2024/7/16
○田中(健)分科員 国民民主党、田中健です。よろしくお願いいたします。
本日は、ゼロゼロ融資、またスポーツビジネスについてお伺いしたいと思います。
齋藤大臣におかれましては、中小企業庁で政策金融機関やまた信用保証協会の運用にも携わったということでありますので、是非、実務面にも携わった面から御指導いただければと思っています。
日経平均が史上最高を更新しています。一方で、企業倒産が相次いでいます。令和五年の全国の企業倒産数は八千六百九十ということで、前年比の三五・二%増、これは平成四年以来の三十一年ぶりの高水準だということです。急速に倒産件数が増加をしています。大企業は好景気だということを迎えているかもしれませんが、中小企業には厳しい現状が続いています。
日本経済の流れを、大臣は冒頭、潮目の変化という発言がありました。しかし、中小企業をめぐる日本経済の足下という状況は、大臣から、まずどのように認識をされているのかというのを伺いたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣 中小企業の業況判断、いわゆるDIは、全産業で約三十年ぶりの最高水準を記録し、中小企業の賃上げ、設備投資も順調に伸びているなど、経済の状況は全体としては改善をしているんだろうと思いますが、一方で、多くの中小企業は、人手不足やエネルギーコストの上昇、物価高騰等の課題に直面をしていると認識しています。
倒産件数ですけれども、これはコロナ前の水準に戻りつつあるわけでありますが、完全失業率は低水準で推移しておりまして、引き続き注視をしていくという必要があると思っています。
いずれにしても、コスト増に対応するための価格転嫁対策や急激な環境変化に対応するための資金繰り支援によって、中小企業の経営をしっかりと支えていくことが重要だなというふうに思っています。
その上で、今のような状況を打開するためには企業自らの意欲的な挑戦が不可欠でありまして、今、我々としては、このために、革新的な製品、サービスの開発ですとか、新たな顧客層の獲得や販路の開拓ですとか、IT導入や人手不足に対応した省力化投資等を支援することで、売上拡大、生産性向上を図って更なるチャレンジを促していきたい、こういうふうに考えているところであります。
○田中(健)分科員 今、中小企業の賃上げということで、大企業に続いて、是非とも春闘が始まる中で実現をしたいとは思うんですけれども、しかしながら、今回、コロナ禍でこの中小企業を支えてきた実質無利子無担保のゼロゼロ融資の返済が始まっておりまして、同融資を利用した中小企業が倒産をしているという現状もあります。
その中で、会計検査院が、政府系金融機関が行ったこの特別融資十九兆円のうち、一兆円が回収不能かそのおそれがあるということを指摘をされておりました。中身としましては、審査の手続の問題や、また、融資先の財務状況を定期的に確認できていなかったなど、リスクの把握が不十分だったのではないかという可能性が示されましたが、これだけ景気がいいと、また、今、これから上向きという中でも、不良債権を生んでいるんじゃないかというふうに思っています。
これまでの政府系金融機関における融資の対応というのはどうだったのかということの検証が必要かと思いますが、政府の見解を伺います。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
日本公庫などによる実質無利子無担保融資でございますけれども、コロナ禍という未曽有の危機時に、中小企業の事業継続を第一にするということで、倒産件数につきましては、大臣御答弁申し上げましたように、低位で推移してきた、こういった効果があったと認識をしてございます。
そういった中、御指摘のとおり、昨年の十一月、会計検査院から、令和四年度決算検査報告におきまして、日本公庫などのコロナ融資の残高十四・三兆円のうち、リスク管理債権を八千七百八十五億円という形で公表されております。
このリスク管理債権でございますけれども、もちろん、経営破綻に陥っている債務者に対する債権なども含まれておりますけれども、他方で、コロナ禍で政府がこれまでも繰り返し要請した条件変更、いわゆるリスケをした債権も含んでおりまして、この全てのリスク管理債権が回収不能な不良債権であるとは認識をしてございません。債務者が経営改善することによって、リスク管理債権が正常債権にランクアップするということもよく見られるところでございます。
