2026/8/29
皆さん、こんにちは。枚方市議会議員のかじや知宏です。
8月26日に開催された総務委員協議会では、全部で5つの案件について協議しました。
その案件の中から、今回は「枚方市公共施設マネジメント推進計画等の改訂(素案)について」を取り上げます。
枚方市では、人口減少や少子高齢化が進む一方、学校や図書館、幼稚園、保育所など、多くの公共施設で老朽化が進んでいます。
これからもすべての施設を今までと同じ形で維持していくことは難しくなります。
だからこそ重要なのは、単純に「施設を減らす」という発想ではありません。
必要な市民サービスを守りながら、学校、幼稚園、保育所、図書館、集会施設などの機能をどう組み合わせ、地域全体としてより良い公共施設にしていくのか。
今回の総務委員協議会では、この「全体最適」の視点から質疑を行いました。

枚方市は今回、「枚方市公共施設マネジメント推進計画」と「枚方市公共施設再編方針」を改訂するとともに、新たに「公共施設の適正配置に係る将来イメージ」を策定しようとしています。
この「将来イメージ」は、枚方市の公共施設について、概ね40年後のあるべき姿を描き、最適な配置に向けたロードマップとするものです。
背景にあるのが、人口減少と少子高齢化です。
枚方市の人口推計では、令和8年から令和38年にかけて人口減少が続き、65歳以上の割合は29.3%から44.3%まで上昇すると予測されています。人口構成が大きく変われば、必要とされる公共施設やサービスも変わります。
公共施設を「今あるから、そのまま残す」と考えるのではなく、
📌 どのような機能が必要なのか
📌 どこに配置するのが便利なのか
📌 他の施設と一緒にできないか
という視点で考え直す必要があります。
今回の素案では、令和9年度から令和28年度までの20年間を計画期間とし、市有建築物の延床面積を「8万㎡、約10%」縮減する目標が示されています。
なぜ、これほど大きな見直しが必要なのでしょうか。
現在の市有建築物を今後40年間すべて更新・改修すると、年間平均で約101.3億円が必要になるとの試算があります。
建物を長く使う「長寿命化」を進めても年間約89.7億円。一方、過去5年間に実際に使ってきた平均額は年間約72.0億円です。
つまり、長寿命化だけでも毎年約17.7億円のギャップが生じる計算です。
【ここがポイント】
公共施設マネジメントは、単なる「施設削減」ではありません。限られた財源の中で、本当に必要なサービスを将来の世代にも持続可能な形で残していく取組です。


今回の「将来イメージ」で注目したいのが、「多機能化」です。
枚方市は公共施設を「地域施設」と「広域施設」に分け、学校、集会施設、図書館、スポーツ施設、幼稚園・保育所などの地域施設について、今後の人口や市民ニーズに応じた最適配置を検討します。
例えば、
・学校の特別教室などを集会施設として活用する
・学校図書室を図書館機能として活用する
・学校体育館などをスポーツ活動に活用する
・幼稚園や保育所などを学校施設へ複合化する
といった考え方です。
特に幼保・こども園については、老朽化などに伴う再編の際、学校施設への複合化を検討する方向性が示されています。
一つの建物に複数の機能を持たせることができれば、施設総量や将来の維持管理費を抑えながら、市民サービスを維持・向上させる可能性があります。



