2022/8/20
○田中(健)委員 国民民主党の田中健です。
立憲、維新の皆さんから質問の時間の配慮をいただきました。ありがとうございます。
また、先ほどは黙祷がささげられましたが、本日は東日本大震災から十一年となります。亡くなられた方の御冥福をお祈りし、また、被災地の皆様に思いをはせながら、質問をさせていただきたいと思います。
職業安定法改正について伺います。
今回の法改正では、求職者情報を収集して募集情報等提供を行う者を届出制、事業概要等の報告により把握するということであります。
求人メディアの業界としては公益財団法人の全国求人情報協会という団体がありまして、六十一社が加盟をしていますが、今回の法改正でどれくらいの届出数になると想定をされていますでしょうか。まず伺います。
○田中政府参考人 募集情報等提供事業者の数につきましては、私どもの方で、インターネットで検索をすることで、八百程度の事業者を把握しております。
一方で、全ての事業者を網羅しているとは考えておらず、今後、届出制の導入も踏まえて、より実態を把握できるように努めてまいりたいと考えております。
○田中(健)委員 かなり多くの数になるということであります。
求人情報の、先ほど言いました協会の発表によりますと、二〇二〇年度を対象としました市場規模というのは四千百五十億ということでありまして、一方、ソーシャルリクルーティング、アグリゲーター、クラウドソーシングと、ちょっと横文字ばかりなんですけれども、こういった新形態のサービスの市場規模はこの数字に含まれておらず、一千八百八十六億円ということで、これは前年比プラス七〇%ということで、新形態のサービスが大きく拡大をしています。
今回の改正の想定される求人検索のエンジンなどに加えて、次々と新しいサービスが生まれておりまして、これも横文字であるんですが、キャリアSNS形態、マッチングプラットフォーム形態、またカジュアル面談と言われるような、直接的に雇用に関係のあるですね、成立をあっせんしないといったサービスも次々と登場しています。こういった新しいビジネスモデルによるものも今回の対象になると考えていいんでしょうか。
○田中政府参考人 インターネット上のサービスは本当に様々なものが出てきておりまして、その中で、何を捉えてルールを定めるかということが非常に難しい状況でありますし、今後も状況は変わってくるものと思っております。
一般論として今回の対応をお答えすれば、求人企業が募集に関する情報を登録して、求職者が当該情報を閲覧できるようにするサービスや、求職者が自らに関する情報を登録して、求人企業がそれを閲覧できるようにするサービスについては募集情報等提供事業に該当し、SNS上などでこのようなサービスを行っていれば、その名称にかかわらず、職業安定法の規定を遵守していただく必要があると考えております。
募集段階において給料や待遇を具体的に記載しないものであってもこの考え方は同様でありまして、実際に応募してきた労働者に対して、求人企業は職業安定法に基づき賃金等の労働条件の明示が必要となることは、先ほど御答弁したとおりでございます。
○田中(健)委員 先ほど吉田先生の方からもるるその質問がありました。新しいサービスにおいては、もしかしたら、自分が適合しないんじゃないかというふうに思っている会社さんもいらっしゃるんじゃないかとも思いますし、また、そういった会社を、先ほどの答弁では、それぞれインターネットで探していくということでありましたので、ちょっと、やり方は随時変えていき、また、適切な方法を考えていただきたいと思っています。
先ほどの答弁の中に少し入っていたんですけれども、この新しいサービスの中には、給料や待遇などの条件ではなく、やりがいや環境でマッチングをするとうたっているサービスがあります。例えば、募集に関しては給与、待遇の記載NGというような会社もありまして、そもそも、このような会社が雇用仲介業者として位置づけられるのかどうかということを大変疑問に思っています。
これは、求人情報とは何なのかということにも通ずるわけでありますが、給与や待遇などが分からないのであれば、就業内容がそもそもの掲載内容と異なっているかどうかを判断できず、今回の一つの目玉でもあります的確表示そのものの意味が薄れてしまいますというか、そもそも実効性が図れないというような懸念が生じるわけですけれども、再度この点について伺いたいと思います。
○田中政府参考人 今回、募集情報等提供事業について、届出制なり様々なルールを定めるわけですけれども、今回の法改正においても、前回、募集情報等提供事業について指針を定めるというときに定義した範囲よりも今回、一定拡大をして、再定義させていただいております。