一方で、回収不能な債権を減らすということは、これは大事だと思っておりまして、コロナ融資先の経営支援を進めるということとしております。
具体的には、コロナ融資の返済本格化を迎える中で、昨年の十一月、関係機関を集めて、挑戦する中小企業の経営改善・再生支援強化会議を開催いたしました。経営改善や再生への取組を一丸となって積極的に支えていただくよう、当省からも依頼しております。日本公庫からも、よろず支援拠点や中小企業活性化協議会等との連携によって経営改善、再生支援を行うといった旨の御発言がございました。
引き続き、日本公庫等によるコロナ融資先の経営改善支援の強化を進めることで、リスク管理債権から正常債権へのランクアップに取り組んでまいりたいと考えております。
○田中(健)分科員 確かに、ゼロゼロ融資ですが、あのコロナのときを考えれば、先行きが見えないですし、そして、どんどんとやはり支えていかなきゃならないという、政府も、若しくは世の中もそういう感じだったので分かるんですけれども、今の答弁ですと、融資は判断としては適切に行っていた、そういうふうにペーパーにも書かれていたんですけれども、やはり、そうではなくて、手厚い支援をしたのは必要だった、しかし、全体的には審査が甘くなったというのは事実だと思っていますので、しかも、致し方なかったと思っています。
ですから、その損失について、そういう意味では、そういうことがあったけれども、しっかりと認識してもらって、そして、次の緊急時に生かすような流れにしていっていただければと私は思っていますし、もちろん、私も一兆円が全て不良債権と言っているわけでなく、私も銀行員をやっていましたので、その八千七百八十五億は確かにリスク債権管理で、それは銀行法に基づいて開示しているものですから、中身はいろいろと、破綻先もあれば、緩和債権、貸出しの条件緩和もあるし、延滞もありますけれども、やはり、しっかりそれを認識するというのが大事だと思いますので、引き続きお願いをしたいと思います。
さらに、民間の銀行もこの融資で二十三兆円を貸し出しました。民間においては、利払いが国から得られる上、これは、融資が焦げついても信用保証協会の代位弁済がありますので、ほぼリスクなく利益を上げられるということで、どんどんと貸出しをあの当時進めておりました。実際、それによって、政府系、いや、それ以上、同等以上の不良債権が生じているんじゃないかといったことが専門家からも指摘がされています。
この民間のゼロゼロ融資の不良債権に関してどのように把握がされているのか、また、貸倒れが発生すれば国民負担というのにつながってまいりますけれども、その負担というのをどのように考えているのか伺います。
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
今度は民間の不良債権についての御質問でございますけれども、今先生御指摘のとおり、民間ゼロゼロ融資を含む信用保証付融資につきましては、民間金融機関にとっての回収不能リスクというものは、これは信用保証協会が、返済が困難となった事業者に代わって代位弁済するという形でリスク負担をするわけでございます。その後、これも御承知のとおり、信用保証協会がその事業者から弁済額の回収を行うということでございますので、これも先ほどの答弁と重なりますけれども、代位弁済分が全て回収不能となるわけではございません。
この中で、民間ゼロゼロ融資のうち代位弁済に至った件数でございますけれども、全融資実行件数百三十六万件のうち、二〇二三年八月の末時点になりますが、その一・三%に当たる一・七万件というところでございます。
信用保証付融資全体の金額ベースの代位弁済率は、二〇一九年度が一・六四%に対しまして、二〇二三年度見通しは一・二%と、足下の代位弁済率は必ずしも高くないような状況になってございます。
代位弁済に至る貸付先件数の抑制に努めていくというのは、これはこれからも大事なことだとは思っておりますし、これまでも、融資期間を延ばすとともに、収益力の改善を支援するコロナ借換え保証の実施でございますとか、そういった形で中小企業の経営改善支援を進めてきたところでございますけれども、例えば、今月から、借入れの中心が民間ゼロゼロ融資である企業につきましては、資金繰り計画の策定などを支援する早期経営改善計画策定支援事業、これを中小企業が民間金融機関にも計画策定支援を依頼できるように見直しまして、民間金融機関との連携による経営改善支援も進めているところでございます。
今後とも、こうした施策を通じまして、事業者のニーズを把握しながら、中小企業の経営改善を後押ししてまいりたいと考えております。
