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2022年12月8日 衆消費者問題に関する特別委員会 質疑 議事録

2023/6/5

○田中(健)委員 国民民主党の田中健です。

 この間、与野党の協議の中で議論が進んでまいりまして、新法案がまとまり、今日採決に至ることになりました。これまで関わられた多くの関係者の皆さんに感謝申し上げるとともに、私も、この間、本会議またこの委員会でも質疑をさせていただきました。確認も含めて、総理にお尋ねをさせていただきたいと思います。

 まず、配慮義務違反と被害者の家族の救済についてです。

 新法案の第三条に定める配慮義務に違反して寄附を集めることが、これは民法七百九条の不法行為に当たり、損害賠償請求の対象となるということが議論をされてきました。

 さらに、寄附により生活が困難になった家族、配偶者やお子さん、扶養親族も、被害者として民法七百九条の不法行為による損害賠償の今度は当事者となり得るということでまずよろしいかということを、総理に確認をいたします。

○岸田内閣総理大臣 配慮義務に反するような不当な寄附勧誘が行われた場合、民法上の不法行為の認定や、それに基づく損害賠償請求が容易になると考えています。

 また、配慮義務の規定では、寄附の勧誘に当たって、寄附者やその配偶者、扶養親族の生活の維持に関する配慮義務を規定しております。これによって、家族自身を当事者とした民法上の不法行為の認定やそれに基づく損害賠償請求が容易となり、家族の被害救済の実効性を高めることができると考えております。

○田中(健)委員 今回、寄附の勧誘に関する禁止行為も定めまして、違反する法人には刑事罰や行政罰も科されることにはなりましたけれども、なかなかそれが直接被害者の救済につながるのは難しいということでありまして、やはり、民法七百九条の不法行為による損害賠償請求を活用していく、また、それがしやすくなるようにと今総理からありましたけれども、それが大変重要なことだと思っています。

 損害賠償請求自体は、議論がありました過失と違反性、これを一件一件認めていくというのは大変なことではあるんですけれども、旧統一教会の被害者に関しては様々な事例が今積み重なってきていますので、三条に求める家族への配慮義務違反、これに対して損害賠償請求が有効に働いて、違法献金の取戻しが一件でも進むことを期待するところであります。

 引き続きまして、新法と宗教法人法との関連について伺います。

 新法案の第三条二項、家族への配慮義務違反というのは宗教法人法の第八十一条一項一号の法令違反に当たること、また、正体隠し、身分を偽っての伝道、これも大きな問題として議論されてきましたが、これも、第三条の三項、配慮義務違反になると同時に、宗教法人法の第八十一条一項二号の「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」に当たる。これは昨日の委員会でも確認をさせていただきました。

 これらを加味しますと、新法の第三条に定める配慮義務に違反して寄附を集めることが、一つは組織的であり、また一つは継続的であり、さらに悪質な形で行われていた場合には、宗教法人法の八十一条第一項に基づく解散命令の対象になり得るということでよろしいでしょうか。

○小林政府参考人 お答え申し上げます。

 昨日も副大臣の方からお答え申し上げましたが、新法案三条の配慮義務につきましては、法人等に対して、寄附の勧誘を行うに当たっての法律上の義務を定めたものと承知しております。このため、新法案三条の配慮義務に違反する行為は、宗教法人法八十一条一項一号の「法令に違反して、」に該当し得ると考えております。

 宗教法人法の解散命令は裁判所が行うものでございますが、個別の宗教法人について解散命令請求を検討するに当たりましては、所轄庁等において把握した事実関係を踏まえ、宗教法人法に基づき、行為の組織性、悪質性、継続性等をその個別事案に応じて判断していくこととなり、その上で、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる場合には解散命令の要件に該当すると考えられます。

○田中(健)委員 昨日、副大臣の方にも文部省から来ていただきまして、お答え願いましたが、これは、本会議でも私、総理に質問をさせていただいたときは、この組織的、継続的、悪質な形という前提の下の質問をしなかったものですから、これがしっかりと認められた場合には解散の対象になると今お話がありましたけれども、総理にも同じようにお聞きしますが、その認識でよろしいでしょうか。

○岸田内閣総理大臣 もちろん、個別の事案に応じて判断するものでありますが、基本的な考え方は、今政府委員の方から答弁させていただいたところが政府の方針であります。

○田中(健)委員 新法と宗教法人法とが連携しているというか、関係があるということの確認をさせていただきました。

 引き続きまして、今度は本法七条における勧告、命令、公表であります。

 これは、先ほど、長妻議員を始め、ほかの議員の皆さんからも、寄附に対し禁止行為があった場合、どこに報告や相談をするのかということが聞かれておりまして、御答弁の中には、国民生活センター、法テラス、また各都道府県にあります消費生活センターということでありました。