今回、私は実際の施設を例に質疑しました。
今月、大阪維新の会枚方市議団で築56年となる禁野保育所を視察しました。
床など施設の老朽化が進んでいるだけでなく、プライバシーの確保やインクルーシブな保育など、現在の多様な保育ニーズへの対応という点でも課題が見受けられました。
その一方、近くには禁野小学校の新校舎が今月完成しました。
さらに、そのすぐ隣には、禁野保育所と同じく昭和40年代に開設された高陵幼稚園があります。
新しい学校のすぐ隣に老朽化した幼稚園があり、近隣には同じように老朽化した保育所がある――。
ここで私が感じたのは、
「約10年前、高陵小学校と中宮北小学校の統合を検討し始めた時点で、学校だけでなく、周辺の幼稚園や保育所まで含めて地域全体の公共施設のあり方を考えられなかったのか」
ということです。
もちろん、それぞれの施設には異なる役割があり、担当部署も違います。
しかし、建物の更新は数十年に一度の大きな機会です。
そのタイミングを逃してしまえば、次に地域全体の公共施設を再編できる機会は何十年も先になるかもしれません。
そこで私は、公共施設の多機能化・複合化を、行革推進課だけではなく、学校、幼稚園、保育所、図書館、生涯学習市民センターなどを担当する各部署とどのように連携して進めるのかを質問しました。
市からは、施設の利用状況や今後の需要、築年数、立地などを踏まえ、施設所管課と十分に連携しながら総合的に検討していくとの答弁がありました。
これは非常に重要です。
計画上も、総合政策部長を委員長とする「公共施設マネジメント推進委員会」と、その下に行革推進課を中心に、企画・財政・営繕部門、施設所管部署などによる「公共施設マネジメント推進会議」を設けることとされています。
さらに市からは、10月に公共施設マネジメント研修を開催し、部長以上の職員や希望する職員、市議会議員も参加して、多機能化について学ぶ予定であることも示されました。
制度や組織を作るだけではなく、実際に部署を越えて動けるかどうか。
ここが、これからの大きなポイントです。

新しい禁野小学校の整備は、子どもたちの教育環境を充実させるという点では、大きな成果だったと思います。
一方、公共施設マネジメントという視点で見ると、隣接する高陵幼稚園や近隣の禁野保育所まで含め、地域全体の施設のあり方を検討する余地があったのではないでしょうか。
大切なのは、それぞれの施設だけを見た「個別最適」ではなく、枚方市全体を見渡した「全体最適」です。
学校は教育委員会、保育所は保育部門、集会施設は別の部署――と、それぞれが自分の施設だけを考えていては、複合化や多機能化は進みません。
だからこそ私は、
「施設所管部署の縦割りを越えて、庁内に横串を刺す」
ことが必要だと訴えました。
今回の計画でも、公共施設マネジメントを分野横断的に進めるため、職員への研修や施設評価を行い、PDCAサイクルで取組を進める方針が示されています。
計画を作るだけでは、枚方市の公共施設は変わりません。
総合政策部が中心となり、部署と部署をつなぎ、具体的な施設再編まで動かしていくことが必要です。
人口減少時代の公共施設マネジメントは、簡単な取組ではありません。
朝日新聞の連載記事「8がけ社会」の中で、元鳥取県知事の片山善博さんが、人口が増える時代と比べ、縮小する時代は合意形成に大きな労力が必要になる一方、それを決してないがしろにしてはいけない、という趣旨の指摘をされています。
公共施設の再編も同じです。
「施設をなくす」「統合する」という話だけが先行すれば、市民の皆さんにとって不安な話になってしまいます。
一方で今回の将来イメージは、現時点で具体的な施設の統廃合を決めるものではなく、概ね40年後を見据えた「たたき台」です。具体化する際には、市民や地域とイメージを共有しながら進めることとされています。
だからこそ、
「何をなくすのか」だけではなく、
「必要なサービスをどう残すのか」
「施設を組み合わせることで、今より便利にできないか」
「子どもたちや次の世代に、どのような公共施設を引き継ぐのか」
という前向きな議論が必要です。
枚方市の公共施設を持続可能な形で次の世代につないでいくため、今回の計画改訂を「計画を作って終わり」にするのではなく、庁内の縦割りを越え、実際の施設再編につなげていけるよう、引き続き議会からチェックし、提案していきます。
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ホーム>政党・政治家>かじや 知宏 (カジヤ トモヒロ)>【枚方市】人口減少時代の公共施設再編へ|複合化・多機能化どう進める|総務委員協議会の案件より(1)