2026/9/11
大雨が降ると、
「このくらいなら車で通れるだろう」
と思ってしまうことがあります。
でも、水が道路にたまってくると、状況は一気に変わります。
道路の先が見えない。
マンホールのふたが外れている。
道路が陥没している。
車が動かなくなる。
そして、気がついたら車内に水が入ってくる。
もし、そんな状況になったらどうすればいいのでしょうか。
今回は、
「水害で車に閉じ込められたとき、どう行動すればいいのか」
を、できるだけ分かりやすくまとめます。
これが一番です。
水が何cmあるのか、道路の下がどうなっているのか、外からは正確に分かりません。
市川市では、道路冠水が繰り返し発生する13か所に冠水センサーを設置し、冠水状況をリアルタイムで把握して道路規制などに活用しています。
つまり、
「いつもの道だから大丈夫」
とは限りません。
大雨の日は、
「通れるかどうか」
ではなく、
「危険になる前に通らない」
という判断が大切です。
それでも、突然の大雨などで車が動かなくなってしまうことがあります。
その場合は、慌てずに次の順番で行動してください。
車が水に浸かり始めたら、
シートベルトを外します。
同乗者がいる場合は、子どもを含めて全員のシートベルトを外す準備をします。
車が傾いたり、水圧でドアが開きにくくなったりすると、脱出そのものが難しくなります。
JAFも、水没時にはまず落ち着いてシートベルトを外し、脱出に備えるよう案内しています。
車内に浸水してきたら、
エンジンを停止します。
そして、脱出方法を考えます。
JAFも、車内まで浸水した場合は車を止め、エンジンを停止したうえで避難方法を考えるよう案内しています。
水位がまだ低く、
ドアが開くのであれば、ためらわず脱出します。
水が深くなるほど、車のドアには外側から大きな水圧がかかります。
「もう少し待ってから」
ではなく、
開くうちに出る。
これが重要です。
国土交通省も、水没車両からの脱出手順として、最初に「水位が低いうちにドアを開けて脱出する」としています。
ドアが開かない場合は、
窓を開けて脱出します。
パワーウインドウが動くなら、窓から外へ出ます。
窓が水面より高い位置にあるなら、そこから脱出して車の屋根などへ移動する方法があります。
ここからが重要です。
水没すると電気系統が影響を受け、
パワーウインドウが動かなくなる可能性があります。
そのため、車には、
を備えておくことが大切です。
JAFの実験でも、水没時にサイドガラスを割るには基本的に脱出用ハンマーが有効とされています。
ここ、意外と大事です。
トランクに入れてはいけません。
車が水没したときにトランクまで取りに行くことはできません。
運転席や助手席など、
シートに座った状態で手が届く場所
に置いておくことが重要です。
シートベルトカッター付きのタイプなら、シートベルトが外れない場合にも使用できます。
ここにも注意が必要です。
フロントガラスは、一般的な脱出用ハンマーでは割れない場合があります。
国土交通省も、フロントガラスに使われる合わせガラスは脱出用ハンマーでは割れないと説明しています。さらに、一部車種ではサイドガラスやリアガラスにも合わせガラスが使われています。
そのため、
を脱出口として考えるのが安全です。
ただし、車種によってガラスの種類が違うため、購入時には自分の車に対応した脱出用ハンマーか確認しておきましょう。
⚠️ 注意
水没した車から脱出する際、「ヘッドレストや傘などでサイドガラスを割る」という方法が紹介されることがあります。しかし、JAFの実験では、ヘッドレスト・スマートフォン・車のキーなどではガラスを割ることができませんでした。身近な物による脱出を前提にせず、緊急脱出用ハンマーを車内の手が届く場所に備えておくことをおすすめします。
ここが一番怖いところです。
車の外から水圧がかかっている状態では、
ドアを開けるのが非常に難しくなります。
しかし、JAFの実験では、車内に水が入ってきて、
車内と車外の水位差が小さくなると、ドアが開けやすくなる
ことが確認されています。
国土交通省も、
内外の水位が同程度になるとドアが開く可能性が高まる
と説明しています。
だからこそ、
「ドアが開かない=もう終わり」ではありません。
落ち着いて脱出の機会を待つことが重要です。
ここは誤解しないでください。
基本は、
早く脱出できるなら、早く脱出する。
です。
ドアが開くならすぐ出る。
窓が開くなら窓から出る。
ハンマーがあるならガラスを割る。
それでも脱出できない場合の最後の手段として、
車内外の水位差が小さくなることでドアが開きやすくなる可能性がある