○田中(健)分科員 ありがとうございます。
昨年度の四―十二月の全国代位弁済、三千五百八十五億ということで、これは前年同期から五割増しということで、やはり増えています。足下は、今、収まっているということだったんですけれども、増加をしていますので、これも、もちろん全てが不良債権ということではないですけれども、やはりそれだけ可能性があると。そして、今、景気回復に向かう中で、やはりこれが足かせになってしまうようなことがないように、引き続きチェックをしていただければと思います。
そして、ちょうど五類になって落ち着きを見せる中で、まさに先ほど借換えや次の展開の話がありましたけれども、融資回収の場において、借換えで更に延期していくのか、ないしは事業再生に持っていくのかという大きな転換期にあると思っています。
そんな中、このゼロゼロ融資のコロナ支援策の反動だと言われるのは、もう自社の利益でも金利を払うことができないまさにゾンビ企業。私は余りゾンビ企業という言い方は好きではないんですけれども、こういうふうに言われています。帝国データバンクによりますと、このゾンビ企業は二十五万社、先ほど言った倒産の八千六百九十のまさに三十倍以上に膨れ上がっているということであります。
四月には、民間分の融資の返済のピークを迎えるということで、返済できずに倒産が相次ぐんじゃないかといった懸念がされています。このゾンビ企業のこれだけの大きな存在をどう考えているのか、また、政府としてはどのようにこの対策を考えているのかを伺いたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣 今御指摘いただいた調査におきまして、いわゆるゾンビ企業ですけれども、これは、国際決済銀行が定める、三年連続でインタレスト・カバレッジ・レシオが一未満かつ設立十年以上の企業というふうになっています。
コロナ禍におきまして、政府による休業、時短要請等の影響もありまして、広範に需要が消失をし、事業者は売上げ、利益が大幅に減少をした。結果として、インタレスト・カバレッジ・レシオが小さい事業者が多くなったという点については留意が必要だろうと思っています。
政府としては、民間ゼロゼロ融資の返済本格化に向けまして、コロナ借換え保証制度を昨年一月から開始をしています。返済期間の長期化と収益力改善を一体的に支援をするということ、これを行っておりまして、これまでに約十五万件、約三・六兆円の借換え申込みを承諾をしています。
加えて、今月より、資金繰り計画の策定等を支援する早期経営改善計画策定支援事業につきまして、民間ゼロゼロ融資中心の中小企業が民間金融機関にも計画策定支援を依頼できるように見直して、迅速な経営改善、これを後押ししてきているところであります。
本年四月の民間ゼロゼロ融資の返済ピーク、これに向けまして、経営改善、再生支援を一層強化していくことが必要だと考えていまして、昨年十一月に閣議決定をした経済対策を踏まえまして、再生支援の総合的対策を年度末までに取りまとめるということとしています。特に、コロナ禍を経て信用保証付融資の比率が増大をする中、信用保証協会などによる支援を強化をしていかねばならないと考えています。
引き続き、事業者の実情に応じたきめ細かい対応を講じてまいりたいと考えています。
○田中(健)分科員 今、金融機関を中心とした経営改善の話もございましたし、また、事業再生支援もありました。是非きめ細やかな対応を、大臣には大変期待をしておりますので、引き続きお願いをさせていただきます。
引き続きまして、地域活性化とスポーツビジネスについてお伺いをしたいと思います。これはスポーツ庁にも今日お越しをいただいております。併せてお願いをいたします。
スポーツの市場規模について伺いますが、私、予算委員会でも取り上げさせていただきまして、足下の数字を聞きましたが、令和二年、八・八兆という回答でありました。令和二年ですと、ちょうどコロナのときでもありまして、この影響があったのかないのかも含めて、全体像が見えません。昨年や一昨年のデータがないのかということからお聞きをしたいと思います。
○橋場政府参考人 お答えいたします。
スポーツ市場規模の最新の値は、先日も官房長官よりお答えされたとおり、令和二年に八・八兆円です。
この最新のスポーツ市場規模については、日本政策投資銀行が令和四年に推計作業を開始し、昨年、令和五年に公表したスポーツ市場規模に関する数値を基にスポーツ庁が推計を行い、昨年十二月に公表したものです。