この雇用仲介事業というものは、インターネットの登場に伴って様々な形で展開しておりますので、今回の規定の中に、ルールの対象になるのかどうかという判断の明確性をまずお示ししていかないといけないですし、また、その外にあるサービスで、人材募集とか様々な人材関連のサービスが出てくると思います。その中で、先ほどもありましたけれども、求職者の利益が損なわれているというようなものがあれば、様々な形で議論をし、検討していかないといけないことは今後とも出てくると思います。そういう課題意識を持って取り組んでいきたいと思っております。
○田中(健)委員 さらに、会社の形態としましては、今回対象となる特に求人検索エンジンのような大きな会社においては、そもそもの事業運営主体が海外に本社があるというケースも多々あります。先ほど、実態状況、届出制とともに求めていくということでありますが、そのサービスの中のどの範囲までが職業安定法による届出や報告の対象となるのかということもお聞かせ願えればと思います。
○田中政府参考人 海外の事業者であっても、求人企業や求職者が日本国内にいるなど、募集情報等提供事業が日本国内で行われていると評価できる場合には、今般の法に規定している募集情報等の的確表示等のルールを遵守していただく必要があると考えております。
事業開始の届出や事業概況報告の提出の義務についても、日本国内向けに募集情報等提供事業を行う場合は遵守していただく必要がありますけれども、逆に、海外事業者が海外向けのサービスを行っている場合には、職業安定法に基づく義務は及ばないものと考えております。
日本に存在する求人企業あるいは求職者の利益の保護という観点から、しっかりと職業安定法上のルールを適用していきたいと考えております。
○田中(健)委員 日本国内に事業所がある企業を対象とするということなんですが、今、働く環境というのは日本だけでなく世界でありまして、どこで働くかという場所は、それも問わないような時代となっていまして、もしかしたら、海外で働くということも日本のサイトの中で提供し、また、それが実際に結びつくということもあるかと思います。今後の課題かと思っておりますので、是非これについても今後議論を深めていきたいと思っています。
さらに、そもそもの、今、件数のことについて聞きたいんですけれども、さきの全国求人情報協会という団体が発表しています二〇二一年の年間求人の広告の掲載件数というのは、職種別の合計件数で千八十九万という数が出ています。さらに、直近の、本年度、二〇二二年の一月は、百十万件と、これは先月比三〇%増ということで、かなり増加をし、また、今現在増え続けています。
的確表示の義務として、虚偽又は誤解を生じさせる表示を禁止し、また、最新かつ正確な内容に保つための措置を講じることを義務づけるということとされています。
これについても先ほど来るる議論があったんですけれども、この数を見て議論をすると、これだけの件数をなかなか全てチェックしていくというのは相当な業務量となることが想定をされます。どのようにして実効性を担保していくのか、内容を伺います。
○田中政府参考人 先ほど申し上げましたように、最新かつ正確な内容に保つというのは、求人ビジネス、あるいはその求人ビジネスが活動する労働市場の信頼性にとって非常に重要な要素だというふうに思っております。
もちろん、今回規制を、ルールをつくるのも、こういったビジネスが大幅に伸びてきていて、取り扱う情報の数も莫大な数になりつつある、その中で法的にどういうふうに考えていくかという議論をしたわけでございます。
したがって、多いから難しいじゃないかということでなくて、恐らく、このルールをしっかり周知しつつ、基本的には、事業者がしっかりと自覚を持ってルールを自主的に守っていただくということが大事ですし、それを一つカバーするように業界団体の機能も重視していかなければいけませんし、業界団体と私どもルールを所管する行政官庁が、地方の組織、指導のための行政組織の充実も含めてしっかりと対応していく必要があるのではないかと考えております。
○田中(健)委員 これは、始めてみないとどこまで実効性を担保できるか分からないんですが、ネット上ないしSNS上、様々な誤った情報を検索するのに、大手はAIを使ったりして、かなりのコストを払って実行しています。今回対象となる会社は、もちろん大手はあるんですけれども、かなりベンチャーや小さな企業もありますので、今、業界団体やまた地方を使っても実効性を担保していくということをおっしゃっていただきましたので、せっかくこのような的確表示を義務づけても、それが担保できないということでは意味がありませんので、是非徹底して行っていただければと思っています。