ということです。
車から脱出できたとしても、
冠水した道路を歩くのは危険です。
水が濁っていると、
といった危険があります。
JAFも、冠水路から避難する場合には、いきなり水の中に飛び出さず、水深を確認しながら一歩ずつ進むよう注意しています。
ただし、流れが強い場合や深い浸水の場合は、無理に水中を移動せず、より安全な場所への移動や救助要請を優先してください。
水害のとき、
「車をどうしよう」
と考えてしまうのは当然です。
高価な車ならなおさらです。
でも、
車は後からどうにかできます。
命は取り戻せません。
車が浸水してしまったら、
車を守るために車内に残り続けない
ことが大切です。
一度でも車内に浸水した車は、
などの危険があります。
JAFも、水が引いた後であっても、浸水した車のエンジンをかけないよう注意しています。
水が引いたら、
JAFや販売店、整備工場などに相談
しましょう。
市川市では、2026年4月改訂版の水害ハザードマップが公開されています。
江戸川の洪水だけでなく、
などについても確認できます。
また、市川市の災害ポータルでは、
などをまとめて確認できます。
大雨が降ってから調べるのではなく、
普段のうちに自宅・職場・学校周辺の浸水リスクを確認しておく
ことをおすすめします。
これも大切なポイントです。
市川市は2026年から新しい防災気象情報の運用が始まり、警戒レベルと避難行動の関係を分かりやすくしています。市は、警戒レベル4では全員避難すること、また安全な場所にいる人は必ずしも避難場所へ移動する必要はなく、状況によっては移動そのものが危険になる場合があると説明しています。
つまり、
「避難=車に乗って避難所へ行く」
ではありません。
むしろ大雨が激しくなってから車で移動することが危険になる場合があります。
だからこそ、
ことが重要です。
この記事を読んだら、ぜひ家族で話してみてください。
そして、
①シートベルトを外す
↓
②エンジンを止める
↓
③ドアが開くなら脱出
↓
④窓が開くなら窓から脱出
↓
⑤開かなければ脱出用ハンマー
↓
⑥それでも無理なら、水位差が小さくなることでドアが開く可能性を待ち、脱出の機会を逃さない
という基本を覚えておきましょう。
ここまで読むと、
「脱出用ハンマーを買わなくちゃ」
と思うかもしれません。
もちろん、それも大切です。
でも、それ以上に大切なのは、
危険な場所に車で入らないこと。
大雨の予報が出ている。
道路が冠水し始めている。
川の水位が上がっている。
市から避難情報が出ている。
そんなときは、
「まだ車で行ける」ではなく「今は車で行かない」
という判断をする。
これが一番の水害対策です。
市川市は江戸川や真間川などの河川、低地や海に近い地域もあり、地域によって水害の種類やリスクが異なります。
市川市の2026年4月改訂版水害ハザードマップでは、地域ごとの浸水想定や避難場所などを確認できます。
「うちは大丈夫」
と思わず、
自宅
↓
職場
↓
学校
↓
よく使う道路
の順番で確認してみてください。
そして、
「大雨の日、この道を車で通って大丈夫かな?」
という視点でも見ておくことをおすすめします。
水害で車に閉じ込められたときに覚えておきたいことは、
そして何より、
「車を守る」より「命を守る」。
これを忘れないようにしたいと思います。
今回、車の水没について調べていて、改めて感じたことがあります。
水害対策は、
「避難所を増やす」だけではありません。
そもそも、
「危険な場所に入らない」
ための情報。
そして、
「危険になったときに、どう行動するか」
という具体的な情報。
さらに、
「もし失敗してしまったら、どう命を守るか」
まで伝えることが大切だと思います。
市川市では2026年8月にも短時間の大雨によって避難指示が発令されました。
水害は「いつか起きるかもしれない話」ではありません。
だからこそ、今日のうちに、一度だけ家族で話しておく。
それだけでも、いざというときの行動は変わると思います。
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参考: 市川市 水害ハザードマップ
市川市 災害ポータルサイト
JAF「自動車が水没したときの対処と脱出方法」
国土交通省「水没した車両からの脱出手順」
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ジンノ アキオ/45歳/男
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