その日本政策投資銀行の推計については、内閣府が毎年公表しているSNA産業連関表等を基として行われており、今回の令和四年に開始された推計作業では、内閣府が同年、令和四年に公表した、当時最新の令和二年のSNA産業連関表が使用されています。
このスポーツ市場規模の数値の算出については、算出に用いる統計データの公表時期との関係から、早くて三年のタイムラグが生じざるを得ないため、昨年、令和四年と、一昨年、令和三年のスポーツ市場規模の数値については、それぞれ三年後となります令和七年と令和六年に公表することとなる見込みです。
○田中(健)分科員 是非、速報値でもいいので、ないしは見込みでもいいので出していただきたいと思うんですけれども。
なぜかといいますと、スポーツの市場規模目標、二〇二五年、十五兆と掲げています。来年ですけれども、今の八・八兆ではとてもそこまでいくという感じがしません。しかし、言ったように、コロナのときでしたから、もしかしたら今はもう十兆を超えて十五兆いっているのかもしれませんが、それもちょっと目安が分かりませんので、この数字が適当というか、余りに今は幅が、遠過ぎるのか、若しくはもう目の前なのかというのが分からないんですが、この目標と数値というのをどのように捉えればいいんでしょうか。
○橋場政府参考人 お答えいたします。
今ほどお答えしましたとおり、最新のスポーツ市場規模の値は令和二年時点のものですが、これはSNA産業連関表に基づき適切に算出された数値であり、政策の達成状況を適切に評価するためには早くて三年前の数値を用いざるを得ないものの、事後的な評価は適切に行ってまいります。
他方で、スポーツ産業の現状について、例えばですが、主要リーグの売上高に相当する数値を見ると、直近のデータでは、Jリーグの各クラブの売上高の合計は、二〇二二年度でもコロナ前の二〇一九年度を超える一〇三%、Bリーグのリーグ売上高は、二〇二二年度でもコロナ前の二〇一八年度の一五二%など、主要リーグではコロナ前の水準を超えている状況が見られます。また、民間の推計になりますが、直近、二〇二三年のスポーツ用品の市場規模は、コロナ前の二〇一九年の一一〇・四%との分析もあります。
正確なスポーツ市場規模の算出をするにはタイムラグが生じざるを得ないものの、スポーツ庁としては、こうした数値も見ながら、スポーツ産業の現状把握に努めつつ、必要な政策を検討してまいります。
また、昨年、経済産業省とともに、スポーツ未来開拓会議において二〇二五年にスポーツ市場規模十五兆円を達成するための施策を検討し、中間報告が取りまとめられたところであり、これに基づき、スタジアム・アリーナ改革や観戦体験の充実に向けた施策等を進めているところです。
今後とも、スポーツ庁と経済産業省で連携し、今後の我が国スポーツ産業の更なる成長産業化に向けた検討を行っていくこととしており、引き続きスポーツ市場規模の拡大に向けて必要な施策を講じてまいります。
○田中(健)分科員 大変細かく説明してもらったんですけれども、別に統計学を取っているわけじゃないので。規模としての目標に対して今どれほどかというのが分からないと頑張っているのか頑張っていないのかも分かりませんし、いや、私は頑張ってほしいという意味で言っているんですけれども、是非、先ほど売上高や様々な指標もあると言ったので、そういうものを総合したことも情報発信をしていただきたいと思います。今のでいいますと、二〇二五年の問題は二〇二八年しか検証ができませんので、お願いをしたいと思います。
引き続き、スポーツ庁と経産省との在り方ということでありますけれども、一昨年、経産省内にスポーツ産業室というのを立ち上げたと認識をしていますが、これはどのような狙いがあって、またどういう役割を担うんでしょうか、伺います。
○山影政府参考人 委員御指摘のとおり、二〇二一年十一月に経済産業省におきましてスポーツ産業室を設置しております。
経済産業省では従来スポーツレッスン業あるいはスポーツ施設提供業などを所管しておりまして、民間のスポーツビジネスあるいはスポーツ施設の運営ビジネス等を広く見ていこうということでこの部屋を設置したところでございます。
他方で、スポーツ庁におかれましては、スポーツリーグなど、各スポーツ団体、こちらの振興を所管されていると承知してございます。
スポーツ産業の産業化に向けましては、両省のこのような視点がそれぞれ必要なものですから、スポーツ庁と連携しながら、政策立案、この実施を担っているということでございます。