 この勧告、命令、公表は、第四条及び五条の禁止行為の実効性担保のために行政庁における行政措置を位置づけるということで、強い権限でもあります。だからこそ、しっかりとした確認をさせていただきたいと思っておりますが、そもそも、これは禁止行為である上に、更に勧告を出す場合に、何を判断基準とされるのか。被害人数や被害額等の事実を積み上げるのか。今現時点でこの基準等があれば伺いたいと思います。

○岸田内閣総理大臣 禁止行為に該当する行為の通報や相談については、消費生活センター等の消費生活相談窓口や法テラスにおける対応窓口などを通じて、関係機関で連携して把握してまいります。

 そして、こうした通報を通じ、禁止行為が不特定又は多数の者に対して繰り返し組織的に行われており、社会的な影響が大きいものと考えられれば、報告徴収を行うということとなります。

 さらに、報告徴収を通じ、法人等が不特定又は多数の個人に対して禁止行為をしており、引き続き禁止行為をするおそれが著しいと認められるときは、勧告の対象となります。

 また、勧告を受けた法人等が正当な理由なく勧告に係る措置を取らなかったときは、命令、公表の対象となる。

 このように、通報等も端緒として、報告徴収を活用しつつ、違反事実を積み上げ、勧告等の措置を講じていくことになると考えます。

○田中(健)委員 そうでありますと、今回の新法案は施行後からの適用になりますけれども、仮に、法律施行後に、旧統一教会の問題、今、様々な違反行為の報告が上がっていますが、この違反行為というものが積み上がれば、今お話ありました、不特定多数であって、また継続的であって、禁止行為であると現状の報告を私は感じておりますけれども、仮にこの法案が通ったとするならば、統一教会においても、勧告、命令、公表という対象となり得るのかどうか、お伺いいたします。

○岸田内閣総理大臣 これは、まず法律を適用して、様々な報告、通報ですとか、あるいは相談を受けるなど、様々な情報を収集していくことになると思います。

 その上で、委員の御質問は、宗教法人法の解散請求の理由になるかということでありますが、これは基本的に、様々な事案を積み上げることによって、事実を集積した上での対応であります。具体的な事案の集まり具合等を勘案して、法律に従って対応していくということになると考えます。

○田中(健)委員 ありがとうございます。

 宗教法人法の解散の関係ではなく、本法七条における勧告、命令、公表というのが、仮に旧統一教会の今の様々な課題を当てはめるならば適用対象となるのかということでありますけれども、いかがでしょうか。

○岸田内閣総理大臣 その点を先ほどお答えしたつもりでありますが、禁止行為が不特定又は多数の者に対して繰り返し組織的に行われており、社会的に影響が大きいものと考えられれば報告徴収になり、そしてさらに、それによって様々な禁止行為をするおそれが著しいと認められるときは勧告対象になり、そして、勧告を受けた法人が正当な理由なく勧告に係る措置を取らなかったときは命令、公表の対象となる。

 このように、報告と勧告と命令、公表、それぞれを法律に従って適切に当てはめていく、こうした仕組みになっておりますので、法律に従って政府として対応するということであります。

○田中(健)委員 ありがとうございます。

 これまで、宗教法人法ですと質問権がなかなか発動されませんでしたけれども、本法七条においても、同じように、課題があるならば報告、命令、公表という手順を取っていくということを確認させていただきました。

 今回、司法や第三者を入れないということで、強い権限になりますし、同時に、これが有効に働くかということ、他の委員からも意見がございました。是非、これを適切に行使するための体制整備、また法執行の実効性を高めるということ、河野大臣からは、今までのじくじたる思いもあったということでありますので、期待をしたいと思います。

 引き続きまして、この七条に関してなんですけれども、与党の修正案においては、配慮義務違反においても勧告、公表の対象となるというふうにしております。勧告内容というのは、新法案においては、七条では、「当該行為の停止」と「その他の必要な措置」とされています。

 まず、この七条においての「その他の必要な措置」というのは、いわゆる取消権によって寄附の返金が可能となる行政措置が含まれているのか、そして、それが今回の修正案においては配慮義務にも適用されるという考えでいいのか、お聞かせください。

○河野国務大臣 修正案でございますので、修正案に基づいて政府から見解を申し上げるのは避けたいと思います。

○田中(健)委員 それでは、現状における新法案の七条において、その他必要な措置というものであれば、事実上の取消しである行政指導をして、そして返金をすることが可能だということでよろしいでしょうか。

○河野国務大臣 適切に法の執行をしてまいりたいと思いますが、一般論として申し上げますと、民事不介入の原則がございますので、返金まで行政指導することは困難と思いますが、法人に対して、返金その他の相談があった場合には真摯に対応するようにということまでは考えられるのではないかと思います。

○田中(健)委員 ありがとうございます。

 そうしますと、冒頭で確認させてもらいました、配慮義務違反による、七百九条の不法行為による損害賠償請求がまず一番の近道であり、これを有効に活用できるように、是非進めていっていただければと思っています。

