市民の意見を聞くことに目が向きがちです。
しかし、それだけでは十分ではないと考えています。
人口がこれからどう変わるのか。
どのような行政需要が増えるのか。
反対に、どのような需要が減るのか。
こうした枚方市の「現在地」と「将来予測」を行政と市民が共有したうえで、一緒に将来を考えることが大切です。
今回、市からは、ワークショップでは将来人口推計などを参加者と共有した上で未来のまちについて議論し、市民アンケートでも10年後・30年後の人口推計を示して意見を聞いたとの説明がありました。
実際にワークショップは6月から8月まで5回開催され、現在の枚方市の特徴や課題から、100年後の未来の枚方市まで、市民や事業者が議論しています。
また、市民、子ども、若者、事業者、NPO法人などを対象とした各種アンケートも行われています。
こうした「情報を共有してから、一緒に考える」というプロセスは、これからも大切にしてほしいと思います。
今回、最後に私から強く要望したのが「広域連携」です。
人口減少が進み、働き手や専門人材も少なくなっていく中で、一つの自治体だけですべての行政サービスや都市機能を維持することには、いずれ限界がきます。
これまでも枚方市では、消防やごみ処理など、自治体の枠を越えた広域的な連携が行われています。
しかし、これからは、
・公共施設
・公共交通
・福祉
・行政サービス
・専門人材の確保
など、より幅広い分野で近隣自治体との連携や役割分担を考える必要があると私は考えています。
現行の第5次総合計画では、「広域連携」は「計画推進」の一項目として位置付けられています。
私は、次期総合計画ではさらに一歩踏み込み、
「広域連携を、個別課題を解決するための一つの手法ではなく、人口減少社会のまちづくりを支える基盤のひとつとして位置付ける」
ことを検討してほしいと要望しました。
今回の将来人口推計からも、長期的な人口減少を前提として、これからの枚方市のあり方を考えていく必要性が改めて明確になりました。
だからこそ、これからの枚方市に必要なのは、人口を奪い合うような都市間競争だけに目を向けるのではなく、人口減少を前提として、まちのあり方そのものを見直していく視点だと考えています。
そこで重要になるのが、「スマートシュリンク」という考え方です。
スマートシュリンクとは、人口が減る中で、まちを単純に縮小したり、行政サービスを一律に削減したりすることではありません。
人口規模や年齢構成の変化に合わせて、公共施設や都市機能、交通、行政サービスなどを適切な規模や形へと再編し、将来にわたって暮らしやすいまちをつくっていく考え方です。
例えば、子どもの数が減れば、学校や保育施設などの需要も変わります。一方、高齢化が進めば、医療や介護、移動支援などの重要性はさらに高まります。
大切なのは、
「何を減らすか」ではなく、「人口が減っても、必要なサービスと暮らしの質をどう維持していくか」
という視点です。
そのためには、公共施設の再編や複合化、都市機能の集約、DXによる行政の効率化、そして枚方市だけですべてを抱え込まない広域連携など、これまでの行政の仕組みそのものを人口減少時代に合わせて再構築していく必要があります。
今つくる公共施設や道路、行政の仕組みは、30年後の枚方市にも大きな影響を与えます。
だからこそ次期総合計画では、「人口が減らないこと」を前提にするのではなく、「人口が減少しても持続可能で、暮らしの質を維持できる枚方市」をどうつくるのか。
スマートシュリンクの視点をしっかりと持って、30年後から逆算したまちづくりを進めることが重要だと考えています。
次期総合計画は、令和10年度からの枚方市のまちづくりを方向付ける重要な計画です。
今後は、令和8年10月に基本構想(試案)についてパブリックコメントを実施し、11月の総務委員協議会で報告される予定です。その後、令和9年度に総合計画の素案作成、パブリックコメントなどを経て、計画策定へと進む予定です。
人口減少という現実を必要以上に悲観する必要はありません。
しかし、見て見ぬふりをすることもできません。
人口や年齢構成が変われば、公共施設、交通、医療・介護、教育、子育てなど、枚方市のさまざまな政策も変えていく必要があります。
「今の枚方市をそのまま30年後まで維持する」のではなく、
「人口減少を前提に、これからの枚方市のまちの形をどうつくり直していくのか」
という視点が重要です。
市民の皆さんと枚方市の現状や将来予測をしっかり共有しながら、持続可能で、将来世代に責任を持てる次期総合計画となるよう、引き続き議会から提案していきます。
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