○田中(健)分科員 言うまでもなく、プロスポーツビジネスはグローバルで広がっていますし、またプロスポーツは大変厳しい世界でもあります。その中で、バレーやラグビーのような企業スポーツ、福利厚生が目的としてつくられたようなスポーツは、根強く残っている競技というのはなかなかスケールができないという状況が続いており、課題と挙げられています。
今、スポーツ産業室ということで、産業という意味で捉えれば、第一歩というのは明確なプロ化でありまして、経産省が、今の話ですと、スポーツリーグ等はスポーツ庁という話であったんですが、競技団体やリーグと向き合ってほしいというふうに実際にやっている方から明確に言われております。具体的には、産業としてチームを独立分社化をしていくということが第一歩だと思っています。そしてスケールをしていくということなんですけれども。
是非、産業として指導や支援など、もっと経産省が力になれる分野は多いと考えておりますので、スポーツ産業室というものを中心に、経産省がしっかりとその役目を認識してもらって前に進めてほしいと考えますが、大臣の決意を伺いたいと思います。
○齋藤(健)国務大臣 私も委員と同じように、スポーツの産業化を進めていくべきだろうというふうに思っています。
日本の一部競技は、いわゆる企業スポーツから脱し切れずに、企業における福利厚生あるいは社員の一体感の醸成という目的が色濃く残っているという指摘があることは承知しています。
経済産業省がスポーツ庁とともに開催しておりますスポーツ未来開拓会議では、昨年七月に、今ありましたけれども、スポーツ産業の成長産業化の実現に向けた方向性や取組に関する中間報告を取りまとめたところでありますが、その中で、スポーツビジネスの拡大に向けて、スポーツクラブをしっかりと経営をし、スポーツコンテンツから利益を得ることで発展をさせるという意識、これが重要であるというふうに示しております。
こうした観点から、経済産業省としては、例えば、トップスポーツを通じた海外需要の獲得、こういったものを後押しするために、スポーツリーグやクラブがスポーツコンテンツの海外展開を行う際に費用の一部を補助するなんという支援策も令和五年度補正予算に盛り込んでいるということもしているところであります。
私は、自分がスポーツをやっていた関係から、スポーツ産業というものが、世界の人々に熱狂や感動をもたらして、地域経済の活性化にも貢献する重要な産業でありますし、また、被災地を勇気づけたりすることもできるわけでありますので、これをしっかりと産業化をしていくということは非常に重要な視点だろうと思っています。今後も、競技団体やリーグの意見をしっかりとお聞きしながら、スポーツ庁と連携しながら、この成長産業化に向けてしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えています。
○田中(健)分科員 ありがとうございます。
後ほど言おうと思っていましたが、大臣が大学時代、ハンドボール部主将で、本当に、一年留年するぐらい熱心に取り組んでいたということもお聞きをしておりますので、それも込めて、今日は期待を込めて質問させていただいております。ありがとうございます。様々な施策を言っていただきましたし、私の問題意識も理解を、また共有をしていただいていると思っております。
その中で、さらに、女性という視点でも考えていただきたいと思います。
女性のプロスポーツリーグというのは、日本ではまだまだですけれども、欧州では大変盛んになっておりまして、女子の欧州チャンピオンズリーグなどはスペインで九万人の観衆が詰めかけるということが昨今新聞でも話題になっていました。アメリカでも女子バスケットボールの人気が上昇してきております。日本でも、まだまだ男子プロリーグとは差があるとはいえ、女子プロリーグも幾つか今できております。
是非、こういった海外の事情も研究をしてもらって、しっかりサポートをして、まさに大臣がおっしゃった成長産業化の一役を担う一つにしていただければと思っておりますが、見解を伺います。
○齋藤(健)国務大臣 経済産業省では、令和四年度にスポーツ産業に関する諸外国の動向調査事業を実施しておりまして、その中で海外の女子スポーツについても調査を行いました。
その調査によれば、欧米におきましては、男女平等の機運の高まりやメディア露出の拡大を背景に、観客数、視聴者数及びスポンサー契約が増加傾向にあります。例えば、イングランドの女子サッカーの観客数は二〇一九年から二〇二二年の三年間で約六倍に増加をしているとか、欧州女子サッカーリーグの視聴者数が二〇一五年から二〇一九年の四年間で約一・五倍に増加しているなど、最近顕著に増加をしています。その結果として、リーグ収益の拡大につながってきているというふうに認識もしています。
