2021/4/17
『東電福島第一原発事故処理水海洋投棄問題の闇!?』
https://go2senkyo.com/seijika/22385/posts/230149
① 不毛な非科学的な議論をやめたらどうか?
菅義偉首相は、2021年4月中旬、いきなり、
東電福島第一原発事故処理水は、海洋投棄しても安全だとして、
原発処理水を海洋投棄することを決定してしまった。
そして、日本国内外では、科学的思考ができない、
与野党の政治家、マスメディア、官僚、専門家を名乗る方々、
漁業関係者、電力会社関係者らが、不毛の議論を始めたので、
地球化学や同位体の専門家として、一言、忠告したい!
まず、指摘しておきたいのは、
こういう議論に登場する方々は、
多くの場合、原発運転関連の利害関係者や専門家ではあるのだろうが、
原発事故に伴い発生する様々な物質が、
地球環境や海洋生物にどのような影響を与えているかを研究してきた、
専門家ではない場合が多いのだ。
だから、彼らは、そもそも、水文学や地球化学、海洋生物学などという、
学問分野を、知らないし、興味もない。
② 水文学(すいもんがく)(hydrology)を知らない方々?!
水文学(hydrology)という、地球における、
水の供給源としての降水の地域的・時間的分布特性、
蒸発、浸透、陸水や地下水の移動等を主な対象にする学問があるが、
彼らの多くは、そもそも、水文学という学問分野があることすら、
ほとんど知らない。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%96%87%E5%AD%A6#:~:text=%E6%B0%B4%E6%96%87%E5%AD%A6%EF%BC%88%E3%81%99%E3%81%84%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%8C%E3%81%8F,%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%81%99%E3%82%8B%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82
米国地質調査所 = USGS = United States Geological Survey:
https://www.usgs.gov/special-topic/water-science-school/science/what-hydrology?qt-science_center_objects=0#qt-science_center_objects
そんな彼らに、東電福島第一原発事故後、地下水に関連して生じている、
大量の汚染水の始末をどうしたら一番良いか、尋ねても、
まともなアイディアが出てくるはずはないし、そもそも、
水文学の専門家が、原発立地に関係していたら、
現在の場所に、東電福島第一原発を立地させたかどうか、甚だ疑問だ。
つまり、日本中の原発を推進している勢力が主張する原発安全神話は、
稚拙な妄想にすぎないのだ。
③ 生物濃縮?!
2011年3月11日の東電福島第一原発事故から約1年8ヶ月経過した、2012年11月22日から23日にかけて、当時、私が勤務していた、東京海洋大学に、日本政府から提供されていた、
平成24年度(2012年度)環境省総合研究推進費
(「いわき市沿岸における放射性物質分布に関する研究」)
を使って、福島県いわき市沖の98266平方メートルの海域の海洋生物を、底引き網と刺し網を使って採取し、放射性同位体である、質量数134と質量数137のセシウムがどれ位含まれるか、計測したことがある。
そのナマデータを Table 4.2 に示す。
この時、採取された魚類が、福島県いわき市沖の対象海域、98266平方メートルに生息するすべてであると仮定すると、これらの魚類に含まれる、放射性同位体である、質量数134と質量数137のセシウムの大半は、
学名 Okamejei kenojei(和名: コモンカスベ)
と、
学名 Sebates cheni (和名: シロメバル)
に生物濃縮されてしまっていることが分かるし、そもそも、この対象海域に生息する魚類として、コモンカスベとシロメバルが異常に大きな割合を占めていることが分かる。
Fig. 4.1
Fig. 4.2
④ 東電福島第一原発事故処理水を40倍に薄めて海洋投棄する科学的合理性?!
菅義偉首相は、東電福島第一原発事故処理水を40倍に希釈して、
海洋投棄するというが、何倍に処理水を希釈しても、コモンカスベやシロメバルのように特定の放射性同位体を濃縮したり、特定の放射性同位体濃度が濃い海域に好んで生息する、海洋生物がいるので、生態系への影響が40倍に希釈すれば、安全になるという科学的根拠は存在しない。
そして、コモンカスベやシロメバル、実は、我々人類が気がつかないだけで、結構食べているのである。
もちろん、コモンカスベやシロメバルが商品名になっていないので、一般人が気がつかないだけである。
⑤ 東電福島第一原発事故処理水は、トリチウムだけを含むのではない?!
自民党の「処理水等政策勉強会」の代表世話人・山本拓衆院議員が、次のような指摘をしているという記事がある。
『原発処理水にはトリチウム以外に12の核種が残留…「国民に事実を」と指摘したのは自民・原発推進派』
2021/4/14(水) 14:20
日刊ゲンダイ
https://news.yahoo.co.jp/amp/articles/1d37736b9ae8d9d4f590d32e368f669858ed1b47
この内容が本当だとしたら、東電福島第一原発事故処理水の海洋投棄によって、一般人が気がつかない間に、我々、日本人が、よく食べる海洋生物を通じて、体内に放射性同位体を蓄積し、内部被曝により、我々日本人の体内が、むしばまれる可能性が高いような気がする。
⑥ なぜトリチウム除去をやらないのか?!