さらに、苦情処理を義務づけるということも今回明記されています。
皆さんも御案内のとおり、これは、人材サービスだけでなくて、インターネットを使っていますと、苦情処理や問合せというのは、今やもう電話をするというものはありません。一生懸命ネットのページを見ていても、電話番号を探しても、なくて、ほとんどメールか問合せフォームのような形でしか受け付けていないのが現状です。
今回の義務づけの中には、迅速かつ適切な苦情処理のためということが掲げられておりますが、これも、どこまでの対応を業者に、また業界に求めていくのかということが具体的にここでは分かりませんので、是非お示しいただきたいと思います。
○田中政府参考人 今般の法改正では、募集情報等提供事業を行う者に対し、求人情報等を広く提供する社会的役割に鑑みて、迅速な苦情処理及び必要な体制整備の義務を課すこととしております。
この義務に沿ってどのような体制を取るかについては事業の規模などによって異なりますが、少なくとも、苦情の申出先を明らかにする必要があるとともに、苦情を放置するような状況は義務違反になると考えております。
○田中(健)委員 もちろん、苦情を、義務づけるということで書くことは分かるんですけれども、つまり、その義務づけたことが、単に、問合せはこちらというメールや、単にお問合せフォームということでは、やはり、苦情する人が自分の苦情を一生懸命メールで書くというのではとても迅速かつ適切だとは思えないんですね。
といって、じゃ、各会社にコールセンターを整備しろとか電話をつけろというのは非現実的だとは思うので、この苦情処理というのをどのように義務づけるかというのは大変大事だと思いますし、求職者の保護にもつながってくるかと思っていますが、いま一度、業者に義務づけるというだけでなく、更に一歩進んだ対応ができないかと思っていますが、いかがでしょうか。
○田中政府参考人 これもいろいろな形で実態を踏まえて考えていかないといけない部分がありますけれども、今のようなネット社会におきましては、電話のみならずメールによる苦情受付を行うことは、時間を問わず求職者が申告できるなどのメリットもあり、苦情処理体制の一つの手段になると考えられます。また、電話を必須とするということも本当に必要かどうかということも考えないといけないと思います。
ただ、それだけでは駄目で、どういうような形で受け付けようと、先ほど申し上げましたように、苦情をそのまま放置する、要は電話に出ないとかメールに返信しないとかそういったことをやると、やはり義務違反になるというふうに思いますので、そこまできちっと体制整備と、それを実際動かすということをしっかりと周知して、実効ある措置を取っていただくように促していきたいと思っております。
○田中(健)委員 以前のこの委員会でも、新聞記事を取り上げて御質問を、先生、いただきましたけれども、求職者が、話が違うということで尋ねようとしても、会社が変わっていたり連絡先が分からないので結局泣き寝入りしてしまったというような例を示していただきましたが、そのようなことがないように、是非、今るる対応も検討していただけるというので、お願いをしたいと思っています。
次に進みます。
求人サイトでは、利用者が氏名や年齢、住所、さらには学歴や職歴ということなど個人情報を登録する場合が多く、情報漏えいを懸念するという利用者も多いと言われています。
どの国にサーバーがあるのか、また契約の委託先がどこで管理しているのか、再委託先は等々、個人情報の管理というのは多くがデータ管理を外部に委託をして、詳細を把握していないというケースがあります。LINEが、外部に十分説明しないままに、日本国内の利用者の個人データに中国の関連会社からアクセスできる状態を放置していたことが発覚して問題になったことは、記憶に新しいかと思います。
個人情報の保護については個人情報保護法、また、サーバーの管理や閲覧等の外部送信には電気通信事業法といった制約があります。
今回の法改正では、この個人情報の保護や秘密保持ということも大きな項目として掲げられておりまして、これが義務づけられるということでありますが、職業安定法に基づいては、このような個人情報の保護、秘密保持というのはどのような対応が可能になるのか、伺います。