こうした海外の動向も踏まえまして、引き続き、女子スポーツの振興も含めたスポーツ産業の成長産業化に向けた方策を、やはりスポーツ庁とも連携しながら、検討してまいりたいと考えています。
最近、国際競技を見ていますと、日本の女子の活躍がすごく目立ってきておりますので、やはり産業化に向けても女子の視点というものも十分大事な視点だなというふうに思っています。
○田中(健)分科員 ありがとうございます。
大変、女子リーグや活躍にも目をみはっていただいているということですので、是非お願いをしたいと思いますし、それが大きな成長につながると私も確信をしております。
スポーツビジネスの運営という面でもちょっとお聞きをしたいんですけれども、先ほども放映権等の話がありましたけれども、経済的価値が上昇して、日経新聞の去年の十月の記事には、アメリカでは有力な投資先としてスポーツチームが選ばれているというような現状もあります。
スポーツへの投資を促して、そしてスポーツの人気と経済の好循環というのをつくっていくべきだというふうに思っていますけれども、この潮流に対する研究というのを政府はどのように認識をしていますでしょうか、伺います。
○山影政府参考人 お答えいたします。
欧州並びに米国の主要なプロスポーツの中には、高い成長率で拡大しているリーグがございます。日本においても同じように大きな可能性があるものと認識してございます。
経済産業省では、既に、海外のスポーツ産業の資金循環、その状況も含めまして調査を重ねておりまして、引き続き、スポーツ産業に関する諸外国の情報の把握に努めたいと考えてございます。
一例で申し上げますが、成長著しいプロスポーツリーグの、あるいはチームにおきまして、スポンサー収入が拡大されているというふうに分析しております。
その中の要因としましては、テクノロジー企業、いわゆるテック企業といった方々と連携されているというのも承知してございます。こういう方々であれば、従来であれば、企業のまさにブランドイメージを上げていくのみならず、テック企業がお持ちの技術を使って、お互いウィン・ウィンの関係で、より付加価値の高いものにしていくというところも見られますものですから、こういった点も含めまして、引き続き、海外の動向を注視しながら、スポーツの人気と経済の好循環が進むよう、プロスポーツビジネス関係者とともに取組を進めてまいりたいと考えてございます。
○田中(健)分科員 まさに、その資金循環で経済の好循環をつくっていくのが大切だと思っています。
どの国もやはり、プロスポーツ選手は稼いで、それを地域スポーツや障害者スポーツに還元していくというのが進んでいるんだと思っています。先日、大リーグの大谷翔平選手が日本の小学生にグローブを寄贈して大変話題になりましたが、まさにプロスポーツで稼いで、そして子供たちに夢と希望を与えているのが理想の姿だと思っています。
そういう意味で、日本のプロスポーツは産業としてもビジネスとしてもしっかり頑張ってほしいと思っていますが、時間があれですが、大臣に、プロスポーツをサポートするなど、これまでのスポーツビジネスの運営もろもろの議論を聞いて、再度お考えを伺えればと思います。
○齋藤(健)国務大臣 プロスポーツは、選手の活躍や、あるいはクラブ、リーグの成長が、地域社会、ひいては国全体に、私は、様々な形で還元をされていく、社会的に意義の大きい産業であるとともに、世界では非常に大きなビジネスに成長したリーグも存在すると認識しています。
大谷選手の契約金額なんかを見ますと、ちょっととてつもない金額になっていますが、日本におきましても、選手が所属するクラブがしっかり経営をされるということ、そして、クラブやリーグを始めとしたスポーツ産業をしっかりと稼げる産業へと成長させていくこと、これが重要だというふうに思っています。
先ほども少し申し上げましたが、経済産業省では、スポーツリーグやクラブがスポーツコンテンツの海外展開、これを行う際に費用の一部を補助する支援策というものを令和五年度の補正予算に盛り込んでいます。具体的には、試合の映像ですとかSNSコンテンツのローカライズや現地でのイベント開催などを支援をすることによりまして、プロスポーツによる海外需要獲得、こういったものも後押しをして、プロスポーツの成長産業化につながっていけばなというふうに思っています。
今後も、スポーツ庁と連携をして、スポーツ産業の成長産業化のためにしっかり取り組んでいきたいと考えております。