 引き続きまして、霊感商法について伺います。

 新法案は、寄附を対象としたことで、つぼを売る等の売買には適用とならず、霊感商法は現行の消費者契約法の取消しでしか対応ができません。この議論も、先ほど来、委員の方から出ておりましたが、一部、配慮義務違反の不法行為による損害賠償請求でも当てはまるんじゃないかという答弁もありました。しかしながら、現状では、消費者契約法には配慮義務は課さないということであります。

 是非、これは課題として、包括規制を入れるかどうか、消契法の中でいろいろ議論がこれまでもされてきましたけれども、今後の見直しの際には、更に違った視点で、広く心理的支配を作出及び利用することを禁ずる規定を、これは消契法ではなく刑法にも定めることも視野に入れて、霊感商法対策というのを検討すべきではないかというふうに考えているんですが、総理の見解を伺います。

○岸田内閣総理大臣 刑事罰の対象とする場合、構成要件の明確性が必要となるなど、現行の日本の法制度の下、どのような措置が許容されるかについては検討が必要となります。

 ただ、いずれにせよ、法律の執行状況及び経済社会情勢の変化、これらを勘案し、被害救済の実効性を確保する観点から、必要な見直しは行ってまいりたいと考えます。

○田中(健)委員 まさに今回の法律に基づく、立法事実としましては、旧統一教会における霊感商法の問題、大変大きな課題でありまして、なかなかそこにまで今回議論が最終的にまとまらなかったわけですけれども、しかしながら、今後も見直しを進めていくということでありますし、まさに今様々な課題があるけれども、検討に値するというふうな私は理解をさせていただきました。

 さらに、私たち、参考にし、現在、党の中でも研究をしておりますのが、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律、この法律であります。これが、今まさに霊感商法を組織的に、また大々的に行う、そしてそれが犯罪的な収益の規制も含めているという法律を、これは関連づけて新しい対策が検討できないかというふうに考えておりますけれども、これについて総理の考えを伺えればと思います。

○河野国務大臣 刑事罰を対象とする場合には構成要件の明確性が必要になる、あるいは、その他様々、現行の法制度でどのような措置が許容されるかというのは、これは検討が必要だと思います。

○田中(健)委員 まさに、刑法への適用というのは大変ハードルが高いことは承知をしております。だからこそ、今、現行法でできることを今回の法案の中には盛り込んだと理解をしておりますけれども、今後、是非、見直しをする際にはこういった観点も取り入れてもらい、ないしは検討に値すると私は考えておりますので、是非参考にしていただければと思っています。

 最後は、法テラスの機能強化であります。

 これは昨日も法務省の方に質問をさせていただいたのでございますが、また、先ほど来、ほかの委員からもお話がありました。法テラスを機能強化する、さらには関係機関と連携をする、利用しやすくする。それは大変いいことでありまして、是非そうあってほしいとは思うんですけれども、先ほど総理からも答弁がありました、法テラスを利用する場合というのは、民事法律扶助制度を使うことになります。その場合は民事裁判の費用は立替えということになり、被害救済を求めてきた方が同時に債務を負うということになりかねません。それでありますと、どうしても一歩踏み出せない、ないしは裁判に持っていけないというようなことも現状で聞いています。

 立替え償還制度というものでは、困窮者の方やまた未成年の信者二世の方が利用しにくいということです。給付制の導入など、利用者の経済的負担を軽減するための実効的な対策、もちろんこれは税金を使いますから、国民の税金をどのように使うかというのは大変難しい課題などありますけれども、是非、この対策に向けての取組を検討していただきたいと思っておりますが、総理の見解を伺います。

○竹内政府参考人 お答えいたします。

 法テラスの民事法律扶助制度でございますが、限られた財源を用いてより多くの困難を抱えた方を支援するために、立替えによりまして弁護士費用等を援助しているものでございます。この立替金の償還につきましては、被援助者の資力状況に応じまして、免除を含めた柔軟かつ適切な運用が行われているものと承知をしております。

 他方で、委員御指摘の給付制の導入につきましては、本来当事者が負担すべき弁護士費用等を国民の負担とすることが合理的と言えるかという観点から、慎重な検討が必要であると考えております。

 いずれにいたしましても、法務省としては、未成年の信者二世など利用者のニーズを十分把握をいたしまして、現行制度上の課題の有無、内容等について必要な調査検討を行うなどして、支援の充実強化を更に図ってまいりたいと考えております。

○田中(健)委員 部長からの答弁、昨日もお聞かせいただきましたので、今の話を聞いて、是非、総理としても、これに前向きに対策、取り組んでいただきたいと思いますが、一言、決意のほどをいただければと思います。

○岸田内閣総理大臣 政府としては、未成年の信者二世など利用者のニーズを十分把握し、現行制度上の課題の有無、内容等について必要な調査検討を行うなどして、支援の充実強化を図ってまいりたいと考えます。

○田中(健)委員 時間となりました。ありがとうございました。

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著者

田中 けん

田中 けん

選挙 第51回衆議院議員選挙 2026年 (2026/02/08)
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