トリチウムは、質量数3の水素の放射性同位体であり、時間が経過すると共に、放置しておいても、弱いガンマー線(波長の短い電磁波)とベーター線(電子の流れ)という放射線を出して、質量数3の安定同位体(放射性同位体のように時間が経過しても別の同位体に変化しない。放射線を放出しない。)であるヘリウムに変化する。
(質量数3の水素)=>(質量数3のヘリウム)+(ベーター線)+(ガンマー線)
ここで、生成する質量数3の安定同位体であるヘリウムは、自然界にほとんど存在しない同位体で、2010年の時点で、米エネルギー省(DOE)が、$15000米ドル/グラムの市場価値があると報告しているが、なぜ、これほど、高価な物質であるかと言えば、核融合、中性子検出、超低温冷却(絶対零度に近い温度にする)を行う際に、必要不可欠な物質だからである。
#1
"Helium"
Lunarpedia
https://lunarpedia.org/w/Helium
#2
"The Helium-3 Shortage: Supply, Demand, and Options for Congress"
Dana A. Shea, Specialist in Science and Technology Policy
Daniel Morgan, Specialist in Science and Technology Policy
December 22, 2010
Congressional Research Service
http://large.stanford.edu/courses/2017/ph240/wulff1/docs/R41419.pdf
#3
『ヘリウム3(3He)について』
東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻 福山研究室(低温物理学)
http://kelvin.phys.s.u-tokyo.ac.jp/japanese/research/helium3.html
#4
"Helium-3"
Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Helium-3
#5
『ヘリウム3』
ウィキペディア(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A03
#6
『3He-4He希釈冷凍法』
ウィキペディア(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/3He-4He%E5%B8%8C%E9%87%88%E5%86%B7%E5%87%8D%E6%B3%95
一方、原発事故処理水からトリチウムを除去するのは可能である。
#7
『燃料電池・水電解を用いた水素同位体 分離・濃縮に関する研究』
松島永佳
北海道大学大学院工学研究院
https://fc-cubic.or.jp › 2020/09PDF
では、なぜ、日本政府は、原発処理水のトリチウム除去をやらないかといえば、恐らく、日本が、核融合、中性子検出、超低温冷却(絶対零度に近い温度に冷却)に必要不可欠な戦略物質である、質量数3のヘリウムを、大量かつ容易に手に入れることを妨害したい勢力が、工作活動を日本政府高官に対して行っているからではないか?
⑦ 結語
実は、この問題、闇は相当深いだろう。
日本の右翼系が国防強化重視賛成=海洋投棄賛成、
左翼系が国防強化反対=海洋投棄反対、
という単純な見立てに多くの国民や識者は騙されているようだが、実は、東電福島第一原発事故処理水の海洋投棄問題、
国際的なパワーバランスを根本的にひっくり返しかねない、
また、我が国や日本民族の生存に大きく関わる問題が、
内包されているような気がする。
⑧ 著書紹介
上記で述べた、2012年11月22日から23日にかけて、福島県いわき市沖の98266平方メートルの海域の海洋生物を採取し、放射性同位体である、質量数134と質量数137のセシウムがどれ位含まれるか、計測したデータを解説した、私、桂秀光の著書、
KATSURA Hidemitsu:
"Accounts of Biological Functions for Accumulation of Radioisotopes in Fishes"
BP International(Book Publisher International ), 2021
Print : ISBN 978-93-90431-22-9
e Book : ISBN 978-93-90431-23-6
DOI: 10.9734/bpi/mono/978-93-90431-22-9
https://stm.bookpi.org/ABFARF/article/view/139
https://journalgazett.com/accounts-of-biological-functions-for-accumulation-of-radioisotopes-in-fishes/
https://www.bookpi.org/bookstore/product/accounts-of-biological-functions-for-accumulation-of-radioisotopes-in-fishes/
が、インドと英国に拠点を持つ出版社から発行された。
購入は、
https://www.bookpi.org/order-book-accounts-of-biological-functions-for-accumulation-of-radioisotopes-in-fishes/?
より可能!
2021年4月17日
桂 秀光(カツラ ヒデミツ)
博士(農学・東京農工大学)・水産学修士(東京水産大学)
アマチュア無線家 JR1UTS
インド・コインバトゥール工科大学(防衛工科大学)招聘講師
元神奈川県茅ヶ崎市長候補・元衆議院議員候補(神奈川15区)
連絡先: http://airusa.org/newkatsura/formmail/
IP Phone: 050-6864-0530
FAX: 0467-54-1383
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