○田中政府参考人 今般の職業安定法の改正によりまして、募集情報等提供事業者の適正な運営を確保する観点から、これまでの職業紹介事業者に対するのと同様に、募集情報等提供事業者についても個人情報の保護に関するルールを適用するということにいたしました。
具体的には、求職者等の個人情報の取扱いや適正な管理に関する規定の対象とするとともに、個人情報の不適切な取扱い等に対し厚生労働大臣が改善命令等の行政処分を行うことを可能とするという点が、職業安定法に個人情報の保護のルールを規定して適用するという重要な点でございます。
もちろん、個人情報保護法や電気通信事業法は、それぞれ、職業安定法とは別の趣旨、目的を有して、それに照らして必要な法規制を図っていると承知しております。事業者が各法律の規制対象に該当する場合は、職業安定法に加えて、当然、それぞれの法律の規定も遵守していただく必要があると考えております。
○田中(健)委員 ちょっと分からなかったんですけれども。
例えば、個人情報保護法、この四月に法改正が全面施行となりまして、先ほどちょっと懸念を示しました海外のデータ保存などは、規制は強化されます。海外事業者にデータの処理を委託する場合は、国名を示したり、また本人の同意取得なども義務づけということで、今、企業が一生懸命この対応に追われているところであります。
そのようなことが求職者保護につながるということは大変いいことだと思っておるんですが、さらに、その中でも、今回の法改正では、職業安定法に基づいた保護と秘密保持をするというのが、ちょっとどのようなことになるのか。否定をしているわけではなくて、更に求職者に対して安心や安全につながるというのを、もう少し具体的にお示しいただければと思います。
○田中政府参考人 恐らく、職業安定法での個人情報保護と個人情報保護法などでの個人情報保護のルール、当然重なる部分はありますけれども、私どもの個人情報保護というものは、職業選択の観点から個人情報が、どうしても人材ビジネスの過程において個人情報を使わなければなかなかうまくマッチングができないということで、非常にそういう意味で個人情報が漏れやすい、あるいは誤って使われやすい部分でもあります。そういうことで、特にこういった事業を規制するといいますか、事業を所管する厚生労働大臣がその視点から求人ビジネスに対して指針を定めて、独自の対応をしていくということは重要かと思います。
ですので、私どもの個人情報の観点でお示ししている職業安定法に基づく指針は、一般的なものではなくて、まさに人材ビジネスに即応した形で、情報の取扱いあるいは適切な管理の在り方等を示しているという形になっておりますし、それに違反があった場合には厚生労働大臣が指導するという体系になっております。
それと、一般的な個人情報の取扱いについてのルールは、これは重畳的に適用されると考えておりまして、入念的に、私どもの指針の中にも、個人情報保護法の規定に従うようにということを書かせていただいて、その点のそごがないようにさせていただいております。
○田中(健)委員 先ほど来、厚生労働大臣という言葉が何度か出てきておりまして、ちょっと時間もないものですから、今回この改正法についてるる、ちょっと私も具体的なものが分からなかったものですから、一つずつ確認をしながら質問させてもらいました。まだ明らかでないことや、先ほど吉田委員の様々な提案も、課題が残っているかとは思うんですけれども、是非最後に、大臣のこの改正法に向ける意気込みと、また、今回の質問のまとめとして一言いただければと思います。
○後藤国務大臣 今、丁寧に、法律、新しい、特に募集情報等提供事業者、SNSや、あるいはAI、あるいは国際的な問題、新たな質を担保する中での競争の問題、多角的な問題点があること、よく承知して、しっかりと新しいビジネスとして成り立つことと、そして、情報を受ける人の権利や、しっかりとした役に立つように、しっかりと見ていきたいというふうに思っております。
○田中(健)委員 ありがとうございます。
ますますこの転職市場というのは活発化してくると思っておりまして、新しい会社やサービスも続々と生まれてくると思いますが、どんな形であれ、求職者が安心してサービスを受けられるという環境を是非つくっていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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ホーム>政党・政治家>田中 けん (タナカ ケン)>2022年3月11日 厚生労働委員会 議事録