○田中(健)分科員 ありがとうございます。まさに海外需要の獲得は大切だと思っていますので、日本だけではなく世界に目を向けての支援をお願いをしたいと思います。
プロ化と、もう一つ大事なのが、スタジアム、アリーナとも言われています。このスタジアム、アリーナ建設について最後に伺いたいと思います。
私の地元静岡ですけれども、サッカーが大変に盛んですけれども、最近はバスケットの人気も出てきて、新しいスタジアム、アリーナを建設するなどという動きが出てきています。是非、こういったことも政府として後押しをすべきだと思っております。
あわせて、スポーツの本場アメリカでは、スタジアム、アリーナを公設で建てた場合でも、思い切って球団やチームに譲渡をしているという例があります。これは、金銭的なリターンではなくて、産業誘致や町のブランド向上、また、町の誇りの醸成といった社会的な資本的価値の向上に使うと聞いています。
どうしても日本では、PFIとかいう話で、なかなか球団との金銭リターンの中で両者の関係がうまくいかないという例も聞いていますが、是非大胆に発想も、こういうものを取り入れてほしいと思いますし、そういったものへの支援というのをどう考えているのか、最後に政府の考えをお伺いします。
○橋場政府参考人 お答えいたします。
スポーツ庁では、経済産業省を始めとする他省庁とも連携しながら、二〇一七年から、スタジアム、アリーナをコストセンターからプロフィットセンターへ変革させるということを目指して、スタジアム・アリーナ改革を進めています。
この実現には、まず、スタジアム、アリーナ建設、運営に係るノウハウの共有が重要であり、スポーツ庁では、各主体におけるプロジェクト検討を後押しすべく、運営管理や民間資金活用に関するガイドブックの策定、相談窓口の開設、個別プロジェクトに対する構想や計画の策定支援等を進めてきているところです。また、内閣府とも連携しつつ、民間資金の活用等、官民連携による整備を推進しています。
さらに、これまで、資金面での支援として、独立行政法人日本スポーツ振興センターのスポーツ振興くじ助成金等で、スタジアム、アリーナを含む、地域におけるスポーツ施設の整備の支援を行ってきたほか、内閣府、経済産業省、国土交通省などの各府省庁の活用可能な支援策を横断的に取りまとめ、スポーツ庁ホームページでの周知を図ってまいりました。
御指摘にありましたとおり、近年、Jリーグ、Bリーグの盛り上がりとともに、新しいスタジアムやアリーナ建設などの動きが出てきているものと承知しています。そのような動きを後押しすべく、スポーツ庁としても、プロスポーツ団体や自治体、経済産業省を始めとした関係府省庁と連携を図りながら、スタジアム・アリーナ改革の推進に引き続き取り組んでまいります。
また、アメリカ等々という御指摘もございましたが、地方自治体が建設したスタジアム、アリーナを球団やチームに譲渡することについては、地方自治法において、原則、地方公共団体の財産は、条例又は議会の議決による場合でなければ、適正な対価なくしてこれを譲渡してはならないとされているところです。また、公設で建設されたスタジアムやアリーナを民間主体に譲渡した場合、固定資産税の負担が生じるということもございます。
このため、御指摘ありましたとおり、公設で建設されたスタジアムやアリーナについて、仮に、自治体の金銭的リターン以外の要素も考慮し、無償又は低廉な価格で球団やチームに譲渡することを国として各自治体に対し求めることに関しては、慎重な検討が必要ではないかと考えます。
一方で、御指摘ありましたとおり、スタジアム、アリーナについては、産業誘致や町のブランド向上、住民の誇りの醸成といった便益を地域社会にもたらす面もあります。このため、スポーツ庁としては、地元自治体や民間主体等の関係者が連携しながらスタジアムやアリーナの建設、運営を行うことを推進すべく、スタジアム、アリーナの経済的価値、社会的価値の算定方法の検討を進めているところです。
今後とも、スタジアム、アリーナが、御指摘がございましたような、社会に価値をもたらすという考えについても普及を図りながら、その整備の推進に取り組んでまいります。
○田中(健)分科員 ありがとうございました。
時間となりました。スポーツというビジネス推進、大臣の活躍に期待をして、質問を終わります。ありがとうございました。
○上野主査 これにて田中健君の質疑は終了いたしました。
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